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2013年1月29日火曜日

ダイヤモンド1丁目1番地

 先週末に来店した友人から

『ダイヤモンドのグレードの4Cでヴィヴィの何ちゃらってなんですか?』

非常に乱暴な質問でありましたがダイヤモンドに対する一般のユーザーの感覚というのは多分にこれくらいだろうと思います。

 一連のグレードの説明をして、

『ただし、グレードのランクごとに関しては一律ではないので一概にそれで価格を決める事は出来ないものだよ』

 『どういう事ですか?』

 『貴方は不動産にも関わっているからわかると思うけれど・・・』

番地で言えば中央区銀座1丁目1番地1号と言えばある特定の場所を特定できます。これはF(フローレス)IFクラスに準ずる表現、VVSクラスこれは1番地位の幅、特定は出来るけれど一点ではない。VSクラスこれは1丁目の幅、この中には何番地も入っている。SIクラスこれは銀座位の幅で何丁目もあれば番地もある範囲、Iクラスとなればこれは中央区の範疇であり、色々な場所があります。

 F,IFクラスとなればある程度価格の比べる基準になるけれど、VSクラスになると1番地もあれば15番地もある、道路に面しているところもあれば裏に面しているところもあるという事で一概に相場で括る事は出来ないという事です。

 一連の説明を終えた時に彼は

『それじゃ、それを決めている公的機関があるんですか?』

という質問

 『公的機関はないけれど、一定の基準はあります。しかし、人間が判断する事だから違いが出る事はあり得るね』

 『同じような期間に同じ機関で同様なグレーダーが見れば、さほどの差は出てこないと思う。』

 『グレードの事は解りましたけど、それにはっきりした基準がないというのは心細いですね』
と友人

 『でも、不動産の価格もおおきな基準はあっても、やはり相対で価格がきまするでしょ。』
『つまり、目安はあるけれどブランドやお店の事情によっては価格は異なるという事です。』

『なるほど、グレードというのは国の路線価みたいなものですね。』

『そうかもね、需要によって変わる価格の基準みたいなもので実態は相対という意味ではそうかもしれないね。』

少し、先祖がえりをした質問のように感じましたが実の消費者の声としたら、いかに業界がこれらの啓蒙努力をしてこなかったのか・・という事を感じますね。

2013年1月28日月曜日

個展!?

 昨日、知人の友人の個展にお誘いを受けて行ってきました。40歳を過ぎてから美術大学に通われ絵の勉強をされたそうで、現在もサラリーマンをしながらの創作活動だそうです。

 女性の表情を写実的に描き、その表情を通して感じる物を創作課題としているとの事。確かに気になった数点に関しては表情の細やかさな描き方も見事でその絵のタイトルとの共感も感じられ、なるほどと思いました。

 しかし、目にして感じるものというのは人それぞれであるとともに、その時の情感も左右すると思いますのでその分絵画という物は難しいと痛感しました。上手な絵を描く人は沢山いますがそこに何かを感じる事の出来る絵というものはそんなにある物ではないと思います。

 ダイヤモンドのように視覚的に綺麗という事が結論にある物は残りの価値は人間の其々の感性による物でありますが、絵画というのはその絵が綺麗かどうかという加え嗜好性も出て来ます。その上で価値を判断されるという事になります。

 素材そのものに価値のあるものと、そこに描かれる付加価値を価値とする違いはあるかもしれませんが、人の心に何らかの情感を与えるという共通点を持つ、ダイヤモンドと絵画。絵画に置いて個展は開けるのかもしれないけれど、ダイヤモンドにおいて個展を開く事が出来るのだろうか?

 もし、出来たとしたら画期的であろうけれど・・・・。
 でも、是非やってみたい試みであります。

2013年1月25日金曜日

ダイヤモンドのストーリー。

 現在、国際宝飾展がビッグサイトで行われていますが、沢山の業者に交じり一般消費者と思わしき人がちらほら・・。

 ダイヤモンドというものは安く買おうが高く買おうが、その価値は求め方により決まってくるものです。売る人に問いかけたい事は心を持ってダイヤモンドを販売していますか? という事であります。勿論ダイヤモンドだけに限定したものではないですが・・。

 もし、心がなければダイヤモンドでなくても良い訳です。他の商品と同じような価値であればダイヤモンドでなくても良い訳です。

 つまり、売る人と買う人の心の物語があって初めてダイヤモンドに価値があって、物語がないものはただの商品なのです。ただ単純に物欲を満たすだけなら他に沢山の商品があります。

 ダイヤモンドに心を一緒に乗せていますか?

