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2014年3月31日月曜日

男のダイヤモンド!?

 先週末は数組のご来店を頂きました。近くの遊歩道も間もなく桜が満開というところにもなり、サクラの花ほころぶ様子を愛でようと多くの人が街に出ているようでした。

 陽気も良くなり、外出にも出やすい状況なのでしょう。この数カ月と比べて町の人だまりも比べようのないほどのものでした。

 ご来店を頂いた一組は結婚記念ということで先日奥様がお選びになったマーキース型のダイヤモンドをペンダントに仕上げた物を、ご主人と一緒に取りに見えたものです。

 ご主人がプレゼントするもので奥様が是非ご主人にもその場で見せたいとの事で御同行をしたものです。

 ご主人曰く、
『私には縁もないものなので良く解りません』
と言っていたのですが、帰り際には

『ダイヤモンドって男性にとっても魅力的なものですね』
という言葉になっていました。

 何が変わったのかというと内胞物です。ルーペを通して数点のダイヤモンドを覗いてもらったのですが、それらの神秘と各種あるカラーダイヤモンドに魅了されたものでした。

 『こんなに近くでじっくり見るものではなかったのでダイヤモンドの見方が変わりました』
という言葉に変わったのです。

 当方のお客様には多くの男性客がいます。それは女性と違った観点からダイヤモンドを見ています。女性が表面からのキラメキに多くの魅力を感じるのとは違い男性はダイヤモンドの内部やその組成要素に興味と魅力を感じるようです。勿論私もそうなのですが・・・。

 前述したサクラに関しても私は満開の桜並木より、桜の幹の根近くに咲いている2~3輪の花びらに興味を感じ、美しさも見とります。

 人の心があり桜もダイヤモンドも価値があります。その価値は各々の見方によっては全く違う価値を見出すことができます。

 悩みや悲しみという物も人の心の置きどころ一つで喜びや楽しみの変わります。そしてその感情をどの様に生かすかによって幸福感というものを感じるのでしょう。そしてその幸福感が人生の1ページになるのだと考えています。悩みや悲しみはひと時の心のヒダでしかないのです。そして、人生にはヒダもまた必要なのです。それは内胞物があって美しく輝くダイヤモンドもあるように・・・。

 男性にとってダイヤモンドが権威の象徴であった時代もありますが、愛でる歓びは女性のものであり、色々な意味での探求の歓びを男性に与えてくれる物がダイヤモンドである事を改めて感じる春日和な一日でした。

2014年3月25日火曜日

妄想とダイヤモンド!?

 春の珍事とでも解釈をした方が良いのかどうか解りませんが、1週間ほど前の出張中に店舗から電話が掛かり、お客様とお話しをしてほしいとの事でした。

 店の人間と電話口で変わった声は少しぶっきらぼうではあったけれど落ち着いた中年紳士の感があるものでした。

 『今、お店に伺っているのですが少し大き目のダイヤモンド例えば10CTS以上の物を考えているのですが手配は出来ますか?』
との事でした。

 『勿論ご用意は出来ますが一度お会いして詳しく伺ってからという事になりますが・・。』

 『解りました。いつお帰りですか?』

 『今週の木曜日には戻ります。』

というような会話の最後に

『2億から3億を考えています。』

とういう話を添えられて会話は終わりました。

 木曜日に来店をされてお話しを伺うと父が残した相続が間もなく入るのですが、その行き場所を探しており、人から聞いていたダイヤモンドに興味を持ったということでした。

 色々なお話をされていましたが、私が

 『成り行きは色々と伺いましたが、仕事柄あくまでも現金の御用意があってのお話しが最初になります。』

 『そうですね。どのようにすれば良いですか?』

 『私が海外から送らせたものをお客様が直接決済をする方法と、当方がその輸入代行をする方  
 法と2通りありますが・・・。』

 『それでは慣れない事なのでお宅に代行をお願いします。どうすればよいですか?』

 『最初に海外の取引所等からリストを送らせますので、それを確認の上で品物を決めて頂き、
 その上で先方での輸出手続きが終わり次第ご入金を頂くという事になります。』

 『2~3日以内にリストを用意致しますので再度ご来店を頂き、手続きを行いたいと思います。』

 『了解しました。もし、なんでしたら先に入金をしますが・・・。』
という申し出に

 『いえ、結構です。全ての段取りが組めてからという事になります。但し、着手金は事前に頂きますのでご用意をお願いします。』

 『日曜日にしかこれないのですが大丈夫ですか?』
 
『本来はお休みですがご予約であれば問題ありません。』

 『申しわけないので、連れ合いを連れてきて、何かを買ってやります。』

『ありがとうございます。それでは日曜日に・・。』

 日曜日にお連れ合いが体調を崩したという事で一人でご来店をされました。その上で前日から当日にかけて海外から送らせた10ctsアップのダイヤモンドのリスト10数点お見せすると

