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2019年2月28日木曜日

香港ショーでの人造ダイアモンド⁉

 一昨日より香港に入りジェム&パールショーを覗いてきました。やはり人造ダイアモンドの出展社が目立ち、十社以上の店頭を覗きファンシーカラーあり、ファンシーシェイプあり、一般的なラウンドの大小ありと様々な人造ダイアモンドが展示されておりました。

 気が付く点としてはファンシーカラーダイアモンドに関して淡いものは別にしても色が濃くなっていくとやはり経験上の目の中の記憶にあるものとは違いを感じます。つまり、自然界には存在しないだろうと思われる色が存在します。もちろん経験を多く持っていることが条件になるとは思いますがベテランのダイアモンドビジネスマンにしてもやはり同じような感想を持っておりました。

 もっと驚いたことは当然といえば当然なのですが既に価格の低下が始まっているということです。このことはすでにアメリカのマーケットでは始まっちることはレポートされていましたが現在の量産と取扱業者が増えれば当然の成り行きということになるのでしょう。

 現在最大の生産国である中国の業者の姿はほとんどなく多くは研磨業の最大国であるインドの業者が圧倒的に多く、驚いことに人造ダイアモンドの原石からの販売をすでに行っておりました。

 このような例は過去にも多くありましたが研磨における利益の享受がなくなると材料である原石の処分にかかるということは天然のダイアモンドにおいても過去にあったことです。その理由としては豊富な財力もなくこのようなビジネスに参加をすることにより財政的に苦しくなり材料をそのまま売りに出るというものです。

 天然に関しては一定の販売指針があり、更には人造と違いどんどん生産されるものではありませんから値崩れということに至りませんが、人造に関しては後からどんどん生産され更なる値崩れの恐れがありますからその前に売ってしまおうということになるのでしょう。

 このような現象から見ても本来研磨してからの販売に利益の享受があるわけですから愚かな行動とみるしかないのですが、そこに見えてくるのは過剰生産による値崩れの予想が彼らの行動に走らせているのでしょう。

 いずれにしても米国においても一昨年をピークに価格の下落傾向がみられるようですから、日本での市場性がそこまで大きくなることは考えられないでしょう。

 勿論一つのマーケットとして価値観というもなありますので本物ということにこだわらない人々も多くいるわけですから一定の範囲では広がるのでしょう。ただし宝石の世界とは似て異なるものであることは間違いがありません。

 過去にもキュービックジルコニアがある一定の評価を受けどんどん生産が行われることにより価格も下がり挙句の果てに販売シェアがほとんどなくなり単なるアクセサリーの材料化として例もあります。いずれ人造ダイアモンドも同じ道を歩むような気がするのは私だけでしょうか?
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2019年2月22日金曜日

元はと言えば⁉

 今回の展示会ではやはり話題として人造ダイアモンドの件が多く、相談というより消費者の方たちから今後どうなるのかというお問い合わせであり、心配でもありました。

 しかし、大半が取り扱い側への憂慮でもありました。つまり、人造ダイアモンドの看破は信頼できてもすべてに第三者の証明書が付いていなければという事です。

 ブランドであればブランドが証明であり、保証であるという事でもありますが。これに自身も当てになるかどうかわかりませんが、ましてや一般小売店、更には催事業者などに対しての不信感というものがおおいにあるという事が推察されました。

 なるほど販売している側に対しての疑心暗鬼があるのがよくわかります。正体がよくわからなかいからこそ販売側の信頼と品格が必要なのでしょう。

 今回も展示していた若い業者から信じられない言葉が発せられました。
『この業界は気楽で良いですよね。学歴も知識もなくてもなんとかやっていられるし、殆どのお客様がそれほどの知識を持っているわけでもないし現実にここのスタッフさん達もそれほどの知識がなくてもやっていますからね。』

 その場にいることに嫌悪感さえ持つような言葉でした。我々の時代と言ってはまたまたと言われそうですが、少なくても一流と言われた宝飾商社に在籍することは知識を含めて相当にハードな事でした。現実に私の同期入社の殆どが国立か6大学でした。その中で宝飾を担当するという事はある種のエリートでもあり、その努力は相当なものであったと記憶しています。

 現実にはこのような業者が多く存在し、これらの催事業者が宝飾業者を名乗っているのだろうと思うと現状の業界を理解をする事が出来ます。ましてやこのような業者ばかりが集まっている展示会となれば何をかいわんやです。

今回初出展業者だというところのネックレスを身に着けたお客様が
『社長ちょっと痒いんだけど見てもらえます?』
首元を見てみると真っ赤になった肌がネックレスの形状に沿って赤くなっていました。首に付けてほんの2,3分の事です。確認するとヘマタイトを金色コーティングをしているもので出来ているもの事で色からしても放射線系の物で処理しているものなのでしょう。早速外していただき主催者にも報告をしましたが何の反応もなく何事もなかったように展示会は幕を閉じたのです。

