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2015年4月16日木曜日

レベル⁉

 宝飾業を生業にし、過去の優雅でもあった時代を顧みてみると、最近の宝石の展示会なるものは些か首をかしげる部分があります。

 多くの展示会での耳にする言葉は客質が下がっているという言葉です。しかし、果たしてそうでしょうか?

 私が多くのお客様から耳にする言葉は全く逆で
『こんなレベルのところでは大金は出せないわね』
という言葉です。

 昔から客質は売り手のレベルという言葉がありますが、真にその通りではないかと感じさえします。何故なら多くの場合、現実があるという言葉とともにお客様のための品物選びではなく、自らの成績のための商品選びに終始しているように感じるからです。

 相も変わらず、
『財産になりますから』
という言葉が飛び交い同席をするたびに困惑をする次第です。本当にそんなことを思っているのかと考えるとその販売員のレベルに驚嘆させられるし、解っていてその言葉を吐いているのでさればその人間を信用するには値しないと考えます。

 どちらにしてもレベルの低い話であるので、その結果お求め頂いているお客様には失礼ではありますが、止むを得ないのかなという感じがします。

 この造形品は作者が亡くなったとしたら価値が上がるかもしれませんとか、この職人の腕はどこそこの賞をもらっていますとか、このデザイナーはどこそこの地方では有名なデザイナーですとか、ジュエリーのそのものではなく、かもしれないとか逆に言えばだれもが知ってはいない有名人とか、怪しげなフレーズだけで商売をする業者が多く、販売員もそれを鵜呑みにするようなレベルであるという事になります。

 本来のプロであれば自らが調べ、自らがチェックをする知識を持つとかと言ったことが当然なされていなければいけません。勿論、中にはそのような販売員さんもおりますが、その人たちを見ていると決してその類のものはお客には勧めてはいません。後で起きるかもしれないことを懸念しているからでしょう。賢明ですね。

 いずれにしてもお客様のレベルを嘆くより、自らのレベルを省みる賢明さを今こそ持たなければいけないのではと感じる次第です。
http://ameblo.jp/diamonrow
 

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