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2012年10月29日月曜日

久しぶり!?

 昨日、久しぶりに昔の仕事仲間であり、現在はリタイアをされている方とお会いした。外見はそれほどお変わりではないけれどやはり少し熟されたような気がしました。

 話は当然のごとくダイヤモンドの話へ・・。

『最近はどうなんですか、買付の方は?』

『今年も数回行っていますが、現在では日本からのバイヤーは少ないですね』

 現況を話しながら昔話に花が咲いていると

『今は昔と同じようにソーティング(グレード)のついていないダイヤモンドのロットを見るのでここ20年のバイヤーたちは経験がないので苦労をしているでしょうね』

と彼が同情しながら話をしていました。

 ここ二十年は日本の時間が続き各取引所にも日本の鑑定機関の出先があり、若い日本のバイヤーたちはグレードのついたダイヤモンドを買い分けるだけで良かったのですが、時流もありほとんどの日本の鑑定機関が引上げ、日本向けのグレードのついたダイヤモンドはほぼ皆無となりました。

 ここで、グレードのついていないダイヤモンドを買付けた事のないバイヤー達は買付に時間がかかり、あまり買付事務所では歓迎されない人々となっているのです。

 『そんな状態ですか・・・・。』

 『そうなんですよ。それゆえ私は今のビジネスを以前のようなグレード主義ではなく実質的価値を重点にしたビジネスにしているんですよ』

 『それは原点という意味でも、間違いがないでしょうね』

 彼の言葉は久しぶりに話したダイヤモンドの話でとても力が入っているようでした。

 《久しぶり》この言葉は何かホンワカした気分にさせてくれる。間違いなく以前経験していた物がまた復活をして気持ちに力をくれる様な気がします。

 間違いない価値は時間を超えてまたそんな存在感を出してくれる言葉 《久しぶり》・・・。

 今、ダイヤモンドの存在が私にとって近くにあったにせよ《久しぶり》・・・そんな存在のような気がします。

 ダイヤモンドの本来の価値を理解してくれる人々が少しずつ増えてきている事を実感しています。
やはり郷愁ではないのですが《心の価値》というものは、時々顔を出すことに価値があるようなものでしょう。但し、いつもそばに存在している物でなければいけないのです。

 ダイヤモンドは所持することによって、時折々に触れ《久しぶり》を演出してくれます。

 最後に彼は
『ダイヤモンドの仕事に携わった事は誇りに思うし、世界中を沢山見せてくれましたから今は近くにない、ダイヤモンドをたまに店頭で見るたびにその時代を思い出させてくれます』

 この一言は彼がニューヨーク、ベルギーイスラエルを飛び回って活躍をしていた時代を知る私には懐かしさと羨ましさを感じ、自らもそうであり、今も似たような状況にある事に妙な感傷を得ました。

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