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2020年1月28日火曜日

宝石業界の変貌⁉

 私自身米国宝石学会(G.I.A)に対しての批評をすることが多いのですが、決して否定をしているわけではありません。時代に合わせてシステムやマニュアルに変更があることは至極普通であるわけですから、ビジネスという側面がある以上は仕方のない事でもあります。

 ただ何事も前提とか基本とか原則というものが有っての変化や進化だと思います。その前提を自ら覆しても変化をさせて良いわけではありません。G.I.Aはグレーディングをすることがビジネスであるから何のグレーディングをしても良いという考え方はあまりにも稚拙な気がするわけです。

 つまり、G.I.Aはグレーディングが仕事であることは間違いがないし、見解は合っているような気がします。(これは人造ダイアモンドに対してのグレーディング見解です)。しかし、前提は天然であるダイアモンドには色々な品質や仕分けするべき内容があるという事であり、以前天然のダイアモンドに対して鑑別書がないのは何故かという問いに対してG.I.Aのアナウンスメントで
『ダイアモンドのグレーディングレポートというものは天然を前提としているのでその必要はない。』
と言っていました。まったくその通りでレポートに合わせて現物を創ることでが出来る物のレポートは何の役にも立たないわけです。

 しかし、現在のG.I.Aはその根幹を崩すようなことを行っているわけです。彼らがおかしくなってきたのは2000年代に入ってからと認識をしています。1990年代には多くの人々が認識をしている人造ダイアモンドに対して2003年になってからG.I.Aでは認識をしているといったことをセミナー等で発表をし、それ以前のグレーディング関しては知りませんと言わんばかりのコメントです。つまり自分たちの権威を守りたいという事があったのでしょう。

 つまり、看破方法がなかった時代の事は致し方ないと思いますが責任逃れの醜い言い訳でした。

 宝石というものは基本的に天然か否か、更には研磨以上の手が加えられていないかどうか等々の判定とあくまでも目安となるプロによるグレーディングがあれば良い訳で、更にはそのグレーディングにおいても絶対的な物ではないという事を案内することが是であるわけです。

 現在の宝石業界においてもその根幹になるようなものを自らの都合の良いように利用をし、利益を上げること邁進するが為に業界の劣化が始まっているのであって決して景気のせいだけではないと思っています。

 宝石の商売というものはもっと単純なものであって中途半端な知識を都合よく披露する場所ではなく、誰もが簡単に手に入らない美しい宝石をその努力相応の価格提示し、それを認めてくれる購入者に販売をするものであって、決していい加減な情報を流したり、迷わせるような知識を与え自分を有利に運ぼうとする演出が有ってはいけないものなのです。

 現在の業界を見ていると宝石の価値を前提としない商法が闊歩し、多くの消費者に宝石の購入を躊躇させるような状況を造り出しているように見えます。宝石は美しく、希少性があり、耐久性に優れていることが前提であり、その上で携帯性、換金性といった条件が追記されているものなのです。耐久性に優れなかったり、いざとなれば換金の出来ないようなものは決してその条件を満たしてはおらず、それは基本的なことだと思います。

 勿論其々にとっての趣味、嗜好というものが有ります。ただそれは情緒的な物ではなく実利的宝石というものが有っての上でのものだと思います。過去の業界は単純な知識しかありませんでした。それがゆえに自らを磨く努力をしていたように思います。現在はあっているかどうかの知識をかざし、消費者を翻弄することにより成果を上げる仕業をしているように見えます。
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2020年1月25日土曜日

国際宝飾展⁉

 毎年1月には開催をされる東京国際宝飾展ではありますが、今年は特に来場者数も少なく、これは事前に予想をできた事でもありました。

 例年であれば週末を最終日に土曜、日曜の来場が多くある程度の人出は予想をできたのですが今年は月曜日から木曜日までと最も人出が少ない曜日となり、来場者数も少なかったのではないかと思います。(勿論主催者は発表は異なります)

