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2017年5月12日金曜日

ダイヤモンドの指紋⁉

 先週WDC(世界ダイヤモンド協会)よりダイヤモンドの指紋についての発表があり、今後はダイヤモンドの産地や鉱脈を特定する技術がほぼ完成を見ているという事です。

 これは深読みをせずに単純に考えると過去のキンバリープロセスで補えていなかった部分が補われるとともにダイヤモンド業界の安定につながるだろうと考えます。

 紛争ダイヤモンドにおけるキンバリープロセスに関しては世界のダイヤモンド業界は紛争地のダイヤモンドを扱わないという国際条約であったのですが実際には有名無実であったことは皆が認識していました。

 それは原産地証明とサプライヤーの良心だけを当てにしていたものなのですが実際には日本も加盟をしていても輸入されるときにはシッパーのインボイスが付いてくるわけですからその真偽は解りません。

 数年前に多くの宝飾店で『当店では紛争ダイヤモンドは取り扱いません』というポスターを掲げていましたが、まさに海外から見れば嘲笑の対象でした。私自身も多少冷ややかな目で見ていました。もし消費者からその証明をしてくださいと言われたらどうするのだろうと思いました。

 日本では一部の例外を除いては自分のところで輸入をしているところはありませんし。輸入元ですらそれ紛争ダイヤモンドなのか否かは証明できません。ましてや取引所を通ったものは・・。

 今回の発表ではすでにピンクダイヤモンドに関しては特定技術は完成されており、他のダイヤモンドに関しては時間の問題であるという事です。この産地特定技術を持ってダイヤモンドの指紋制度といっているわけです。

 さて、この技術が完成されることにより産地が分かり、紛争地区のものは排除をされるわけですが、さらには闇で働かせられていた人々の人権なり職権なりが確立をしていくことが想像されます。

 つまり、ダイヤモンドの採掘をしてそれをビジネスにするにはすべてが正式な物でなければなりません。結果紛争ダイヤモンドは誰も手を出さなくなりますのでイスラム原理主義者やアフリカ等の独裁国家などの一部権力者の闇金をある程度規制する事が出来るようになります。

 ただどの程度の精度なのかについては言及がされていないのと、WDCのプレジデントはロシアのアルロサの幹部であることを考えるとその先には何がと勘繰ってしまいます。

 いずれにせよコーヒー豆なども一時はマフィアの資金源だったものが産地証明の精度が上がったために産地の収穫者たちの立場が明確化され、世界に通用するまともなビジネスになったようにダイヤモンドも現地の人々を苦しめるのではなくまっとうな仕事として現地に貢献できるようになることを望むものです。
http://diamond-exchange.jp
http://ameblo.jp/diamonrow
 

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