春の珍事とでも解釈をした方が良いのかどうか解りませんが、1週間ほど前の出張中に店舗から電話が掛かり、お客様とお話しをしてほしいとの事でした。
店の人間と電話口で変わった声は少しぶっきらぼうではあったけれど落ち着いた中年紳士の感があるものでした。
『今、お店に伺っているのですが少し大き目のダイヤモンド例えば10CTS以上の物を考えているのですが手配は出来ますか?』
との事でした。
『勿論ご用意は出来ますが一度お会いして詳しく伺ってからという事になりますが・・。』
『解りました。いつお帰りですか?』
『今週の木曜日には戻ります。』
というような会話の最後に
『2億から3億を考えています。』
とういう話を添えられて会話は終わりました。
木曜日に来店をされてお話しを伺うと父が残した相続が間もなく入るのですが、その行き場所を探しており、人から聞いていたダイヤモンドに興味を持ったということでした。
色々なお話をされていましたが、私が
『成り行きは色々と伺いましたが、仕事柄あくまでも現金の御用意があってのお話しが最初になります。』
『そうですね。どのようにすれば良いですか?』
『私が海外から送らせたものをお客様が直接決済をする方法と、当方がその輸入代行をする方
法と2通りありますが・・・。』
『それでは慣れない事なのでお宅に代行をお願いします。どうすればよいですか?』
『最初に海外の取引所等からリストを送らせますので、それを確認の上で品物を決めて頂き、
その上で先方での輸出手続きが終わり次第ご入金を頂くという事になります。』
『2~3日以内にリストを用意致しますので再度ご来店を頂き、手続きを行いたいと思います。』
『了解しました。もし、なんでしたら先に入金をしますが・・・。』
という申し出に
『いえ、結構です。全ての段取りが組めてからという事になります。但し、着手金は事前に頂きますのでご用意をお願いします。』
『日曜日にしかこれないのですが大丈夫ですか?』
『本来はお休みですがご予約であれば問題ありません。』
『申しわけないので、連れ合いを連れてきて、何かを買ってやります。』
『ありがとうございます。それでは日曜日に・・。』
日曜日にお連れ合いが体調を崩したという事で一人でご来店をされました。その上で前日から当日にかけて海外から送らせた10ctsアップのダイヤモンドのリスト10数点お見せすると
『私にはどれが良いのか解らないので、社長が薦める物にします。』
『わかりました。』
と10ctsアップのDカラー、インターナリーフローレス、3EXというものをお勧めしました。なぜなら、
そのレポートにはTYPE Ⅱの記入があったからです。勿論レアのものですから将来を考えてお薦めした訳です。
途中から雑談になり、何社かのオーナーをやっているが自分には才能がないので他人にほとんど任せている。車に関してもカウンタックとベントレーに乗っているが、今はリッツカールトンの駐車場に止めっぱなしで、あまりのらないという事等色々と話が出ておりました。
『ところで社長このダイヤモンドの金額と手数料を計算してください。明日には振り込みますので
・・。』
『それには及びません。到着をしてからで結構ですので着手金だけお支払いください。』
『いえ、色々と親切に説明をして頂いたので明日の午前中には振り込みます』
『そうですか。それではお願いします。』
といった会話が終わったところで、
『実はジョン・レノンにもらったピアノを持っているんです。』
と彼が言った後に
『そうですか。それではその夢の続きを引き続けてください。』
彼はこの言葉の意味が理解できなかったようで
『それでは、明日・・・。』
と言って颯爽と店を後にしたのです。
実は前回に来店をした時にある名門カントリー倶楽部の会員だという事であったので、その確認を行っていたのです。
一般的な商売の場合億の単位の商いが行われる事はないので、すぐに変な話だと疑問に思う事であっても我々の商売では起きうることでもあったのでしばらくお付き合いをした訳です。
しかし、彼の来店時には他のお客様もご来店を頂き、仙台四郎ではないけれど良い事もありそうな気がして、良い春の夢を見たと思っておりました。
勿論、週明けに億の単位の振り込みがなかったのはいうまでもありません。もうその妄想家も目の前に現れる事もないでしょう。