 ただし、過去にも週末には一般客の来場が多いという既成の事実が有り、本来の業者のみの来場というにはあまりにもかけ離れた実情がありました。

 特に今回は東京の住宅地へのポスティングというあってはならない実情もあり、特定多数を前提とした、つまり決められた招待客という前提を覆した集客方法で行われており、この主催者の責任者が常々口にしていた『業界の発展のためのイベント』という言葉に笑止千万と言いたくなるような行為も行われていました。

 勿論不特定多数という事は主催者側も認めており、盗難なども日常茶飯事的に起きておりましたが、それはあくまでも内々に建前で行われていたことでもあります。更には実際には出展者の多くも一般客を前提に出展しているところも多く、販売目的のところ大半でしょう。

 しかし、実際に無差別に招待状を配るという事は勿論都内の小売店や百貨店への影響も少なくなく、業界への背任行為とも言えるでしょう。実際に当社が出展していた時にでも、当店の小売部門のお客様が複数来場をしておりました。

 この様な暴挙に近い事であっても時代の変化として捉えなければならないマーケットとは改めて考えなければならないと思う訳です。しかし、同時に業界のパラサイトといっても良いこの業界のクラッシャーとも言える主催者やそれに加担をする日本ジュエリー協会はもう少し頭を使う人間がいないのかと思うほど腐敗をしている。

 いずれにしても宝飾業界を守る意味でもこれらの団体の存続を許してはならないのではないかと感じる昨今でもあります。(勿論彼らなりにそう思っているのかもしれないが)
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2020年1月21日火曜日

今の話題⁉


 小泉進次郎環境相の育休や女性の社会進出が話題になるにつれ社会の矛盾を感じるのは、日本の90%前後の企業というものは零細なり中小の企業です。更に言えば日本女性のどれくらいの人が社会に出て働きたいと思っているのだろう?さらに言えば現在実際に社会に働きに出ている女性の何%の人が好んで働いているのだろうと感じます。

 母子家庭も増え、やむを得ず働き出でている人も多くいるはずです。なぜに他の国に習わなければならないのだろうか?

 公務員のための公務員による構想に他ならない政策に感じてなりません。公務員であれば育休であれ、産休であれ、更に言えば女性の社会進出は代わりの沢山いる公務員であれば可能です。しかし、日本の実態は前述のとおり4,5人の職場であったり,やむを得ず働きに出ている女性の割合はかなり高いはずです。

 実際にそうしたければ国が育休をとる人間の保証をすべき法律を作るか助成金を出さなければならないということになります。
 
 本当にそこまでの覚悟が国にあるのかというとそれは難しいことになります、実際には進次郎大臣が育休をとれるのはその環境にあるからであり、本来は自分ではなく職員に取るよう指示を出すことが必要です。

 決して育休や女性の社会進出を否定しているわけではありません。ただそこまで日本の社会を変えようとするのであればそれなりの覚悟や負担が必要で思い付きやキャンペーンがごとく行ってはいけないことであると感じているにです。

 本当に良いことだと考えるのであれば保育所であれベビーシッダー助成金なり、零細企業にたいし手の育休保証金なりを予算組みするだけの覚悟が必要で、掛け声だけでやって良いことだとは思わないのです。
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2020年1月9日木曜日

ダイアモンド市場の変化⁉

 今回の買付で感じることはダイアモンド市場の変化ですが、特にGIA(米国宝石学会)の末路とも思えるような行状です。

 以前にも書きましたが人工ダイアモンドにグレーディングレポートをつけるという自らを否定するような暴挙もそうですが、今回特にファンシーカラーダイアモンドの買付が中心ということもありましがそのレポートの醜さです。