 ジュエリー全般にも言える事ですがストーリがある物がジュエリーで価格を追ったものは単なる商品なんですね。

 宝飾展を見ていて感じたのは本音ギラギラの展示者と価値より見た目を探す来場者でした。怒られるかもしれませんが、以前のような(相当前ですが)品格が出展者には感じなかったのは私だけでしょうか?

 言い過ぎならばごめんなさい。

2013年1月22日火曜日

ダイヤモンドのグレード!?

 昨日、知人が

『ダイヤモンドを投資目的で買う人が増えてきているという事ですが本当ですか?』

という質問に対して私は

『投資かどうかは別にして財産の保全として購入している人が多くなってきている事は事実でしょうね。』

『でも、グレードというのは人が見て決めるんですよね。そうすると一貫性が取れないのではないですか?機械で測った方がよいと思いますがね。』

 以前にもよくこのような質問をされた事があります。そして、業界としてもこの試みをしてこなかった訳ではありません。

 米国宝石学会(GIA)においてもこの研究はされていますし、現にカラーグレーダー等も開発はされております。しかし、このカラーグレーダー等も一定ではなく時には(F)カラーレベルのものを(Z)という表示をしたりと再度の確認を人が行わなければならない状況でもあります。勿論以前よりも正確にはなってきていると思いますが・・。

 一方クラリティーに関しても研究は行われておりますが、まだまだ内胞物の含有率を調べるという事のレベルです。クラリティーグレードに関しても含有率だけではなく内胞物の反射の印象であったり、その場所によっては印象が変わりますので一概に評価は出来ません。グレードが異環境によっては差異が出るというのもこの辺の事情もあります。

 また、カットに置いても同じ寸法パーセンテージであっても大きさによってはカットにおける総合評価が変わるというのが現在一般的なGIAの“ファセットウエア”の基準です。つまり、構成比率が一緒であっても1CTか0.5CTでは見え方が違うという事になっています。

 重量に関して言えば勿論世界中どこで測っても大きな差異はありませんがグレードというものは
そのようなものです。つまりは人間の印象が一番大事なものであるという当り前の結論なのですが、感性に数値を当てはめていく事は出来ても数値に感性を当てはめていく事は出来ないという事でしょう。

 この度のシンティレーションレポートに関してはその間、つまり、人が見て綺麗だなと思うもの裏付けと言う事になります。今までの示されたグレードに対して『そうなんだぁ』と思うものとはちょっと変わっています。

 今後も勿論技術は進んでいくのでしょうが、最後は人間の評価ないしは個人の評価に起因する事が本来の形なのだと考えます。それにはダイヤモンドの評価の仕方(難しくはない単純な)を啓蒙していく事が業界の役割なのでしょう。

 簡単に言えば相応の場所で綺麗なものを選ぶという事ですね。決して過度な光の演出などのないところでの・・・。

2013年1月21日月曜日

ダイヤモンドが語ること。

 先週末、某メーカーの展示会に顔を出しました。一時の華やかさは欠けたもののやはりそのDNAは残っている様に感じました。社会に出た頃このメーカーの末席に籍を置かせて頂いていた事もあり展示商品を見ながら色々と記憶を巡らしておりました。

 ダイヤモンド製品を見ていてハイケースのところに来るとひと際輝きを放っているダイヤモンドがありました。2ctほどのこのダイヤモンドは何時も小生が述べているライフの強い石で“ここにあり”
みたいな雰囲気を醸し出しておりました。

 何故そのダイヤモンドが気になったかと言うと、入社当初、私が初めて大きなダイヤモンドを見た時の感情を思い出したからです。当時の取り扱っていた物は今で言う高グレードのものばかりで、光り輝いていたように見えたものです。

 いつも述べているタイプⅠとかタイプⅡとかシンティレーションリポートの問題はさておき、見る人間の心情をも輝きに変えるとともに遠くの記憶をも引っ張り出してくれるダイヤモンドというものはやはり凄いと感じ、その事が皆さんにダイヤモンドの価値を理解して頂く道標になるのではと思いつつこの週末を過ごしておりました。

2013年1月19日土曜日

宝石のダイヤモンド!?