 『私にはどれが良いのか解らないので、社長が薦める物にします。』

 『わかりました。』

と10ctsアップのDカラー、インターナリーフローレス、3EXというものをお勧めしました。なぜなら、
そのレポートにはTYPE Ⅱの記入があったからです。勿論レアのものですから将来を考えてお薦めした訳です。

 途中から雑談になり、何社かのオーナーをやっているが自分には才能がないので他人にほとんど任せている。車に関してもカウンタックとベントレーに乗っているが、今はリッツカールトンの駐車場に止めっぱなしで、あまりのらないという事等色々と話が出ておりました。

 『ところで社長このダイヤモンドの金額と手数料を計算してください。明日には振り込みますので
 ・・。』

 『それには及びません。到着をしてからで結構ですので着手金だけお支払いください。』

 『いえ、色々と親切に説明をして頂いたので明日の午前中には振り込みます』

 『そうですか。それではお願いします。』

 といった会話が終わったところで、

 『実はジョン・レノンにもらったピアノを持っているんです。』
と彼が言った後に

 『そうですか。それではその夢の続きを引き続けてください。』

彼はこの言葉の意味が理解できなかったようで

 『それでは、明日・・・。』

と言って颯爽と店を後にしたのです。

 実は前回に来店をした時にある名門カントリー倶楽部の会員だという事であったので、その確認を行っていたのです。

 一般的な商売の場合億の単位の商いが行われる事はないので、すぐに変な話だと疑問に思う事であっても我々の商売では起きうることでもあったのでしばらくお付き合いをした訳です。

 しかし、彼の来店時には他のお客様もご来店を頂き、仙台四郎ではないけれど良い事もありそうな気がして、良い春の夢を見たと思っておりました。

 勿論、週明けに億の単位の振り込みがなかったのはいうまでもありません。もうその妄想家も目の前に現れる事もないでしょう。

 やはり陽気のせいかなぁ~。 

2014年3月15日土曜日

ダイヤモンド原石市場!?

 今週はイスラエル Ramat Gan のダイヤモンド取引所(IDE)において原石のオークションであるThe International Rough Diamond Weekが開催されました。

 今回の特徴としては先週のホンコンショーの流れを受けて多くの参加者モチべーションが高かったという事です。前回にも書きましたが、0.25~0.50ctの需要が強く、活発だったようです。

 また、今回は以前紹介をしたカリナン鉱山から採掘をされた29.6ctのファンシーブルーの原石の展示や多くのファンシーカラーの原石や100ctを超える物の原石が展示をされました。

 De Beers,ALROSA,Rio Tinto,TzoffeyそしてI.Hennigと多くの供給会社が参集し、イスラエルの業者以外の出品が5日間行われ、イスラエルのメンバーにとっても大事なイベントな訳です。

 原石のマーケットは必ずしもポリッシュのマーケットとは連動をしておらず、ポリッシュの多くの場合、特に小さなサイズは経済状況等で価格の上下が起きますが、原石の市場は価格の伸び率があまり大きくない事もありますが、安定をしています。

 特に今回は前述のようにファンシ―カラーや大きなサイズが揃っていたのは鉱山での採掘技術や方法が変わってきたことにより、大きな物を効率よく発見をするようになったからだと思いますが、この事自体は将来に不安要素として残るような気もします。

 地球という事を前提とすると有限で、かつ有効な資源でありますが消費が伴わないものであります。ある意味保証がしっかりしている資源でもあります。ゆえにサプライヤーも将来を見通して供給をしてくれることを望んでいます。

 過去のシンジケートの仕組みが良いとは思いませんが、複数の採掘業者が現れ始めて十数年が経とうとしていますが、あまりにも最終市場に近づいてきた事には多少の懸念がない訳ではありません。

 消費が伴わない有限資源である事の利点は採掘業者が一番認識しているでしょうが、原石の市場が創造するダイヤモンドマーケットは将来の経済活動との接点がいずれ出て来ます。健康かつ有効な市場になってくれる事を祈ってやみません。

2014年3月12日水曜日

ダイヤモンドのサイズと表現!?