 十数年前と違い現在は多くのマニュファクチュアがファンシーカラーに参戦をしてきています。以前であればファンシーカラーを取り扱っているのはイスラエルでも数社だったのですが現在ではコマーシャルレベルのビジネスが難しくなっているということもありますが徐々に増え、今では数十社が取り扱いを始めています。

 一番のひどさはGIAのカラー表記が一定ではないということです。コマーシャルを取り扱ってきた業者はそのカラー表記に従って価格をつけようとしますので値段がバラバラです。

 彼らからすると4Cが如く価格をつけようとしますのでその基準でもあるカラー表記がいい加減ですから何をかいわんやです。

 最初は私に反抗的な業者も多くいたのですが、以前からのマニュファクチュアに協力をしてもらい同じ表記のカラーグレードのものを数十点揃えてもらい、更には反抗的であった業者にも同じく持ち寄ってもらいました。

 そこで起きたことですが同表記のカラーグレードを見た目の色で順番に並べてもらったのですが十段階以上に分けられました。当然皆は唖然とした様子で、更に私はその下のカラーグレードのものを数点忍ばせていたのですがランクの下のカラーが皆が分けたカラーグレードの上位にいたのです。

 勿論人がジャッジをするものですから当然幅もあり、違いがあってよい訳ですが、さすがにこの結果に関しては皆が不安な顔をしておりました。数社から価格の見直しの依頼があり、一部お手伝いをさせてもらいましたが、基本的には価格は市場の消費者が決めるものであり、更には好みもあるのが色ですから一概に決めつけることもありません。

 ただGIAのグレードを盲目的に信じ価格をつけることは気を付けたほうが良いということと、せめた他社の所有するものとの比較は定期的にしたほうが良いことを伝えました。

 日本でも同じことがあります。ピンクであればなんでも「アーガイル」が良いとかもうすぐ閉山をするから貴重だとか訳の分からない理由での販売をしている業者をよく見かけます。これらの業者は間違いなくダイアモンドを理解していません。聞きかじりの知識だけで確認をすることもなく販売をしているのでしょう。

 ただ一番の問題はGIAによるグレーディングの問題でしょう。世界で最も権威があるという迷信はやがてかつてのシンジケートがごとくとならなければよいのですが・・。
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2020年1月6日月曜日

ジュエリーの価値⁉

 新年早々買い付けのためにイスラエルにいますが途中、旧知の知人と会うためにロンドンへ寄り時間があったので大英博物館を訪れてみました。

 多くの展示物の中に紀元前のジュエリーが飾ってあり、ひと際目を引いておりました。当然ですが職業柄か価値も含めてじっくりと眺めているうちに何故か不思議な感覚になりました。それは紀元前からデザインを含めてそれほど大きくは変わっていないんだなあというものです。

 勿論博物館にあるという価値は時間を超えてきたということではありますが、もしこれが日本の街中にあったとしたら、その価値を見る人はどれほどいるのだろうと考えると『ジュエリーとは❓』などということを考えてしまいます。

 多分、多くの場合はグラムいくらという処理をされるのでしょう。そうなるとその価値は提供をしている人たちの見せ方や知識ということになるのでしょうが、知識というよりも品格ということになるのかもしれません。自身の反省も込めてもう一度考える必要があるのかもしれないと思いながら眺めていました。

 我々の職業は実利性や生産性はある意味ありませんが、他の職業と違い長く歴史があり、最も古いジャンルの職業といってもよいでしょう。それは人間の情緒を含む人類の進化の中で必要不可欠ともいえる理屈では説明のできない価値なのでしょう。

 よく古い職業として例えられるのがこの職業と柔らかく言えば風俗です。つまり、キリスト以前からある職業としていわゆる売春があるわけですが、この職業もやはり実利性や生産性があるわけではありません。

 しかし、脈々として続いているわけです。それは誰も理屈では説明のできないことですが、人間にとって不可欠というか必然性のものなのでしょう。

 それゆえに価値というものは提供をする側のレベルによってということになるのでしょう。例えとしては良くないかもしれませんが、吉原の花魁やベネチアの高級娼婦などは教養とともに品格を備えていることが常識だったわけです。それゆえに対象客は高価な対価を支払ったのでしょう。

