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2016年8月11日木曜日

あるべきものが⁉

 先日参加をしていた展示会においての出来事ですが、以前より顔見知りのお客様が会場に入ってくるなり私のほうへまっしぐらに向かい傍らにあった空席に腰を下ろし、さっそく私を手招きしました。


 『今日は何か見るものがあるの?』
その老紳士は一言私に告げると、ため息をつき
『そろそろここも卒業かなとも思っていますよ』
と一言、
『どうしたんですか?』と尋ねると


 『来ていても高木さんと話をして帰るくらいのことをもう3年も続けているからね。以前であれば会場に来て今回は何かびっくりするようなものはないかとわくわくしたものだけど今は見るものもないよね』
と耳の痛い一言。


 確かに最近よく耳にする言葉ですが、百貨店の店頭においても目を見張るような宝飾品が飾られていることはなく、すでに見飽きたような品物しか並んでいないという話はよく耳にします。


 展示会のおいても同じことが言えるでしょう。みんな右へ習えといったようなつまらない商品が陳列されています。ましてやバーゲン会場よろしくてんこ盛りに並べていますから、お客さんから見ても当然高級感も何もありません。


 憧れるどころかガッカリとするような商品をガッカリするような並べ方をしています。今はお金を持っている人しか宝飾品を買いません(なんちゃっては別ですが)。それゆえに、見飽きた商品や自分の持っているものより見劣りする商品には見向きもしません。


 特に男性客が考えるようなものは何もありません。それ故に高級時計とされるものにお客さんを持っていかれるのでしょう。以前であれば18金のシガレットケースやライター等含めて男性の上の層が面白半分にでも買っちゃおうかなと思うような遊び感覚高額品がたくさんありました。


 それらを経験している人々にとっては現状の売り場はつまらないどころか、以前であれば日常を忘れるような空間であったものが、日常を感じさせるものばかりが横たわっていることは我慢が出来ないのでしょう。


 宝飾品の売り場は浮世離れをしている部分と憧れる部分と、背伸びをしたくなるような宝飾品があってのものです。


 そうです。今の売り場にはあるべきものがないのです。


 価格帯だけを言っているのではありません。お客様を驚かすような内容も必要なのです。消費者の懐を勝手に考え買いそうな当たり前のものばかり並べています。それは実は消費者が一番ほしくないものであることに気が付いてほしいのです。


 冒頭のようなお客様が来ると楽しいねと言ってくれるような宝飾品を日ごろから意識をしなくてはいけないのだろうと思っています。



http://ameblo.jp/diamonrow
http://diamond-exchange.jp

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