 前回の投稿に何気に3/4サイズという書き方をしてしまい、そのサイズに対して質問がありましたので、ダイヤモンドのサイズ別の表し方を少し書いてみます。

 一般的にダイヤモンドはCT(カラット)の単位で表す事は多くの方がご存じですが、プロの間で使われる言葉に分数を使った言い方や小数点を使った表現の仕方があります。1ctが0.2グラムである事は知っている人も多いと思いますがカラット以外の表現はあまり知られてはいません。

 例えば1ctは4/4と表し、4Grainnerと言われ、1.5ctsであれば6/4ですから6Grainnerといわれます。前回の3/4は0.7ct前後の事を表わします。同じように0.3ctであれば1/3、0.5ctであれば1/2というように表現をします。

 また、1ct以下の物をポインター(Pointer)と表し、例えば0.5ctであれば50ポイントと表し、0.3ctであれば30ポイントといったように表現をします。

 更に言えば、小さなサイズのメレーに関して言えば1ctを100/100と考え、0.01ctのサイズのものであれば1/100といった表現をし、0.05ctであれば50/100つまり1/20という表現をします。

 つまり、小さくなればなるほど一粒一粒ではなくロットで扱う事が多くなるのでサイズで表した方が便利な訳です。1ct以下の物に関しても卸や小売りでは一粒一粒ですが買付をする際にはロットになるのでそのような表現になる訳です。

 一般的にはこれらの用語は買付等のプロの間で使われる用語で卸、小売店等で使われる事はないので販売員等では知らない人がほとんどだと思います。

 また、カラットの表現ですが1ctは単数ですがそれ以上は複数形になりますので正確には1.2であれ、1.05であれ、CTの後ろにSを付けるのが正式です。雑誌等でもSを省いた表現をしていますが正確にはCTSが正しいのです。

 

2014年3月11日火曜日

ダイヤモンドの値動き!?

 香港のショーも終わり。大方の結果から言えば好調だったという事です。

 特に情報で多いのは0.3~0.5ctのVS~SIクラスの重要であり、多くのサプライヤーの一致した情報でしたが、その多くはやはり中国のマーケットとの事です。

 以前は大きな石の需要が伝えられることが多かった中国市場ですが、現在はその下のマーケット需要が堅調のようです。これは景気の拡大が一般庶民にも及び始めている事を示しているのでしょう。

 さらにはここ半年ほどおとなしかった1ctの値動きが始まり出したという事です。今回のホンコンショーではインドからの業者が強気な価格設定を行ってきていたという事ですが、ひとえにラフの価格の情報とインド国内での人件費の上昇、そして今後の価格上昇を念頭に入れた設定だったのではと考えます。

 最近ではファンシーカットの需要が増してきている訳ですが、米国でのオーバル、ペアシェイプ、クッションカットの需要は目立つ物があります。これはヨーロッパでも同じような状況で特にオーバル、クッションの需要は際立っています。

 日本ではあまり需要のないクッションカットですが、欧米諸国では需要が増してきている事情は多くのカッターがプリンセスカットとは歩留まりがあまり変わらず、価格を上めに設定の出来るクッションカットを重要視しているせいで、さらに欧米諸国での以前からの認識されているクッションカットの方が販売が容易だという事もあるのでしょう。日本ではこれからかもしれませんが、人気は出ないかもしれません。

 3~5ctのところの価格の変動が現在時点であまり大きくないのは、実際の市場に現物が少なく取引があまり行われていないという事でしょう。今回の香港でも大きな石の動きは少なく、圧倒的にポインターであった事を考えると、今後は大きなサイズの動きが出てくる可能性はあるでしょう。

 勿論、過去の例をとってみても一時的に止まってもある期間で見るとやはり、価格の上昇率が高いのは大きなサイズです。現在は中国の庶民マーケットに向ける情熱が勝っているという事でしょうし、過去の日本のマーケットを考えると同じ道を歩んでいるようにも見えます。

 ベルギーにおいてもイスラエルにおいても今回のホンコンショーへ向けた力は相当大きな物であったようで、この間の両取引所は非常の大人しかったという情報も入ってきています。

 今後しばらくはポインター特に0.5ct前後(0.4ctを含む)の価格の上昇とショーテイジを起こしている3/4サイズの価格の上昇から目が離せないでしょう。

2014年3月10日月曜日

ダイヤモンドの内側と外側!?