 現代のダイヤモンドには宝石という主たる面とジュエリーの材料、光学的材料、資産材料といった面がある事は今までも書いてきましたが、宝石としてのダイヤモンドにおいても幾つかの面があります。

 一つには情緒、つまり何らかの精神的満足感を持たせるものとしての要素。それは誇りなのか満足感なのかは別にして非日常的要素がそこにはあります。また、実質的な利益に出来るという事もいえます。

 後者に関してはある程度の余裕と専門的知識が必要となりますが、前者に関してはまさに本来の意味があるのかな・・と感じます。

 条件をある程度クリアしているという事が前提になりますが、その条件とは大きさと輝きと言えるでしょう。例としてふさわしいかどうか解りませんが、例えば芸能人と食事をしている自分に対して周囲の目があるとしたらそこには優越感なり、満足感があるという人もいると思いますが、その経験を出来るなら食事代くらい多少高くても出そうということにもなるでしょうし、周りに芸能人のお友達が多くいればそうは思わないかもしれませんが、天皇陛下と謁見が出来るとなれば多少高額な準備が必要であっても是非となると思います。勿論、ひねくれて賛成をしてくれない人もいると思いますが・・・。

 大きなダイヤモンドを一般の人が体験できない方法で身につける事が出来たら、やはり特別感はあると思います。勿論買える買えないは別にしてですが。

 その中で自分に手の届きそうなところで、大きくて美しいダイヤモンドを手に入れる事が出来たらテンションが上がる事は、今までの経験で理解することは容易です。

 多くの人がそこでモチベーションが仕事なり、運気なりが好転したという事は良く聞きます。それはポジティブな気持ちになる事で人が自然に周りに集まってきたり、精神的な解放感が良い考えをめぐらさせたりと言う事が要因になっていると思っています。

 一般的消費者とか業者とか問わずにダイヤモンドを身の周りに置く人々は(商品としてではなく)
精神的にも豊かで、何かと恵まれている人が多い事は経験で感じています。

 その事を持って宝石のダイヤモンドと考えていますが、その大きさは人それぞれでしょうけれど、男性の多くは大きさだけではなくファンシ―カラーのような特殊なものを集めるコレクター的要素があり、女性は身に付ける大きめな白いダイヤモンドを好みます。

 皆さんも振り返ってみてください。

2013年1月11日金曜日

何故にダイヤモンド!?

 永くダイヤモンドビジネスに携わりディラー・バイヤーとして商材のダイヤモンドを扱ってきて、なんら不思議に感じてきたことはありませんでした。

 昨日、訪問をしてきた知人が一言
『女性はなんでダイヤモンドを欲しがるんですかねェ?』

『女性ばかりではなく、男性も買う方が多いよ』
と小生。

『何で買うんですかね?』
と再び知人。

何故ダイヤモンドを買うのか?

 正直言うと考えた事もありませんでした。良いダイヤモンド、魅力的なダイヤモンドを供給すれば売れるものという事しか思っていませんでした。

 確かに、何かの実務的な用途はないし、食べるものでもない事はたしかです。それでは何故?

 宝石の条件として、審美性、希少性、耐久性、携帯性、そして換金性があり、これを前提として考えてみるとある種のヒントが見えて来ました。現代においては最後の換金性を前提とした財産の保全や投資的要素が現にありますが、それは特殊なサイズの大きな物や特殊な色の物といった高額なものであります。そして、それらを購入している人々は必ずしも美しいからといった意味で購入している訳ではなりません。

 それでは一般的なダイヤモンドはどうでしょうか?きれいである事は大前提であるし、それだけでは購入する動機にはなりえない訳で、残りの希少性や耐久性、携帯性が付帯するとある条件が出て来ます。

 人間は特殊な体験をるするとその事に喜びや誇り、優越感を持ちますがそれは一つの換金価値を持つのです。つまり、アミューズメント施設や旅行にお金を払うという事ですね。

 極論を言いうと天皇陛下やローマ法王に謁見する事は非日常的な体験であり、喜びや優越感を持ちます。また誇りを持つ方も多いでしょう。

 ダイヤモンドを持つ事はある種の特殊体験であり、人が持てないものを持つ喜びや体験をする対象物でもある訳です。特に男性は誰も持っていないファンシーカラーのダイヤモンドに保持することへの優越感を感じ、女性は綺麗な非日常的な物を身につける歓びという価値を求めるのだと思います。

 人によってその大きさや色、形、価格は違うかもしれません。しかし、共通している事はそれらの
一般的ではない体感を持ち運び、身につける事に代金を払っているのではないかと思っています。
故に、それに反するような販売方法はむしろダイヤモンドという商品の価値を下げる行為になり、むしろ販売の難しさを際立させていると思います。

