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2023年12月23日土曜日

イスラエルの言い分と日本⁉

 立場上、しばらくの間イスラエルの侵攻というかハマスのテロに関して触れずに来ました。

 私に関しては長年のダイアモンドビジネスとしての関りのイスラエルと今年から始めたイスラエルワインのビジネスがありますので、関りは決して小さくはないのですが、自身の認識を話してもイスラエル寄りの人間とみられるので、あまり発言はしてこなかったつもりです。

 私見として捉えられると思いますが、自国領内で自国民が1000人以上惨殺をされて、報復をしない国家って存在するのでしょうか?

 存在しました。

 我が国に日本です。

 憲法上の問題で報復は出来ないという事になるのでしょう。つまり、自国領で行われたことですから、相手国を攻撃することは防衛という事にはならないので『遺憾に存じます』でしか終われないのです。

 平和憲法として世界に誇る日本憲法ですが、拉致問題にも同じことが言えるのでしょう。

 自国領内で起きているが問題が外へ持ち出された時点で日本は対処できないわけです。国民を守るべき政府と自衛隊は存在しないのです。つまり、北朝鮮が日本国内でテロを起こし、人質を連れ去り北朝鮮に戻った時点で日本は何もできないのです。

 これが日本憲法の実体でしょう。こう考えるとやはり見直す必要があるのかなとも思いますが、日本の政治家から今回の事でその議論は何も出てこないどころか自分達で作った、自分達都合の法律に引っかかってしまうような低レベルの政治家しかいない日本です。

 さて、イスラエルですが今回の侵攻の理屈は合っています。しかし、これまでの経緯も考慮しなければなりません。それはパレスチナ側にもいえます。本来は国連なりの場に問題点を提示するという行為無くしてのテロですから言い訳にはなりません。

 日本のメディアは相変わらずの偏向報道です。ハマス、アルジャジーラ等の画像ビデオを流しコメントをしている始末です。イスラエル国内での惨殺画像は殆ど流れていませんがどれだけイスラエル国民の怒りを買う所業だったかは日本の殆どの人が見ることはありません。

 私自身はイスラエルの友人たちからも流れてくる画像を見ていますので、徹底的にやるべきという気持ちも分からないではありません。

 ただ、ハマスにしてもイスラエル最右翼の連中にしても宗教というより自らの私利私欲が見えないわけでもありません。現にハマスのトップ3人の資産は一兆円を超えるといわれています。これはパレスチナの状況を利用して蓄えた資産であり,決して彼らが汗水たらして作ったものではなく、同胞の血を流させることにより作り上げたものです。

 一方、イスラエルの右翼の連中にしてもパレスチナの排斥を自らの利益としている連中も多くいます。しかし、れっきとした中東では珍しい民主主義国家ですから、彼らへの批判は決して少ないものではありません。

 今後の成り行き次第ではイスラエルの大きなマイナスになることも事実でしょう。


2023年10月19日木曜日

イスラエルについて⁉

  長年、イスラエルという国に接して感じることは多人種の合衆国という側面があることです。

 今回のハマスによる攻撃から開始となった抗争も、昨日今日始まったことではないことは皆さんも理解をしていると思います。但し、圧倒的な力をもってイスラエルという国がガザという地域を抱えてきたことも事実です。

 さかのぼるときりがない論争ですが、一つ言えることはイスラエルの国民皆が戦争を望んでいるわけではないという事です。それはパレスチナ人たちにも言えます。

 以前はパレスチナ人もテルアヴィブなどで仕事をしていましたし、私自身の感じるところではうまくもやっていたという事です。

 ただし、イスラエルにも過激な人種がいることも事実だし、パレスチナにも過激な人種がいます。それはイスラエル、パレスチナの括りではなく一部の横暴な力を持った立場の人間たちの問題です。決して宗教や歴史を持ち出す話ではないと感じています。

