昨日、小生より長くダイアモンドビジネスに携わっておられる方とお話をしました。
そこで出た内容が現在ダイアモンドに携わっている人間はある意味かわいそうだといった内容でした。何故かと言えば本来のダイアモンドの価値観と違うところからダイアモンドを学び始めているという事です。
昨今、入試の携帯を使用したカンニングの問題が取りざたされ、入試会場に携帯の電波を圏外にする装置を取り付ける話が取りざたされていますが、一方では圏外地域を少しでも無くしようとしています。皮肉な話ですが今後もこんなことが続くのでしょう。
前回にも述べましたが、それぞれのローカル環境とのバランスが進化や文明には必要である事は間違いはありませんが、ひと昔前や現代の発展途上国ならそれだけを考えればよいのですが、今の先進国はそれぞれが技術やノウハウを持っているので勝手にそれぞれの都合で進化しています。
特に日本はFAXに始まり、携帯等はまったく日本独自の進化をしています。いわゆるガラパゴス化が起きている訳ですが、その為に皮肉なことですが国際競争には後れをとる事になる訳です。
ダイアモンドに関しては日本ほど4Cのグレードのこだわるところはありません。40年ほど前はまだ
ダイアモンドにほとんどグレード表示がなく価格だけの表示がある程度でしたが、小売店なども価格の違いを説明する知識もなくトラブルが絶えませんでした。
同じように見えるダイアモンドの価格の違いを説明する為のツールとして4Cグレードが持ち込まれた訳ですが、今から三十数年前私たちは当用漢字が読める事が出来れば理解可能な、当時で言う鑑定書を普及させました。その表示する4Cは消費者が見ても理解できる内容でしたが、新たに立ち上がられた鑑定機関はその内容を難しくし専門家でなければ如何にも解らないようなニュアンスの鑑定書を造り上げました。
鑑定書の普及は結果的には4Cグレードの普及にもつながり、日本独自の市場が出来上がってきました。細かい日本の消費者にはその手法が取り入れられた事により、理解するというより、ここまで細かいのであれば安心が出来るといった真理を見事利用した市場が出来上がったのです。
一方4Cが前提となったダイアモンド市場では、4Cのついたダイアモンドを仕入れる訳ですからプロでなくても買付は出来る訳です。しかし、本来の買付はダイアモンド独自の価値(ダイアモンドその物や市場性)で判断される訳ですから4Cがついていたらむしろ良い物が買付できません。
他人が評価をした物に値段をつけるだけなら誰でも出来ます。今の日本人の若いバイヤーにはノーグレードの買付が出来ません。つまり経験がなく独自の発展を遂げた日本のダイアモンドビジネスの中で育ったのでその必要性も無かったのです。
プロでなくてもできる事は専門職になり得ません。つまり、世界では通用しない訳です。
世界の多くの市場ではサイズが大きくかったり、特殊なものにはレポートが当然つきますが日本で販売されているような小さなサイズで品質が並のものであれば、消費者が自ら判断するものですのでレポートはつきません。
日本ではどんな物にもレポートが要求されることが多いのですが、大概の場合はレポートの効力は半年前後です。永久の商品についているグレードはわずかな期間でその効力をなくする訳です。
勿論ダイアモンドはさらに残りますので問題はありません。
世界では考えられない状況が日本では起きている訳です。冒頭の会話はこれらを表しており、本来であれば専門職の仕事のはずなのに、ガラパゴス現象が起きた為にバイヤーの仕事をして経験を積んでも今の状況であれば誰でもできるし、本来のダイアモンドビジネスであれば世界に通用するだけの知識も経験もないといった状況が起きているという事です。
ダイアモンドは本来、自らの価値で解釈し、それが高価なものであれば真偽を確認するために第三者に判断をしてもらうというのが基本である。
またまた難しくなったのでこの続きはいずれ機会を来て・・・。
半端だと思った方は是非お問い合わせをください。
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