 景気の良い時は販売側もその辺をあおりますが、景気が悪くなって来ると販売側はむしろ価値を下げる販売方法を演じます。それは本来のダイヤモンドの価値を理解していないのだろうと今になって感じます。

 前述の宝石の条件を損なうような行為は決して将来の為にはありません。多くの処理石は希少性を損なうし、耐久性に関しても問題がない訳ではないでしょう。ダイヤモンドが全条件を考えた時にその頂点に立っている事は明らかです。宝石の条件となっていますが天然に置いてこれらの特殊条件を備えている物を宝石と呼ぶのでしょう。

2013年1月9日水曜日

ダイアモンド占い!?

 新年を迎え、先週末に昨年ファンシーグリーンのダイヤモンドを買われた御夫婦が新年の挨拶にこられました。その際に案の定ダイヤモンドの話に花が咲き、奥様が

『うちの場合は主人の方がダイヤモンドを好きという変わった夫婦ですが、うちのようなのは珍しいでしょう?』

 と話題が変わり尋ねて来ました。

『実はそうではないんですよ。』

と小生・・。

 昨年一年で0.1ctから1ctまで大小合わせると百点前後のカラーダイヤモンドを販売しましたが驚くなかれリピーターのほとんどが男性でした。勿論女性も多々いらっしゃるのですが、やはりファンシーカラーとなると男性が圧倒的なような気がします。

 一連のお話しをすると奥様は驚かれたように

『そうなんですか。驚きますね、ダイヤモンドと言えば女性のものだとばかり思っていました。どんな方が買われるのですか?』

 お話をさせていただいたのは、ほとんどの場合技術系なり専門職の男性で、見た目にも一途で
真面目そうな方が多いように思えましたのでそのように御話をさせて頂くと

 『なるほどネエ。主人がその典型かもしれませんね』

 実はそれだけではなく、感性が豊かで、想像性と好奇心が強いような気がします。ただし、共通しているのが、怒られるかもしれませんが、あまり、自らをアピールするようなタイプではなく、むしろ自身に没頭するようなタイプの方が多いようにみえます。

 『女性の方はどうですか?』

と奥さま

 女性は本来光る物が好きですし、その上で大きな物が好きである事は想像通りだと思います。勿論経済状況や環境によってその違いはありますが、ダイヤモンドを嫌いといった方にはあまりお目にかかった事はありません。

 つまり、女性は本能的な感性でダイヤモンドを好みますので白くて大きな物が好きなようです。昨年も大きなオークションで落札をされたファンシ―カラーダイヤモンドのほとんどは男性が購入者であったように思います。勿論、投資家も含めてこの手の物を動かすのは圧倒的に男子性が多いという事もありますが・・。

 但し、女性によって好む内容もやはり違いがあります。ラウンドを好む人、ファンシ―カットを好む人、その中でもハートを好む人、マーキース、オーバルと其々このむ形によって志向性が全く違うような気がします。

 お話をしている途中で御主人が

『ダイヤモンドで性格が解るのであれば、占いもダイヤモンドで出来るかもしれませんね?』

 と言われ、確かに占いは統計学だと言いますからデーターをきちっと取れば占いもできるかもしれないと思いながら茶飲み話に花を咲かせて、新年のひと時をやはりダイヤモンド話ですごしてしまいました。

2013年1月5日土曜日

シンチレーション・リポート!?

 常々、述べている事ではありますが、ダイヤモンドの価値は4Cのグレードだけでは決まりません。米国のAGS研究所では昨年末に2007年より研究を重ねてきたシンチレーション・リポートの特許を取得し、発行を始めました。

 AGSというのは御存じの方も多いかもしれませんがアメリカ・ジェム・ソサエティーと言って米国の宝飾業界でのGIA(米国宝石学会)と並ぶもう一方の雄であります。米国宝飾業界ではむしろAGSの方が創立の経緯もあり、発言力があります。

 このAGS研究所発行のシンチレーション・リポート(Scintillation Report)というのは簡単に言うと白色のキラメキ(Flash)及び有色のキラメキ(Fire)をダイヤモンドもしくは光源を移動させた時に観察をした際のキラメキのレベルとその分布を図で表したものをレポートしたものです。

 これは画期的なもので今後日本でも採用がされる事は必至と思われます。GIAによる総合評価は3千万を超えるモニタリングをし、それを数値化したものをグレード評価基準としたものですが、このAGSのものはそれを可視化したものという事になります。