やはり陽気のせいかなぁ~。
店の人間と電話口で変わった声は少しぶっきらぼうではあったけれど落ち着いた中年紳士の感があるものでした。
『今、お店に伺っているのですが少し大き目のダイヤモンド例えば10CTS以上の物を考えているのですが手配は出来ますか?』
との事でした。
『勿論ご用意は出来ますが一度お会いして詳しく伺ってからという事になりますが・・。』
『解りました。いつお帰りですか?』
『今週の木曜日には戻ります。』
というような会話の最後に
『2億から3億を考えています。』
とういう話を添えられて会話は終わりました。
木曜日に来店をされてお話しを伺うと父が残した相続が間もなく入るのですが、その行き場所を探しており、人から聞いていたダイヤモンドに興味を持ったということでした。
色々なお話をされていましたが、私が
『成り行きは色々と伺いましたが、仕事柄あくまでも現金の御用意があってのお話しが最初になります。』
『そうですね。どのようにすれば良いですか?』
『私が海外から送らせたものをお客様が直接決済をする方法と、当方がその輸入代行をする方
法と2通りありますが・・・。』
『それでは慣れない事なのでお宅に代行をお願いします。どうすればよいですか?』
『最初に海外の取引所等からリストを送らせますので、それを確認の上で品物を決めて頂き、
その上で先方での輸出手続きが終わり次第ご入金を頂くという事になります。』
『2~3日以内にリストを用意致しますので再度ご来店を頂き、手続きを行いたいと思います。』
『了解しました。もし、なんでしたら先に入金をしますが・・・。』
という申し出に
『いえ、結構です。全ての段取りが組めてからという事になります。但し、着手金は事前に頂きますのでご用意をお願いします。』
『日曜日にしかこれないのですが大丈夫ですか?』
『本来はお休みですがご予約であれば問題ありません。』
『申しわけないので、連れ合いを連れてきて、何かを買ってやります。』
『ありがとうございます。それでは日曜日に・・。』
日曜日にお連れ合いが体調を崩したという事で一人でご来店をされました。その上で前日から当日にかけて海外から送らせた10ctsアップのダイヤモンドのリスト10数点お見せすると
『私にはどれが良いのか解らないので、社長が薦める物にします。』
『わかりました。』
と10ctsアップのDカラー、インターナリーフローレス、3EXというものをお勧めしました。なぜなら、
そのレポートにはTYPE Ⅱの記入があったからです。勿論レアのものですから将来を考えてお薦めした訳です。
途中から雑談になり、何社かのオーナーをやっているが自分には才能がないので他人にほとんど任せている。車に関してもカウンタックとベントレーに乗っているが、今はリッツカールトンの駐車場に止めっぱなしで、あまりのらないという事等色々と話が出ておりました。
『ところで社長このダイヤモンドの金額と手数料を計算してください。明日には振り込みますので
・・。』
『それには及びません。到着をしてからで結構ですので着手金だけお支払いください。』
『いえ、色々と親切に説明をして頂いたので明日の午前中には振り込みます』
『そうですか。それではお願いします。』
といった会話が終わったところで、
『実はジョン・レノンにもらったピアノを持っているんです。』
と彼が言った後に
『そうですか。それではその夢の続きを引き続けてください。』
彼はこの言葉の意味が理解できなかったようで
『それでは、明日・・・。』
と言って颯爽と店を後にしたのです。
実は前回に来店をした時にある名門カントリー倶楽部の会員だという事であったので、その確認を行っていたのです。
一般的な商売の場合億の単位の商いが行われる事はないので、すぐに変な話だと疑問に思う事であっても我々の商売では起きうることでもあったのでしばらくお付き合いをした訳です。
しかし、彼の来店時には他のお客様もご来店を頂き、仙台四郎ではないけれど良い事もありそうな気がして、良い春の夢を見たと思っておりました。
勿論、週明けに億の単位の振り込みがなかったのはいうまでもありません。もうその妄想家も目の前に現れる事もないでしょう。
やはり陽気のせいかなぁ~。
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