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2014年2月17日月曜日

急がば回れ??

 先日来の大雪の為に北海道で足止めをくらい、という事でえらい目にあいました。一部の同業者が羽田行の便は無理と判断し、新潟に飛び、新幹線で東京に向かうという事で新潟に旅経ちました。しかし、その後連絡があり新潟からの新幹線はやはり大雪の為に動いていない事が解り、新潟で足止めという連絡入りました。

 今回、せっかちの私には珍しく、ノンビリ行こうと覚悟を決め翌日の午後早めの便が取れ、それで帰京をしました。結果的にはあまり変わらなかったような気がします。

 もう、十数年前になりますが当時テルアヴィブで仕事をしており、父が危篤という一報受けましたが、その時のイスラエルはゼネストの真っ最中でニュースによると4,5日は空港も開かないという事でした。

 顔見知りのタクシードライバーに相談したところヨルダンの国境までは乗せていってくれるという事で話がまとまり、夕方過ぎに国境に辿り着きました。そこから国境を超え既に日の落ちた街を路線バスに乗り首都のアンマンに辿り着き、空港から一路、今内戦でもめているシリアのダマスカスへ向かい、付いた頃は既に深夜の12時を回っていました。

 ダマスカスからさらにオランダのアムステルダムへ、そして、さらに札幌へ向かい、そして東京にへ・・・・。長い旅路でしたが帰国した後に知った事ですが私がテルアヴィブを発った翌日に空港は再開したということでした。つまりもっと早くたどり着けたのです。

 何事もウサギとカメの例えの方が正解のような気がして、意味は違うかもしれないけれど急がば回れという事は必ずしも今回は正解ではなかったような気がします。

 我々の仕事には急ぐことによる瞬間的なメリットと結果がでてくる事はあるかもしれませんが、長い目で見ると必ずしも良い結果になる事は少ないのです。

 回りくどくなったのですが宝石の販売において値引きや安売りは一時しのぎにしかならない事は歴史が物語っています。現在の販売方法の多くは宝石を売るというより値引きやディスカウントを売っている様に見えます。

 永い間諸先輩が培ってきた宝石の価値を利用して値引という手段でビジネスをする事は、身を削っていく事と同じなので将来はないでしょう。他人が作ってくれた価値を食いつぶす姿は宝石の商売には似つかわしくはありません。

 全くの値引きが悪いと言っている訳ではありません。気に入ってくれたものがお客様の予算に合わない時にお手伝いという意味での値引はありだと思いますが、最初から値引きをするから買いなさい的な売り方は何時から根付いてしまったんだろうと思います。

 宝石の魅力や価値を説明する事は本当に知識と経験がなければ出来ません。しかし、その事により価値を作り続けてきたのです。ジャンプの葛西選手ではありませんが『レジェンド』にこそ価値があるのだと考えます。

 つまり、価値を継続してきた事が『レジェンド』であり、それを繋ぐ事が宝石の価値を高め意味を待たせるのです。昔の名前を利用して値引き販売する事よりも将来も継続する価値を作り上げることこそ宝石の価値があるのです。

 切り売りはレジェンドの価値を下げます。つまり、売り方の価格が売っている本人の価値のです。何事も簡単ではなりません。この事が真の『急がば回れ』という事になるのかもしれません。

 宝石の価値を高めれば黙っていてもそれなりの売り方ができるようになるのだと確信しています。売り方でこれ以上自らの価値を下げる事はやめましょう。

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