 双方とも実質的には単なる数字を評価基準とした日本のグレードとは異なり、実際に人の目に言える輝きや美しさをレポートしたもので、前提としては人の目に見える評価を基準としています。

 つまり、ハート&アロー(ハート&キューピット)を最高級品とした販売方法が横行していますが、必ずしもそれがイコール最高という事ではなく、あくまでも人の目に映る評価を基準としたGIAのモニタリングから招いた結果やAGSの人の目に映るキラメキをリポートしたものといった第3者的指摘をグレード化したものであります。

 一定の業者や鑑定機関が定めた基準ではなく第3者的にアドバイスという前提のこれらのリポートは個別の感性や本来の価値観を前提とするダイヤモンドを表わすには公平なものとして評価をしたいと思います。

 現在の日本ではまだまだ4Cだけのグレーディングに収まっておりますが、今後はこれらのシステムも登用されることになるでしょう。

 但し、選ぶのはあくまでも消費者自身ですから、其々の感じる美しさを基準にアドバイスを上手く活かしてダイヤモンドを選ぶ事が一番良い事です。あとは販売側が付けた価格を納得できるかどうかだけです。そして、自身の予算と照らし合わせる事でしょう。

 販売側もビジネスですから無謀な値引きは出来ませんから、値引きされた最終価格が小売価格ですのでそれを前提に選択をしましょう。値引率が大きいという事は・・・・皆まで言いませんが。

2013年1月4日金曜日

ダイヤモンド・イヤー!?

 明けましておめでとうございます。

 本年もご購読頂ければ幸いです。

 さて、昨年はこのような景気にもかかわらずボチボチとすごさせて頂きましたが、色々と考えさせられる一年でもありました。

 何故、宝石屋さんと言われる人々が色眼鏡で見られるのか?簡単な答えは必ずしも消費者が宝石を購入している人々が本来の宝石商ではないという事ですね。つまり、本来宝石を扱っていなかった方達から買い求めており、結果その販売方法を通してそれらの人々を胡散臭く感じているという事なのかもしれません。

 三十年ほど前から呉服屋さんや、商社が業界参入をし始めてからというのもはその前までの業界とは一転し、呉服屋さん方式の値引販売が横行するようになり、本来ついている価格を前提としない価格設定をするようになりました。

 当時の呉服屋さんは販売力があるものの洋装が進み、本業だけでは食べていけなくなり宝石に目を付けました。価格があってないがごとく勘違いをして参入をしたのですが、その結果宝石業界では考えられないような価格設定が行われてきました。

 呉服業界の販売方法の値引きを前提に価格設定が設定され、さらに掛け売りが前提となるのですからその価格設定は驚くようなものでした。

 しかし、当時の宝石業界は一部の大手がシェアを占めていたので、小規模業者は販売力のある呉服業者と組み展示化販売へと傾いていき、多くの販売方法が値引きを前提とした販売が宝石業界のある種のトレンドにもなりました。

 勿論、商社の参入も大量販売、価格競争を促す、要因にもなりましたが、その前提がダイヤモンドの4Cでした。4Cが経験の少ない宝石店や販売業者にとって一定のものという誤解を前提とした販売方法をとっていましたのでやはり4Cを前提とした価格競争が行われ、他の宝石も同じうように販売が行われてきたのは御承知の通りです。

 実際にはダイヤモンドの小売価格は4Cで決まる訳ではなく、他の要素(販売形態等)で決まる物で、色石に関しても処理石かどうかという要素やネーミング等の変化が多く入ってきて必ずしも大きさや色だけでは決まる訳ではない事がほとんどです。(説明としては十分ではありませんが)

 昨年来より競売やオークション等で大きめのダイヤモンドな価格や一般の方が業者側に販売をする形が明らかになりつつあります。消費者は何軒かの業者に価格を提示させ高額のところに販売をすれば良いし、業者も逆流するダイヤモンドを販売する形も以前よりは市場の抵抗がなくなりつつあります。

 ダイヤモンドの販売方法は今年もっと多種にわたってくる気がします。以前にも書きましたがダイヤモンドの新しい時代が来る夜明け前の予感がします。

 ダイヤモンドに携わる人々のあと一歩の努力でビジネスが変わります。ダイヤモンドの本来の市場ではデフレーションは起きてはいません。むしろインフレーションが続いています。消費者が幸せを感じるような販売方法を試みましょう。

 ダイヤモンドは不変ですが、ダイヤモンドビジネスは変わります。