 現にハマスの首謀者たちは安全なところから贅沢をしながら、一般の洗脳された兵士たちを鼓舞しています。彼らがどんなに危険であっても首謀者たちが盾になり彼らを守ることはありません。

 一方のイスラエルにしても敬虔という名のもとのユダヤ教徒指導者たちにも同じことが言えます。私自身の知人の息子も召集され戦地に赴いています。しかし、彼も平和主義者で決して戦う事を望んではいません。

 ただし、私自身がここに見てきたことでいえばハマスを始めイスラム原理主義者たちの残酷さです。何時だって弱者を盾に戦います。PLOのアラファトしかり、多くのイスラム首謀者たちは子供を始め女性なども盾に使って自らは私腹を肥やし、陰でがなり立てているだけでした。

 どちらが良いとか悪いとかいうつもりはありませんが、大衆の犠牲はあり得ません。戦いたい者同士が前に出て好きなだけ戦うとよいのです。プーチンも同じです。

2023年10月14日土曜日

イスラエル、パレスチナ抗争⁉

  この数カ月、イスラエルの出張を始め、忙しく過ごしてきました。この三カ月で3回のイスラエルへの出張があり、今回のハマスによるテロ行為に関してはいささか驚いています。

 この件に関しては長らく私も触れないできました。何故なら、本当のイスラエルを皆に知ってもらいたいと思っていたからです。

 勿論、過去からの問題もあり、どちらが正しいとは言えない状況であることは確かです。しかし、過去へのこだわりは何も生まれないことは歴史が証明しています。それはわが国にもある問題でもありました。

 過去の経緯は経緯として、現代に生まれ未来へ生きる世代を考えた時に現状からのポジティブ思考が必要です。

 現在イスラエルには国会議員でも25%、住民も30%からのイスラム教徒が過ごしています。そして、多くのアラブ人たちは免税処置をイスラエル政府より受けており、更には貧民層は生活保護さえ受けています。

 つまり、テロでは何も解決をしないわけで、それはハマスの幹部たちも理解をしているはずです。それであれば条件闘争に持ち込むべきで、テロを行うべきではなかったのです。

 今回の件は後ろ盾の国なのかハマスの幹部なのか、何らかの利害の匂いがするわけです。ハマスの幹部の多くは海外にいます。彼らには何らかの被害はないのです。

 今回の件に関しては決してイスラエルの肩を持つわけではありませんが、明らかにハマスに非があります。何故なら最初から一般民衆を標的にしていたからです。

 一般的にイスラエル軍は一般民衆を標的とはしません。結果的に民衆が巻き込まれるという悲劇にはあっています。また、それが想定出来ることも事実です。

 しかし、今回は最初から音楽イベントと民家です。つまり、軍備も装備も持たない戦う意思のない民衆です。これに関しては言い訳は彼らの神』をもってしても許しがたい事です。

 今回の件を歴史から、過去からの経緯で説明をしようとする人々もいます。過去はどこの国にもあります。我が日本は決して過去を掘り起こしアメリカにテロを仕掛けてはいません。

 勿論、現状の状況を改善しなければならないのは事実です。しかし、それはテロではなく話合いです。少なくともヨルダン西岸地区は問題が内包しているとはいえ、改善されてきています。今回はパレスチナではなくハマスというテロ組織が問題を起こしたのだと解釈ができます。

2023年8月25日金曜日

金融世界の間違い⁉

 随分と空きましたが、この間ワインに輸入であったり、買付準備であったりと落ち着きのない日々を送っておりました。

 最近投資、資産運用、投機といった話をよく耳にすることが多くなりました。それは政府が何の前触れもなくNISAなる少額投資を一生懸命促しているからという事もあるのでしょう。

 投資は本来資産に余裕がある人々が、技術はあるが資金がないという人に投資をし、その利益の中からリターンを頂くというものです。つまり、これはもお金のない人が工面をしてするものではないという事です。