 お客様が販売者に対して疑心暗鬼になることは理解が出来ます。この世な実態が根底にある全てなのでしょう。残念なことです。
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2019年2月15日金曜日

一番の問題⁉

 ここのところ人造ダイアモンドの放送が多いことを書いてきました。そして、看破方法があるので問題はないとも書いてきました。しかし、大きな問題はその結果をどこが保証するのかということだという事です。

 多くのダイアモンドの輸入商やメーカーがダイアモンドの判定機があるので問題はないと言っているのは事実です。しかし、その結果の信ぴょう性を消費者は疑問に思っているという事です。

 つまり、過去にもブランドなりでもブランドという保証の元、問題はないと言ってきたのですが、現実にその中に人造ダイアモンドが含まれていたのです。

 あるお客様が『人造ダイアモンドが含まれていませんと言っても中立の立場の機関が言ってくれなければ。売る人は当然入っていませんという事を言うでしょうからね』とおっしゃっていたのを聞いて、それはそうだろうと思って次第です。

 中立といっても過去の鑑定機関では色々な問題がありました。しかし、それはグレーディングという極めて灰色の問題であったのですが、今回の人造か否かの判定はイエス・ノーですから第3者である鑑定機関に委ねることが必要でしょう。

 現状で回っている8万円前後の判別機にしても人造か否かではなくダイアモンドのタイプⅠ,Ⅱを判別するものであるという事であり、それは人造ダイアモンドがタイプⅡであることが前提にあります。

 つまり天然のダイアモンドにも当然タイプⅡが存在しますから貴重であるタイプⅡを人造の物という候補に一度上げなければなりません。それからの判別になります。勿論それは最低限の防御には買取屋さんたちにはなるでしょう。

 またもう少し高額なもので大量の材料物(メレー等)同時に判別するものもありますが、これは多くのメーカーと言われることろとか材料の多く輸入するインド系の輸入商が使用しているものですが、これも人造の特徴である燐光を判断するものであり、これに関しても天然のダイアモンドにはこの人造の特徴的な燐光がないという前提ではじくものですが、一方の天然の中にキュービックジルコニアが含まれている可能性もあるわけです。

 つまり、結論から言うと最終的中立の立場にある第三者機関が保証、判定をするという事になるのでしょう。業界の身内で判定機にかけているから問題はないと言っているのは消費者から信用をされているという事を前提にしていますが、それはないというように考えたほうが良いでしょう。
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2019年2月14日木曜日

人造ダイアモンドの未来⁉

 昨夜TVを見ていると中国での人造ダイアモンド生産の様子を放映していました。広大な敷地に大型のダイアモンド製作機をずらりと並べ、いかにも見てくれといった様子でした。

 機械は旧ソビエト製の改良型の物で機械そのものを驚くほどの事ではありませんでしたが、その量には目を見張るものが有りました。

 昨年来人造ダイアモンドについて問い合わせが多いという事もありますが、昨今のTV各局での人造ダイアモンドの特集の多さには驚かされます。その背景を考えるとやはり天然のダイアモンドへの崇拝があるのかなとも感じます。

 昨夜の番組でも述べられていましたが今後のダイアモンドへの不安と先行きを疑問視するような内容を多く述べられているような印象を受けました。つまり、今後の人造ダイアモンドへの対処とか扱いに対して何ら述べられることなく終了したのです。

 何故TVは特集をするのか?それはダイアモンドの偉大さがあるがゆえにセンセーショナルな内容になるだろうという、現在のコンテンツの少なさがこのような番組を作らせるのであろうと考えます。

人造ダイアモンドは数十年前から日本でもアメリカでもオランダでも造っておりました。更には昨今中国でもインドでも大量に造られていますがここへきての特集です。更には人造ダイアモンドの看破方法や取扱いについてある意味確立しつつあることは述べられていません。

 いつもこの類の放送はそうですが不安をあおり話題にさせることを念頭に置いていますので安心させるようなことはまず述べられません。

 人造ダイアモンドの歴史はそれほど古くないといっても50年はあります。当初は勿論工業用であったり、ガラス切用であったのですが技術が進み1990年代には宝飾用のダイアモンドのレベルまで達したのです。つまり、その歴史はすでに30年近くなります。今に大騒ぎをしていることに違和感を覚えますし、それほど大きな出来事とも考えません。それ故にここへきての話題は中国が生産に関わってきたことが大きいのでしょう。

 中国人には真贋の価値の意味を理解しないことは昨今の盗作、コピー問題を考えれば理解がしやすいのですが、人造であってもいかにも天然のダイアモンドがごとく販売することに抵抗がありません。それが一番の問題でしょう。

 しかし、現状においては市場がその判断をするでしょう。天然を選ぶのか人造を選ぶのかは消費者次第です。ただし、人造は人造として、天然は天然としてきちっと分けて販売をすることが大事であり、その方法に関してはほぼ確立されていると言って良いでしょう。