 もし風俗で安売り大バーゲンを謳っていたら果たしてお客は安心をしていくのでしょうか?私自身あまり経験がないのですが、想像はたやすいと思います。殆どの人が心配で通うことはないでしょう。

 それと同列とは言いませんが、同じ人間の情緒や感性に働きかけて販売をする商品としての宝飾業には安売りやバーゲンは向かないのだと考えます。

 宝飾業というものは理屈で説明のできない、あえて言うなら煩悩に訴える職業です。それゆえに宗教の演出に近いものもやはり必要なのかもしれません。勿論そこに偽りがあってはいけませんが・・・。(こんな書き方をするとお叱りを受けるかもしれませんが)

 ジュエリーの価値は販売方法であり、販売をしている人の価値ということになるのかもしれません。

 大英博物館を見ながらこんなことを考える人はあまりいないかもしれないと思いながら目的地のボンドストリートへと歩みを進めました。
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2020年1月3日金曜日

2020年⁉

 今年も初日の出と初詣に行ってまいりましたが、あいにく初日の出は一面の曇り空で拝めずじまいでしたが、。そのあと縁起を担いで金運の日本橋は『小網神社』へ行きそのあと地元の桜神宮へと初詣に行ってきました。

 

 びっくりしたのは地元の桜神宮への参拝客はともかく、それ以上の列が神宮向かいのアイスクリーム31の行列でした。銅も中身は解りませんが、アイスの福袋という事で、時代はここまで変ったたかという印象でした。

いずれにせよコンビニの元日閉店やファミレスの元日休業と一見昔に戻っただけかなといった感じでしたが、民衆の心はなかなか戻れないようで元日から行き先を捜し歩いているような感じを見受けました。


時代の変化というものは必ずしも物質や現象だけの物ではなく人間の生態そのものも変化させてしまうものだと改めて感じる次第です。

 さて、ダイアモンドに関してですが、今年も苦難は続くのでしょう。何故ならそれだけの要素があり、人心の変化をあまりにも無関心に捉えていた業界の責任でもあるのでしょう。展示会での安売り合戦やそれら自分たちの扱っている商品に対しての余りに無関心な販売員をあまりにも多く生産を続けた業界の責任は重いだろうし、そのしっぺ返しというものは確実に今年も続くのだろうという事です。

 宝石というものは実質性や生産性があるものではありません。しかし、最も古い職業の一つともいわれております。何故にこんなに続くのだろうか?

 日本で信頼のおける実質性や生産性の有った銀行ですら風前の灯火のこの時代に、いまだに残る宝石という商売は何故に存在をするのだろうか?

 理屈ではない人間の性がそこにはあるのでしょう。つまり、人間のサガを生業にするという事は人間の煩悩という物がなくならない限り、存在をするという事です。

 例えば同じように最古と言われる商売に風俗があります。しかし、そこには生産性も実利性もありません。ただひたすら人間のサガに対する商売です。ここで宝飾業を風俗と並べることには抵抗もあるでしょうが、いわゆる煩悩という物に対する職業という物に終わりはありません。

 ただし他のものは流行だった変化や進化があります。しかし、風俗や宝石というものは人間が創りだしたものではありません。自然というとてつもなく大きなものがそこには存在します。

 そこで比べてみました。値引きや安売りをする風俗に興味や欲する人々はどれ位いるのだろう?警戒心や自尊心という物が邪魔をする人は敬遠をするのは目に見えています。宝石にも同じことが言えるのではないでしょうか?値引きや安売りを前面に出す販売方法は本当に現実的と考えるのかどうか?

 人心の変化はあるといっても変わらないものあるのです。2020年考えてみても良いのではないでしょうか?
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