 遺産の少ない人が工面をして投資という事になると、お金を使わなくなるので経済が回らなくなるという事にもなります。そうなると経済が回らなくなると企業の状況が悪化するので、投資市場が低迷をするという事になります。

 何よりも内需拡大と言っていた政府がいつの間にか内需の拡大とは別方向に舵を切ったことになるわけです。

 なぜだろうか? 理由は大きく2つあるのでしょう。一つには年金問題です。『年金はもう崩壊寸前なので自分たちで何とかしてくださいね』というものです。もう一つは政府の年金を始め、資産運用の失敗した穴埋めを少額づつ国民から集めようというものです。

 つまり、今後の少額投資に関しては大きなリターンは考えにくいという事ですね。更に投資というものは短期、大きなリターンというものは投機というギャンブルになります。つまり、確率的には頭の中では低いという事は理解しながらも、目の前の誘惑にほだされるという事です。これはほぼ間違いなくお金を失います。

 つまり、投資というものは余裕をもって長期間で所有することができなければ殆どの場合お金を失います。それは投資の神様ウォーレン・バフェット氏も言っています。

 資産運用というものは余裕のある経済活動ができる人が行う事であり、切り詰めた中での資産運用は人生そのものを台無しにするし、資産を失う可能性もあるのです。

 お金は使う事が一番お有効利用なのです。当たり前ですが。           

2023年6月15日木曜日

ワインショップオープン⁉

  昨年来から行ってきたイスラエルワイン買付も日本到着と同時に今度はプロモーションも考えていかなければなりません。

 先月到着したワインは20日間というダイモンドビジネスでは考えられないくらい長い検査と通関を経て今月店頭に並ぶこととなりました。

 6月11日より行った試飲会にも多くの方が参加をイスラエルワインの質の高さに驚いておりました。当方としてはしてやったりといった部分もありましたが、胸をなでおろす方の気持ちが多かったような気がします。

 昨日は中日イスラエルのギラット・コーヘン大使もご来店を頂き、にぎやかな時間を彩っていただきました。特に経済部のダニエル・コルバー公使には日ごろからお手伝いを頂き感謝、感謝です。


2023年5月9日火曜日

ダイアモンドとワイン⁉

  私がビジネスでイスラエルと縁を持ってから40数年になります。その間大きな歴史の変化もあり、様々な事件もありました。多くの日本の人々は中東のこの国を怖いというイメージを持っているようで、よく『テロが頻繁に起きている国へよく怖くないですね』といわれること多々ありました。

 実際のイスラエルは確かの過去はパレスチナを含めた紛争の多々ありました。そして現在でも多少特殊なもめごと程度の事は起きていますが、実際には日本ほどの日常的な事件や事故はなく、一見欧州人の避寒地であり、リゾートの地中海の平和な国という印象です。

 そんな中イスラエルへ100回を超える渡航歴の中で楽しみの一つがイスラエルのワインでした。聖書にも出てくる世界最古の銘醸地の一角を成し、更には農業先進国としての技術の裏付けされた醸造技術はワイン好きにはたまらない品質です。

 残念ながら多くのワインは国内か多くのユダヤ人が住む欧米で消化され,日本に入る量はまだまだ多いとは言えません。ベースとしてユダヤ教の教義にのっとった『コーシャワイン』ですから化学由来、動物由来の添加物は使用されていません。今でいう『ヴィーガンワイン』という事でしょう。

 ダイアモン取引所での仕事を終えて海岸沿いのホテルに戻り、その後ビーチ沿いのレストランで地中海へ沈む夕日を見ながらイスラエルワインとともにいただく夕食は格別のものがあります。

 最近になり、イスラエルのワイナリーもここ十年で400余りの数になり、2000年代にはいるとかのロバート・パーカーが90点以上を付けるワイナリーが9件も現れ、その中でアグリテックを駆使したブティックワイナリーも数多く現れ、その中身は旧世界のワインをしのぐものが多く、価格的にもリーズナブルなものも多くあります。

