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2012年10月24日水曜日

ダイアモンドへの入口!?

 今から40年ほど前にとある輸入商社に入社をし、ダイヤモンドに出会う事になった事を思い出しながら昨日お会いした若者達とのミーティングを楽しんでおりました。

 入社当初の私は必ずしもハツラツとしたタイプではなかったような気がしますが、入社半年後、商品部にいた私は宝石部への辞令を受け取りました。

 最初はなにも解らないというという事ではなく、それ以前にある事があり、宝石部へ興味を示していた事もあり、本来は1年間移動はないという新入社員の恒例とは違い移動を命じられたものです。

 そのある事とは
 『キミは新入社員の髙木君といったなあ、確か社長と同じ苗字だったよね』

 声をかけてくれたのはまだ日本には一人しかいなかったGIAとFGAの両方の資格をい持った上司でもあり、その後の私に影響を与えてくれたW氏でありました。当時のGIA、G.Gは今ほど安易に取れるものではなく、渡米をし、勿論全てを英語でクリアしなければというものでしたし、FGA(英国宝石学会)の資格においても大学の鉱物学の専攻課程で取得をするやはり困難な物でありました。

 私の尊敬すべきW氏からある早朝二人しかいないフロアで見せられたものが6.12ctのピンクの無疵、アイデアルカットのそれは美しいダイヤモンドでした。

 そのダイヤモンドは『アフリカの夕焼け』というネーミングがあり、後に週刊誌等で騒ぎのもとになるような名石で、私の眼には経験のない完璧な物体としか映りませんでした。

 その後10倍のルーペで無疵のこのダイヤモンドの小さなピンポイントを私が発見をしたところから私のダイヤモンドへ旅路が始まる事になります。

 『髙木君、そのダイヤモンドは実は30倍から50倍にするとある部分に内胞物があるんだよ。発見したらダイヤを見る才能があるという事だよ。』とW氏。

 それからというものは私は毎日の昼休みのほとんどを宝石部の商品室で10倍のルーペを片手に過ごすことになり、毎日先輩諸氏に迷惑をかけていたある日

 『見つけました、一瞬ですけどテーブル(ダイヤモンドの上の部分)の二時方向に何かありました』
と私が興奮をして声をあげると

 『エッ!!本当か?』
とW氏・・・。

二人で顕微鏡で確認をしたところその部分に間違いなくピンポイントが存在しており、二人して興奮したのを今でも思い出します。

 実はこの間に何度も不思議な体験をしました。それはダイヤモンドの中を自分が入って泳いでいるような錯覚に何度もおそわれたのです。その気持ちというのは何にも例えがたい初めての経験でした。

 それらの経緯があり、宝石部への移動となったのですが、最初の頃は毎日200個のダイヤモンドを見るように言われていたのですがついついそれをオーバーする個数を見ていた事を思い出します。
 ルーペを通したダイヤモンドと裸眼で見たダイヤモンドは全く別のもので、その両方の魅力においては未だに比べる物がないとさえ思っています。率直に見るダイヤモンドは比類なき美しさだと思っています。

 それゆえ皆さんに率直にダイヤモンドを見る機会を提供していけたらということ考えています。まずはダイヤモンドを見てみてください。

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