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2023年3月2日木曜日

ダイアモンドと現代の問題点⁉

 この時期はダイアモンド業界にも中国の春節くらいしか話題もなく、これといった事件もなく、季節に例えるなら温暖な気候となるのでしょう。

 ダイアモンドビジネスにおける出来事はありませんが、それを取り巻く状況には目を向けない訳にはいきません。一番は米国の長期金利でしょうが、時々の現象面を考えれば多少の変化もあるかもしれませんが、長い目で見ると米ドル高は数年続くとみてよいのではないでしょうか。

 つまり、日本円においては金融緩和なる名目で低金利は続く状況にあります。簡単に言えばこれだけ国債を発行している国の借金を返すめど無く発行をしているのだから金利を上げて借金を増やす訳にいかないという国の理屈があります。本来はこれが一体化していてはならないのですが・・。

 米国の長期金利の高値続き、日本の低金利の継続、簡単に言うとこれだけを見ても円高に向かう要因はありません。勿論、理由はそれだけではなりません。投機が主流になった今の金融は儲かるのであれば空売り、投げ売り何でもあるので、社会環境や現象をあまり参考にはできないのではないかと思えるのです。

 ユーロに関しても決して強くはありません。勿論現状のウクライナ問題もあるでしょうが、それ以上にユーロ圏内諸国の経済基盤が決して高くはありありません。

 ここまで書いた本来の形であればダイアモンドの価格は上昇傾向は強くてもよいのですが、現在の金融は独り歩きで、社会現象を伴ってはいないために社会現象を一番照らし出すダイアモンドマーケットの動きは鈍く、これらの減少は現代の資本主義の歪みでもあるのかと思います。

 つまり、現物の所有が豊かさやその象徴であった時代と違い、金融経済の現代においてはデジタル上での数字の大きさが豊かさの象徴であり、成功の証なのです。その例として昨年末に資産世界一位の立場から第三位に落ちたイーロン・マスクはわずか二カ月で日本円で3兆5千億円もの資産を増やし、第一位に帰り咲いたのです。これはどこかおかしいと感じる方も多くいると思います。一人の人間では使いきれない資産が一人に集まるのです。

 物々交換の潤滑油としての役割を成す現金ではなく、絵にかいた餅が現代の象徴なのです。一人で使い切れない資産が一人に集中する仕組みの現代で金融はどこまで意味を成しているのだろうと考えるわけです。つまり、基本である現物の価値というものが背景のはずの貨幣やその代理となる金融に違和感があるのです。

 ダイモンドビジネスは現物のビジネスです。美しく希少性があれば価値があり、需要が供給に勝れば価値が上がるといった基本的ビジネスです。幻想を作り続ける現代の金融とは一線を画していますが、ダイアモンドも金融商品です。そして、資産があるから買えるといった単純なものでもありません。何時かフィンテックといったものが崩壊するのではないだろうかというものに不安感のあるのは私だけでしょうか?

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