 私自身、ワインエキスパートの資格をとり十数年になるという事もありますが、ひょんな話から在日イスラエル大使館のご協力を得て、イスラエルワインの輸入をすることとなりました。

 ダイアモンドのビジネスを兼ねワインビジネスという事になりましたが、縁深いイスラエルの事を少しでも日本の人々に知ってほしいという事もあり、今回思い切り今度はワインディーラーとして少しでもお役に立てればと思っています。

 イスラエルワインショップとして自由が丘でのオープンはまもなく5月中旬となります。是非お近くへおいでの際はお立ちよりください。

 

2023年4月6日木曜日

ダイアモンドという現物⁉

 先日、シリコンバレーバンクの破綻に端を発し、クレディスイス銀行まで破綻という大ニュースが世界を走りました。一瞬耳を疑ったのは私だけではないでしょう。

 世界の中心的な銀行であるクレディスイスの破綻は現代を象徴しているようでもあります。元々はベンチャーキャピタルを中心にした貸付を行っていたシリコンバレーバンクの信用不和からの取り付け騒ぎが発端ですが、これらの出来事は現代らしさが満載です。

 つまり、デジタル金融の世界だからこそ起きた事象で瞬時の取り付けなどは以前では考えられなかったことでもあります。現金を下ろすのに銀行前に長蛇の列を作り、大騒ぎをしていたのはもう過去の話です。数百億の資金が一瞬で消えてしまうのです。昨年末にイーロン・マスクの資産があっという間に3兆円ほどが消え失せ、2か月後には元も戻っていたことは記憶に新しいと思います。

 現在、AIの開発を止めようという動きがイーロン・マスクを始め、アップルの共同創業者でもあるスティーブ・ウオズニアックなどにより署名活動が行われていますが、AIを中心にしたフィンテックに関しては危うさを感じている人々が少なくないのではないでしょうか。

 さて、先ごろの金価格を始めプラチナ等地金の相場が相場が高騰をしています。米国債等を考えると実質的は価格の2倍の相場がついています。つまり実質的相場プラスプレミアムリスク分としての価格がついていることになります。これもデジタル相場への懸念から現物相場への寄り付きなのでしょう。

 ダイアモンドに関しては現物資産としての顔を持つ反面、金のような一定品質で相当量がそろわず実質相場というものがありません。しかし、概念という人間独自の価値でおおよその相場を作り、何千年と続いてきたそのプレミアムヴァリューは逆に安心感を与えます。

 おおもとは人間が作り上げてきたシステムであるが現代においてはAIが作り上げた相場というものを信じるのか、人間の感性が作り上げてきた価値というものを信じるのかは各々であるでしょう。

 冒頭に書いた事象をどう捉えるのか?はたまた、現物の存在をどう捉えるのか?今が分かれ目の様な気がします。


 

2023年3月16日木曜日

現代のダイアモンド相場⁉

 ラパポートレポートというダイアモンドのプライスの基準になるようなレポートがあることはダイアモンドのビジネスに携わている人は知っていると思いますが、実際に役に立つかどうかというと少し疑問です。

 つまり、現実の価格がありますからこの指標から何%違いという内容で取引されるのですが、石目やグレード内容によっても違うので何の指標なんだという事です。

 実際にその指標でみると、この10年間ダイアモンドの価格は落ち続けていることになるが、実際にはそんなことはないでしょう。つまりこのような指標は相場が立つ数量の多いものには適用できますが、希少性の高いサイズの大きなものにはあまりあてはまらないという事になります。

 金の価格が以前のように米国債に連動をしているというよりもプレミアリスクの部分が大きくなってきている現代においては、あまりラパポートレポート自体は大粒に関しては当てになりません。それと同時にダイアモンドの存在が、ダイアモンドそのものの存在価値というよりそな価値観や他のオークションの対象になるもののように需要に対しての価値になります。

