毎度述べていますが、美観性、希少性、耐久性、携帯性、そして換金性と言ったこれら真の宝石の条件を満たすものは実際にはダイヤモンドだけであると言っても過言ではないのですが、日本の場合はどうかと申しますとちょっと事情が違います。
確かに、昨今の我が国では地金の高騰もあり地金の買い取りに準じてダイヤモンドの買い取りも多く行われるようになりました。しかし、まだまだ本来の換金システムがあるとは言えません。
他の国ではこれに準ずるシステム(換金性)がありますが日本では不動産といった絶対的な財産がありますので動産をあまり重要視しません。これは日本のみの神話で、動かすことができず、同じ大きさのものが場所によって値段が違い、なおかつ2~3年で価値が半分以下になるものが担保になる財産という変な国は日本だけでしょう。これは金融側からすると持って逃げることができないと言うことなのでしょうが、これも一昔前に“元”が日本に攻めてきた時に“神風”が吹いたり、第二次世界大戦の後にソ連が日本を領地に出来なかった弊害でしょう。つまり他の国に侵略されたことの無い国の勘違いなのです。
しかし、ダイヤモンドの価格は昨今、確実に世界の小売価格の中でも日本のそれは安い方に属してきました。いずれ近い将来日本でも銀行がダイヤモンドを扱う時代がくることが望ましいと思いますが、歴史が与えた経験はなかなか変えることは出来ないでしょう。
ダイヤモンドには様々な顔があり、いままで述べてきた財産性とは別に優れた装飾品としての魅力があります。こちらの嗜み方のほうが真の宝石の楽しみ方かもしれません。
また、価格に関係無く未来永劫変質すること無く残りますので、一族で2代3代と使って頂ければ別の意味で財産になるでしょう。勿論、ダイヤモンドの持っているそれ自身の特性に魅力を感じ魅入られる方が圧倒的に多くそれぞれの経済状況にあわせて購入し、集めていられる方もおられます。これも、もうひとつの宝石への接し方です。
長い歴史の中で多くの女性のみならず男性をも魅了し、たくさんの物語を演出してきた主役でもあるのです。
1800年代後半ティファニーが採掘権のための社債を発行し、詐欺師として訴えられたのも、マリーアントワネットが絞首刑台に昇ったのもダイヤモンドが創った歴史の一ページと言っても過言ではありません。
また、流浪の民ユダヤ人たちがイスラエルと言う国を建国する為にダイヤモンドがその力の一旦を担ったと言っても異論を唱える人はいないと思います。
このように、歴史の一部を演出したダイヤモンドはただ単に宝石と言う言葉では括れない存在だと言えましょう。
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