 その上でその商品を取り扱う人間をどう判断するかはその人それぞれでもあると考えます。私自身は人造として販売するにしてもそれを取り扱う人間を宝飾業としてはないだろうし、それを扱う人間に中国人と同じような精神性を見ることになるでしょう。
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2019年2月8日金曜日

時代の潮目⁉

 あらゆると言って良いのかどうかわかりませんが、世の中が変わり始めている感じがします。それは何もAIだとかITの進化という事ではなく、至極アナログ的にという事でもあります。

 一つに政治ですが同じ政権内で片方は『子供を産まないのが悪い』といった発言をしているかと思えば首相は『女性がもっと社会へ出て働く環境』をと言っている。これだけを考えればただの言葉の足りない政治家とスローガンだけの首相という事になるのですが、実際には反対のことを言っているのですが、そのことをだれも追及もしないし気が付きもしないわけです。

 これは政治という狭い世界だけで物を考えてくるようになった政治家たちの変化だろうと思っています。つまり、社会へ出たい女性もいるがやむを得ず社会へ出ている女性も多いという事をふまえてですが、子共を産める環境にないという事と産んだとしても育てるために社会へ出ていく環境がないという事でもあります。

 政治というものはもっと世界を広く見、自らの国にあった政策を練るものであり、決して環境の違う国の追随をしてはいけないし、そこに矛盾がないかどうかの検証を常にできるだけの度量がなければならないと思います。

 一つの例でいえば人手不足といいながら働くことのない若者が増え、海外からの安い賃金で働く外国人を受け入れ結果的に多くの問題がそこに起きているという事を考えるとなんでも安易に事を起こすことが政治ではないと考えるのです。

 多くの資産が増えてと言いながらデフレスパイラルが収まらない。更には街での買い物客が少なくなり付加価値を望む人々が少なくなったのはこのデフレスパイラルのせいであることは明白です。景気はずーっと上向いていると勘違いをしている総理大臣がそこにはいます。

 社会を見渡してみると社会や環境が変わり続けているにもかかわらず、政治という狭い世界での生活を送っている政治家だけではなく、ビジネスの世界でもアナログからデジタルに変わりつつも更なる変化が起きている感じがするのです。

 人間が考えている以上にAI、ITの組み込まれた世界は変化が大きく人間の英知を超えたみえない変化が起きているのですが、これをコントロールするのはやはり人間でなくてはなりません、そしてそれをコントロールできるのが法律でもあるのです。しかし、その法律を作る政治家たちがその変化に気づいていません。

 ダイアモンドのビジネスにおいてもある変化が見て取れます。それはデジタル化のスピードが激しかったダイアモンドビジネスにおいてアナログ化に傾向をし始めているという事です。それは自然界の創り上げた象徴的な物であるダイアモンドが何かを示しているような気がしてなりません。

 いずれにしても時代の潮目を迎えていることは間違いがないでしょう。
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2019年2月4日月曜日

変化⁉

 先週末さる百貨店さんにご依頼を受けて大粒のダイアモンドを持参をし、展示という形で接客をさせていただきました。元々ご希望のお客様がおられての訪問でしたが、朝礼にも参加をさせていただき外商部長のお話を伺う機会もありました。

 その中で『現在の顧客の多くは資産性というものを重視する傾向にあるので今後はそこに意志をもって考えていかなければならない』というご趣旨のお話がありました。その後外商部長のご挨拶を頂き何度も展示中に外商部員の方をお連れになり『今後はもっとこのような商品を中心に考えていかなければだめだよ』と力説をされていました。

 何度となくいらっしゃる中でお話をし、百貨店自体の変化を著しく感じたわけです。以前であれば売り上げの中でのパーセンテージは絶対的な物だ有ったのですが、大粒ダイアモンドのような高額帯の物に関しては取扱金額ベースと利益金額を重視できれば良いという考え方です。

 現在は多くの百貨店にはハイブランドが入っていますがここからの利益に関しては殆どといってよいほどありません。勿論ほかのメリットがあるという事です、つまり、集客効果、宣伝効果というものが有ります。

 しかしながら昨今の百貨店には独自性というものが有りません。そんな中外商部長やバイヤーの責任者の方たちのお声掛けを受け積極的にご質問を受けるという事は過去にはあまり例のないことだと担当者の方たちも仰っておりました。

 当初は私自身もそのような責任者の方たちとは認識せずに単に随分と熱心な方たちだなというくらいに思っていたのですが、後々名乗られて責任者の方たちであることを認識した次第です。

 そんな中でのお話であったので、本音として改革を考え、過去の方式に偏っていては百貨店としての存在感と、顧客のニーズを見逃してしまうという事を感じているのだなと感じた次第です。

 明らかに変化を求め、さらにはこの変化が大粒ダイアモンドのビジネスにもっと変化が出てくると望ましいと感じた次第です。しかし、ジュエリ-主体の展示会の中では明らかに浮いておりましたので、やはりダイアモンドビジネスというものの特殊性を感じた次第です。
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