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2013年1月22日火曜日

ダイヤモンドのグレード!?

 昨日、知人が

『ダイヤモンドを投資目的で買う人が増えてきているという事ですが本当ですか?』

という質問に対して私は

『投資かどうかは別にして財産の保全として購入している人が多くなってきている事は事実でしょうね。』

『でも、グレードというのは人が見て決めるんですよね。そうすると一貫性が取れないのではないですか?機械で測った方がよいと思いますがね。』

 以前にもよくこのような質問をされた事があります。そして、業界としてもこの試みをしてこなかった訳ではありません。

 米国宝石学会(GIA)においてもこの研究はされていますし、現にカラーグレーダー等も開発はされております。しかし、このカラーグレーダー等も一定ではなく時には(F)カラーレベルのものを(Z)という表示をしたりと再度の確認を人が行わなければならない状況でもあります。勿論以前よりも正確にはなってきていると思いますが・・。

 一方クラリティーに関しても研究は行われておりますが、まだまだ内胞物の含有率を調べるという事のレベルです。クラリティーグレードに関しても含有率だけではなく内胞物の反射の印象であったり、その場所によっては印象が変わりますので一概に評価は出来ません。グレードが異環境によっては差異が出るというのもこの辺の事情もあります。

 また、カットに置いても同じ寸法パーセンテージであっても大きさによってはカットにおける総合評価が変わるというのが現在一般的なGIAの“ファセットウエア”の基準です。つまり、構成比率が一緒であっても1CTか0.5CTでは見え方が違うという事になっています。

 重量に関して言えば勿論世界中どこで測っても大きな差異はありませんがグレードというものは
そのようなものです。つまりは人間の印象が一番大事なものであるという当り前の結論なのですが、感性に数値を当てはめていく事は出来ても数値に感性を当てはめていく事は出来ないという事でしょう。

 この度のシンティレーションレポートに関してはその間、つまり、人が見て綺麗だなと思うもの裏付けと言う事になります。今までの示されたグレードに対して『そうなんだぁ』と思うものとはちょっと変わっています。

 今後も勿論技術は進んでいくのでしょうが、最後は人間の評価ないしは個人の評価に起因する事が本来の形なのだと考えます。それにはダイヤモンドの評価の仕方(難しくはない単純な)を啓蒙していく事が業界の役割なのでしょう。

 簡単に言えば相応の場所で綺麗なものを選ぶという事ですね。決して過度な光の演出などのないところでの・・・。

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