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2016年8月23日火曜日

人造ダイヤモンド⁉

 以前『疑惑ダイヤモンド』というタイトルで人造ダイヤモンドのことを書きましたが、昨日来社した業者が輸入をしたジュエリー(特に香港、中国方面)の数点の一部に人造ダイヤモンドが入っていたということを嘆いておりました。

 人造ダイヤモンドといっても何種類かありますが、特に顕著なのがCVD(chemical Vador deposition)いわれる同方向に成長をさせていくものとHPHT法いわれるアンビルという装置を使用し6方向から加圧していくものとに分かれます。

 現在では大量のHPHT法による人造ダイヤモンドが中国で生産されておりますので前述の場合はこのHPHT法によるダイヤモンドの混入といってよいでしょう。混入という言葉が適しているのかどうかは意図的かそうではないかによりますが、多くの場合インドの会社が工場より購入し、それを中国の深圳(香港隣接)等で制作するものとなるので、ジュエリー製造者自身がそれを知らないということがあります。

 しかし、現在ではこれら両方の製造方法による人造ダイヤモンドの看破方法は100%とは言えませんが確立をしています。以前にも書きましたがG.I.Aにおいても1ピース10セント程度でその作業を行っています。さらに安価な簡易看破装置なるものをDTC,GIA等で開発をしており、間もなく発売がおこなわれるとのことです。

 現在ではある程度高価なものなので一部の鑑定機関、メーカー等で導入をし、検査を行っているようです。しかし、まだ十分ではないのも事実ですが、多くの場合安価な製品に使用される機会が多いようです。

 アンダーグランドで製造をしている分には悪意をもってすれば一定の利益を上げることができる人造ダイヤモンドですが、これだけ明るみに出てきている人造ダイヤモンドをさらに増産を考えているといわれる中国人のメンタリティーは理解ができません。

 彼らのことですから看破をしにくいものの研究に没頭しているのだろうけれど、そういう問題ではなく人造が多く存在をしていると周知されたとしたらダイヤモンドそのものの価値が下がっていくのであるからその作業自体が意味がないということが理解できないのであろうか。

 ちょっと話は違うかもしれないがルビーやサファイアの加熱処理ものが多く横行したことによりそれらの宝石そのものの価値が下がったことも事実です。しかし、現実には一回りをし、それ故に非処理のそれらの宝石の価値が上がっていることも事実です。

 宝石の条件の一つに換金性というものをうたっていますからここ数年の買い取りブームの中でも処理石にはほとんど価格が付かないという経験をされた方も多くいると思います。展示会やTVショッピング等で扱われているこれらの色石に関してはほとんどのものが処理石となっています。

 いずれこの時代が終わり、また本来の価値のある宝石が戻ってくることを願ってやみません。本来宝石は簡単に手に入ってはいけないものですし、販売する者の良識としてそれらを宣言し、そのリスクも公言しなくてはなりません。

 ただ今後は私自身も今までは処理石を扱ってきてはいませんでしたが、メレーサイズ等の小さなものに関しては目を光らせながら検品をしなければならないでしょう。意味のない無駄な尽力をしなければならないこの時代を憂います。

 今後は天然のダイヤモンドであるという価値観も別に生まれるとしたら、それはそれで時代の変化なのかとも思いますが・・・・。
http://diamond-exchange.jp
http://ameblo.jp/diamonrow

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