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2014年5月22日木曜日

価値の変貌⁉

 宝飾品に対する消費者の考え方に変化が出てくることは時代の流れではあると思いますが、ここ数十年の変化は目に見えるものと、見えないものの格差が著しいように思います。

 以前宝飾品は憧れであり、身に付けたいという単純明確なものであったような気がしますが、現在のそれは少し違うような気がします。

 私自身業界の中の上流部分での仕事を長くやってきましたので、その変化には少し疎くなっていたのかもしれませんが、最近小売りに接してきて思うことは所有することや眺めることへの価値への変化です。

 展示会等に参加をしていてもよく体験をすることですが、裸石をじっと見つめるだけにいらっしゃる人もいれば、毎回お気に入りのジュエリーを試着しに来るだけのお客様が増えてきているように思います。もちろん最終的にはお求めをいただくことが多いのですが、それぞれのお客様の価値観でジュエリーなり宝石を選ぶ方が増えているような気がします。

 それゆえ、価格だけでお勧めしても見向きもしません、逆にそのものの価値やいかに販売員自身がそのものに惚れているかを説明すると目を向けるようになってきています。

去る取引先の部長が朝礼ごとに
『価格ではなく、価値を語りましょう』
という提言をするようになると販売員たちにも変化が出てくるようになりました。それは自信が気に入ってジュエリーを身に付け、それ勧めるようになるとそのジュエリーの決定率が高くなっているのが感じます。

 自身の勉強のためとも思い、最近はお取引先の社長にも相談をし、各店を回るようにしています。もちろん最近の変化を肌で感じたいという事もありますが、ナショナルチェーンであっても各店の状況や周りの環境によって其々の販売方法があるのではないかと考えておりますので、確認をしたいという事もあります。
 

 関東を中心に全国展開をしているナショナルチェーンの取引先に関しては特にその差は顕著で展示会の売り上げが中心になり、店舗は集客口と考えていたのですが、お店に置くものが各店一律500円相当のピアスが中心になると一挙に本来の売り上げ目標である顧客層が離れていったそうです。

 以前の消費者であればすべての需要が重なっていたので大きな問題ではなかったことが現在ではそれが売上の行方を大きく左右するような気がします。つまり、個々のその場所をある意味熟知した販売員の志向を中心に物事を考えないと今の顧客には対応が難しいのではと考えます。

 如何に展示会であろうと店舗の充実が基本になりますので、お取引先各店の状況を見ることは勉強にもなりますし、今後の売り上げの一助にでもなればと考え、また今こそが新しいことにチャレンジをするチャンスではないかと考えています。勿論、異を唱える人々もいますが、何かをしなければ、何も起きないし、今は何かをする時なのだと考えています。

 何度も言いますが消費者の価値観は変わり、これは変えることが出来ないし、価値の説明も変わっていかなければなりません。

 昨日、とある全国ネットの学習塾の会長とゴルフコンペでご一緒をした際に最近ヨーロッパを回って来て感じたこととして
『経済と寿命は比例するんですよ。という事は人生における価値観も変わるという事です』
とおっしゃっていましたがまさにその通りだと思っています。

 だからこそ、現状をもっと我々は把握をし、理解し変わっていかなければならないのではないでしょうか。今がこの数年膠着しきった状態をねけ出すチャンスだと考えます。

 顧客の価値観が変わる初めた今、新たな市場が生まれる時だと思います。

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