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2013年3月9日土曜日

ダイヤモンドは宝石?

 前回にも書きましたが、ダイヤモンドは扱う人によってその性格が変わってくるような気がします。その上でダイヤモンドというだけで宝石なのかどうかという事を考えてみると当り前の事ですがダイヤモンドと言うだけで宝石とは言えない訳です。

 宝石の条件を当てはめて検証してみると、条件の中の希少性という事を考えるとその最大要因は大きさでしょう。鉱物ですから一つの結晶として採掘できるものは大きくなればなるほど希少性が増します。それでも大きければ良いかという事になると条件の中の美観がなければだめだという事になります。

 勿論、希少性という事であれば記念や遺品等のような情緒的な希少性ではなく物理的な皆が認識するものをいうのですが、ダイヤモンドでいえばどれくらいの大きさであろうかと考えるとやはり0.5CT以上という事が言えるでしょう。もしくは1ct以上という事は言えるのではないでしょうか。

 日本では以前より小さくても品質の良いものと言った表現もありますし、お店によってはそのような表現をしているところもあるでしょう。しかし、ダイヤモンドに永年携わっている方なら解ると思いますが基本的には宝石ということで考えるなら間違いです。

 誤解をされると困りますが、婚約指輪等で使うものを否定している訳ではありません。使用しているのは間違いなくダイヤモンドです。ただ、それは他の価値観であり、宝石としてのダイヤモンドではないという事です。先に書きましたが情緒的価値ではなくフラットに表現するとという事です。

 それではダイヤモンドを買う人がいなくなるという事になりますが、そうではありません。最高品質のものを望めば一部の人しか手に入れる事は出来ないでしょうが、ダイヤモンドはそれだけのチョイスではありません。

 宝石の条件の中には美観性、希少性、携帯性、耐久性、換金性とをうたっていますが、品質を条件には一切触れていません。つまり、4Cを基準にした時の高品質は必ずしも宝石の条件の下では合致したものではありません。食べ物や観賞品の好みに個人差があるように宝石の美観性の中も個人差はあります。

 例えば、ブラウンカラーの色にこだわる方もいれば、イエローカラーを好む方もいらっしゃいます。その範囲を考えると必ずしも高額品になる訳ではありません。だれもがピカソを良いと思う訳ではないという事です。

 また、希少性で大きさをたまたまホワイト系のダイヤモンドを前提に分けましたが、ファンシーカラーとなるともっと小さなサイズになるでしょうね。しかし、その中でもやはり、大きな物が希少性を増す事には違いがありません。

 大胆に分けると、小さなサイズの品質の良いものであれば幾らでもあります。しかし、美観を前提とした1CT以上のダイヤモンドはそうそうありませんので、宝石としてのダイヤモンドという事になると分ける線はそこなのかなという気がします。

 日本のマーケットでは古くから品質という事を前提において来たために、扱っている業者の都合で小粒なものを主体に扱ってきました。しかし、小粒のダイヤモンドを表わす〝メレー”という言葉は0,25CT以下を指します。でも以前は多く人が0.2~0.3ctを婚約指輪としていたのです。

 多くの原因が4Cという画一化した中での安易な販売方しか出来なかった業者側の未熟さゆえの事だったのです。本当の宝石のダイヤモンドを販売する人たちが多く現れる事により、業界が絶えることなく未来があるのだろうと考えています。

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