 それは現代のファンシーカラーダイアモンドの相場が証明をしています。特にアーガイルの物に関しては美しいというよりマーケティングにより価格が上がっている部分があります。それは鉱山が閉山するというインフォメーションが数年前から吹聴され、その結果希少性があるという印象がつけられたわけです。実際には過去閉山をした鉱山は沢山あるわけでアーガイルが特別というわけではありません。

 つまり、実際に希少性も高く歴史的にもその価値はあるものですが、現代式の価値形成が行われ始めたといってもよいでしょう。つまり指標だけで表すとものにより価格が下がっているような印象を受けますが、実際には金価格と同じように過去の価値観だけでダイアモンドの価格は決まっていないといってよいでしょう。

2023年3月2日木曜日

ダイアモンドと現代の問題点⁉

 この時期はダイアモンド業界にも中国の春節くらいしか話題もなく、これといった事件もなく、季節に例えるなら温暖な気候となるのでしょう。

 ダイアモンドビジネスにおける出来事はありませんが、それを取り巻く状況には目を向けない訳にはいきません。一番は米国の長期金利でしょうが、時々の現象面を考えれば多少の変化もあるかもしれませんが、長い目で見ると米ドル高は数年続くとみてよいのではないでしょうか。

 つまり、日本円においては金融緩和なる名目で低金利は続く状況にあります。簡単に言えばこれだけ国債を発行している国の借金を返すめど無く発行をしているのだから金利を上げて借金を増やす訳にいかないという国の理屈があります。本来はこれが一体化していてはならないのですが・・。

 米国の長期金利の高値続き、日本の低金利の継続、簡単に言うとこれだけを見ても円高に向かう要因はありません。勿論、理由はそれだけではなりません。投機が主流になった今の金融は儲かるのであれば空売り、投げ売り何でもあるので、社会環境や現象をあまり参考にはできないのではないかと思えるのです。

 ユーロに関しても決して強くはありません。勿論現状のウクライナ問題もあるでしょうが、それ以上にユーロ圏内諸国の経済基盤が決して高くはありありません。

 ここまで書いた本来の形であればダイアモンドの価格は上昇傾向は強くてもよいのですが、現在の金融は独り歩きで、社会現象を伴ってはいないために社会現象を一番照らし出すダイアモンドマーケットの動きは鈍く、これらの減少は現代の資本主義の歪みでもあるのかと思います。

 つまり、現物の所有が豊かさやその象徴であった時代と違い、金融経済の現代においてはデジタル上での数字の大きさが豊かさの象徴であり、成功の証なのです。その例として昨年末に資産世界一位の立場から第三位に落ちたイーロン・マスクはわずか二カ月で日本円で3兆5千億円もの資産を増やし、第一位に帰り咲いたのです。これはどこかおかしいと感じる方も多くいると思います。一人の人間では使いきれない資産が一人に集まるのです。

 物々交換の潤滑油としての役割を成す現金ではなく、絵にかいた餅が現代の象徴なのです。一人で使い切れない資産が一人に集中する仕組みの現代で金融はどこまで意味を成しているのだろうと考えるわけです。つまり、基本である現物の価値というものが背景のはずの貨幣やその代理となる金融に違和感があるのです。

 ダイモンドビジネスは現物のビジネスです。美しく希少性があれば価値があり、需要が供給に勝れば価値が上がるといった基本的ビジネスです。幻想を作り続ける現代の金融とは一線を画していますが、ダイアモンドも金融商品です。そして、資産があるから買えるといった単純なものでもありません。何時かフィンテックといったものが崩壊するのではないだろうかというものに不安感のあるのは私だけでしょうか?