 普段から自分自身がダイヤモンドを見る時にルーペを通した内側や数字を通した市場を見る事が通常となっていましたが、ここ2.3年小売りにも携わるようになり消費者の目線でも見るようになった事がある種、今のダイヤモンドに対する考え方になっています。

 ダイヤモンドの内側に見える物は自然を前提とした価格の評価基準であり、人間の技術を前提とした評価なわけで、それに現在のマーケット状況を掛け算している世界を見ている訳です。

 しかし、一般の人々が見ている世界は、いわゆる外側はもっと大きな世界観であるような気がします。内側を見る事は減点を前提に見る訳ですが、外側を見るという事は加点に掛け算をする世界で、見る人によってもその見え方が違ったり、その時の状況によっても見える物が違うように思われます。

 減点をするイコール欠点探しをする訳ですが、自然に対して欠点を探すという考え方に疑問を持つようになったのは、恥ずかしながら小売りに接するようになってからです。しかし実際には永い間疑問に思っていなかった訳ではありません。

 ローカラーのダイヤモンドの方に魅力を感じたり、ピケと呼ばれる内胞物の多い物の方がより光を放っていると感じたりといささか自分の学んだ事との差を感じてりしていたことも事実でした。

 多い時には一万個からのダイヤモンドを肉眼で検視していた訳ですが、時には選り分けた石にルーペを通してみるととてつもなく内胞物があったりする事もありました。

 内側を見る事は理論的であり、外側を見る事は情緒的であり、感性的な部分があります。ある意味際限はありません。人間が価値観を感じる物である以上は外側からの見方が常道であり、その裏付けや確認として内側を見るという事だと思います。

 しかし、現状はそのどちらでもなく定義付けられた完全ではない論理によって価値付けが行われています。その事がどの様にでもとれる価値観を作ってしまったのでしょう。結果的には皆が認識しやすい値引きやディスカウント表示を使うのですが、その事は根拠のない価格を前提に値引きを行うので(勿論売り手には根拠はあるのですが)不信感が募る訳です。

 いずれにしても小売りに携わるようになるとやはりダイヤモンドの美しさの原点は外側にある事が実感できます。

2014年3月6日木曜日

ダイヤモンドの価格とグレード!?

 数日前にある知人から
『ダイヤモンドのグレーディングというのはブランドによって違うんですか?』
という単純な質問を受けました。

 つまり、グレードの仕組みが違うのであれば価格の構成も違うだろうという事です。
私は
『基本的には仕組みは同じです。只、基準においては多少の差異はあるでしょう。』
と答えたのですが理解をしにくかったようでした。

 多くの人々(業界も含めて)はダイヤモンドの価格は4Cで決まるという事は理解をしていますが
その意味を理解していないように思います。

 それはカラット、クラリティー、カラー、カットの内容を加味して価格というのは構成されていますが、結果出ているグレードで価格が決定されている訳ではないという事が理解をされていないようです。

 多くの誤解はそこから生まれている訳ですが、プロが4つの要素を加味して価格を決定する訳ですが、その意味を多くの卸や小売店で働く人々が理解を説明するのが難しいので説明をする為に文字が付いているだけな訳です。

 ですから実際には、カラーやカラットカットが同等であってもVS-2といった一つのクラリティーグレードの中だけでも5段階前後の内容の違いがあり、価格的には$25前後の違いがあり5段階で考えれば$125前後の価格の差異がある訳です。(経験値ですが)

 しかし、実際には見解の相違もあるので大体という意味で括っている訳です。しかし、SIクラスやIクラスになるとその幅はより大きくなっていきますので価格差の差異はあって当り前な訳です。

 プロの場合は以前であればグレードで決定するというよりは4Cの内容で決定しますから、輸入後のグレード結果との間に差異があったとしても価格が変わる訳ではありません。

 以上のような内容を説明した後にグレード基準は其々多少の差がある事はやむ得ないとしてもその結果で価格が決まるという事に無理があるという事は理解をしてもらえてようです。

