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2017年2月16日木曜日

展示会今昔⁉

 現在の宝石の展示会の様子は昔を知る人々は
『まるでバーゲン即売会のようだね。』
と揶揄することが多いのですが、必ずしも的外れではないと思っています。

 多くの展示会では30%40%引きは当たり前、所により60%から70%引きとまるでどこかの降水確率かと思うような数字が並びます。特に呉服業界から来た催事屋さんたちは当たり前のように50%引きから始まり、購入をしていただけるのであれば70%引きしましょうというような感じですから価格も何もあったものではありません。あえて言うならコストの8倍から10倍の上代を当たり前とするのは大幅値引きが前提だからでしょう。

 自らその価値を下げてしまうような販売方法はお客離れを起こし、信用さえ失い集客にも影響を及ぼし始め、結果的には来場するのはお付き合いか時間つぶしだったり、頒布品目的だったりと実態ではお客様とは言えないような集客内容になります。つまり結果だけを言えば売り上げが上がっているように見えますが信用の切売りとなり、数年経つうちにお客様がいなくなったという事になるのでしょう。

 走れない車を買う人はいません。価値のないかもしれない宝飾品を買う人もいません。
そのうち気づきます。

 過去のことを言えば何とかが笑うといいますが、笑われてもよいという覚悟でいえば展示会創世期にはいかに価値を上げようかと努力をし、会場やディスプレーに拘り、接客やその所作にもこだわりをもって運営をしていました。

 現在は商品でいえ素材は金プラチナは使っているけれどメインは価値のない石を使っていたり、過度のデザインをして作りをおろそかにしているという意味ではアクセサリーと大差はありません。一方正反対の宝石をメインとしているものは影を潜め、ジェムと呼べるものを使ったジュエリーは一部のブランドにしか残らず、ジュエリーとしても造りや伝統を重んじたものは少なくなり価格を値引き前提に誤魔化すようなデザイン造りが多いことは残念に思います。

 結果的には本物をもとめる購入者が少なくなり、来場をすることもなくなり、挙句の果てにはそこへの出入りを恥じるようになります。

 まだまだ、可能性のある時に努力をしようと思っていても販売員が中心の業界です。メーカーがいくら良いものを作ってもそれを伝えるだけの知恵も知識もなければ良いものを創ることをあきらめざるを得ません。結果、コスト削減と技術抜きの手法をとらざるを得なくなり、本来の商品の価値とは正反対の方へ行かざるを得ません。

 しかし、それは生きる道ではなくて自滅へのラストロードとなるのでしょう。販売方法が結果的にはメーカーをつぶし、本物を扱う業者を退け、挙句の果てに自らの首を絞めていくという事になり、過去が作り上げた価値を食いつぶした時には業界そのものが終わるのかもしれません。

 展示会今昔と並列では並べたくない、今と昔の正反対の道は交わることはないのでしょう。
http://diamond-exchange.jp
http://ameblo.jp/diamonrow

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