2023年1月13日金曜日

現在の宝飾業界⁉

 初日の国際宝飾展(IJT)を覗いてみたのですが、やはり想像通り人気も少なく、相変わらずリサイクル業者が中心で大手のメーカーはほとんど出展しておらず、インドの業者が軒を並べていました。

 昨今、続く高額商品の好調さに比べ、一般商品の不振は世相を反映したものなのでしょう。面で商売をしていた多店舗宝飾店の多くは消滅に近いものになり、内容で商売をしていた専門店が扱う商品の高額化を図り現在の成功を収めているのでしょう。

 勿論、専門店であっても中身の問題は残ります。チェーン店と同じような品揃えや手法をとっていたところはやはり衰退し、言葉よく言えば業界がスリム化されたのです。

 チェーン店のように面で売るには量産品をそろえなければなりませんが、宝飾品の本来の価値には希少性という大前提がありますのでやはり難しい時代と言えるのでしょう。

 現代では内容を取りそろえることができることも重要で、ヨーロッパの様なスタイルで自らが裸石などから手配し、他では手に入らないようなものを取り合付くことが大事であり、必須なのでしょう。

 IJTを見ていてもインフルエンサーに頼ったビジネスをしているものも多く、これに関しても目立ち始めた時点で衰退がはじまっているわけで、今後の準備のためには本質的なところをもう一度見直す必要があるのでしょう。

 いま改めて『温故知新』という言葉を思い出します。手法は別にしてIT化は宝飾業界にはむいていないし、昔ながらのやり方ではなく宝飾品の内容を取り扱う必要があるのでしょう。

 最近においても多くのチェーン店が店じまいをしている姿をみて、やはり、宝飾業界は本質を見失ってはダメなのだとつくづく感じます。

2023年1月6日金曜日

2023年のダイアモンド⁉

 新年あけましておめでとうございます。1っカ月以上のブランクでのブログです。 

 ここ3年間はコロナ禍という事もあり、これといった状況の変化はダイアモンド業界には見られず、内容的にも大したコメントもなく書くこともなく過ごしてきました。ただ、この間に決してダイアモンド業界が不振だったわけではなく、ここ2年ほどはブライダルを中心にして決して悪い状況にはありませんでした。

 以前にも書きましたがコロナ禍で結婚式もなく、新婚旅行もなく、それらの予算は婚約指輪へと回されて米国を始め、欧州でも好調に売り上げを伸ばし、価格も値上がり傾向となりました。

 しかし、欧米がコロナ規制を解くほどに皮肉ではありますが、業界自体は静かになり、反面高級時計の方は依然と好調を継続中でもあります。

 これら現象は商品の内容ではなく、投機目的であることが少し残念ではあります。つまり、昨今の投資ブームに乗り、絵画を始め投機目的で商品をとらえる向きが多く、転売屋の横行やその類の購入も多く、いささか問題もあるのかなともとらえています。

 投機と投資は一見同じようにとらえられますが偶発的な短期利益追求のギャンブル的な資金投入である投機に比べ、投資は将来の展望を長期的に見定め、積み立ても前提としたもので、投資先もそれを前提にビジョンを組み立てます。

 ダイアモンドはよほどのことがない限り投機には向きません。なぜなら購入時点で流通コストが乗っていますので短期には向きません。しかし確実な値上がりが過去のデーター上ではある種保証がされています。つまり、希少性に流通コストを払っても手に入れておくことが将来の利益につながることになるのです。

 この業界に身を置いて半世紀近くになります。私自身の経験値から言っても当初取扱っていたピンクダイアモンドが現在約35倍の価格を付けていることに驚かされます。当時ダイアモンドに対して多くの人々は資産性や投資的な要素を経験として知識がありませんでしたからそちら方向で考えることはありませんでした。

 近年、投資や資産性を考慮する時代に入り、多くの人がNISAや投資信託に興味を持っています。資金を持っている人々が前提とはなりますがダイアモンド業界にとって2023年はそちらの方向性の年になるような気がします。