 本来は第三者の評価が公平だと考えがちですが、その第三者が利益団体なのですから誰かに有利に運ぶことはやむを得ないし、またその責任を持つ前提にも第三者である鑑定会社は立っていません。

 責任を持つのはあくまでも販売をする会社ですから、ブランドごとに評価基準や価格内容が違っても問題はない訳です。本当であれば販売するメーカーか小売店が責任を持つ為にグレーディングをする事が最も必要なことだと思いますが、残念ながら多くの小売店その能力を持ち合わせてはいませんし、その自体が大きいことではなく、どの様な販売方法で販売するのかが大きな価格に影響を及ぼす内容な訳です。

 優雅な気持ちで買い物ができるブレンドは高価格になり、値引き、値引きで販売をする展示会やお店は低価格になる・・・・という訳ではありません。多くの場合は実質値引きを前面に出しているお店ほど実質的な価格は高いという事が現実です。

 勿論ブランドを前面容認をする訳ではありません。しかし、彼らが売っている物はダイヤモンドではなくブランドであり、値引き商法を行っているところもショッピングを売っている訳でダイヤモンドを売っている訳ではありません。

 結論を言いますとダイヤモンドの価格は販売方法が決定しています。どちらを選ぶかは皆さん次第という事になります。ダイヤモンドはダイヤモンドです(あくまでも宝石のですが・・。)

 

2014年3月3日月曜日

ビットコインとダイヤモンド!?

 最近話題のビットコインですが仕組み的にはダイヤモンドの販売システムに似ていると感じるところが多々あります。

 ビットコインは単純に言うと商品券である訳ですが、商品券と違うところは価値の変動があるという事でしょう。つまり、ビットコインの場合は発行量はある程度制限されるようなプログラミングがされているいる訳ですが、購入者が増えると1BC当たりの価値は上がっていきます。

 しかし、商品券は印刷されている金額以上にはならないのと場合によっては金券ショップでは価値も下がってしまいます。

 ダイヤモンドにおいては最初から発行量に匹敵する希少性があり、さらには幾つかの鉱山会社の組織によりその供給量はコントロールされている訳ですが、ビットコインにおいてもマイナーと言われるいわゆる日本語で採掘者となる取引所を通すことによりフィルターとなっています。

 これは単なる偶然なのかダイヤモンドの販売システムをある程度意識してのことなのかは解りませんが、多分に金融システムは鉱山から取れる資源を前提とした流通に似ているところがありますので大方がその範囲に入るのでしょう。

 かつてはダイヤモンドも一つの大きなシンジケートが価格やシステムをコントロールしていたのですが、そのダイヤモンドのシンジケートが作ったシステムの延長に金融のデリバティブがあり、リーマンショックのきっかけとなったプライムローンがある訳です。

 現在も中央銀行存在が貨幣価値とその金融システムを支えていることになっているのですが、現実にはシステムを完全にコントロール出来ている訳ではありません。それゆえ、中央銀行の存在のないビットコインなる物が注視されるようになったのでしょう。

 また、ダイヤモンドにおいてはその中央銀行の役を成していたシンジケートが価値をコントロールしていたのですが、現在のダイヤモンドにはその存在もなくビットコインの価値形成と非常に似ている訳です。

 世界の共通貨幣であることも共通で、ビットコインが1BCの積算に対してダイヤモンドの方がより細かく分類がグレードによってされているという違いはありますが、その事についても似通った部分があります。

 比較すると世界共通単位である事、供給量が一定制限されるシステムになっている事、その価値保証がシステムで形成されている事等、色々ありますが、大きな違いは現物があるか否かという一番重要な部分です。様々な金融問題はバーチャル的な部分が大きく占めるようになり結果破たんしていく訳で、今回のビットコイン問題はまさにバブル崩壊やリーマンショックの小型版みたいなものです。

 国家が保証する金融システムでさえ崩壊をする今日ですから、保証者のいないビットコインは幾らシステムが沢山組み込まれていても起きるべくして起きた問題なのだろうと思います。

 それに反してダイヤモンドは大きなシンジケートが崩壊をしても現物と供給量に制限がありますからマイナーが増えるのも限界があるし、健全な市場の原理で動いた上に貨幣に近い価値を持っている訳です。

 ビットコインとはシステム的に似ていますが現物であることが全く違う強みと言ってよいでしょう。
一番共通する事は始めに参加した人に、よりメリットが出てくるという事でしょう。