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2014年1月29日水曜日

販売術!?

 今朝、よく立ち寄る駅の書店での出来事ですが二人の青年が何やら本棚を見ながら立ち話をしていました。私の目指す本も同じ棚にあったので何気に内容が聞こえて来ました。

 『販売のプロとか、こうやれば売れるとか、こうして成功をしたとかの本ってここにも沢山あるけど本当なのかな?』と一人の青年がいうと

 『結果論だと思うよ。だって本当に本のように出来たら皆が成功するじゃない。』
ともう一人の青年が答えておりました。

 確かに多くの本に書かれている内容は当り前のことばかりだし、その通りにやって成功をする訳ではなくその確率が上がるというだけのことだと私も思うし、その状況や時代の背景もあるので結果論と言われればその通りなのかもしれないと思いつつ会話を聞いておりました。

 日常品や一般的商品の内容で書かれている物が多いのが現実ですが、宝飾業界のような高額商品の販売術や販売例はほとんど書かれている事はないし、その体験もしている人は少ないでしょう。またそのような人はまずその類いの本は書かないでしょう。

 よく『高額品はどの様にして販売しているんですか?』といった質問がありますが、私が心掛けている事は土台造りと確認です。

 つまり、宝飾品のような特に高額帯の物に関して言えば多くの消費者は知識を多くは持っておりません。つまり、判断材料が乏しいという事になります。そこで多くの判断材料を示し、その上で結論を見出すという事になります。

 購入できる経済力を持っているという事を前提にお話しをしますと、多くの消費者は判断する材料は販売側からしかもらう事は出来ません。つまり、販売側からの情報だけで判断をせざるを得ない訳です。

 今まで接してきた多くお客様に伺うと『買う、買わないは払える、払えないで決めればよいけど、後で後悔しないかとか、買わなくても良いかなと思ったりすることが多い。』という意見をよく聞きます。

 昨今のエビ偽装問題でもありましたが、出来るだけ多くの情報を公開して消費者に判断をしてもらう努力をする事が販売の確率をあげる唯一の方法だと私は思っています。つまり何かを対象にして安いとか高級だとかの判断をその物から目くらましをするような販売方法は結局消費者に背を向けられる事になるでしょう。

 私が言う土台作りとは過去の情報、現在の状況、そして未来への展望を出来る限り解りやすく説明し、消費者が購入する為の土台を積み上げていき、ここから先は消費者自身が決める事が出来るというところまで判断材料を整えるという事です。人によっては60%材料を積上げれば決める方もいれば、80%積み上げても決める事の出来ない人もいるでしょう。

 残りの%はお客さんの経験から埋めて結論を下すことであり、そこまで土台を積み上げる事が出来るかどうかがプロの真価だと思っています。

 その後に必要な事が確認だと思います。多くの初級販売者にはお客様に結論を聞き出しにくく右往左往している事が多く見られます。しかし、自らの情報を出し切った際には勇気を持って一歩踏み出さなければなりません。

 お客様も高額な買い物であればある程結論を出す為に背中を押される事を待っています。その事は販売側の役割なので、その事が出来ずに無用な時間を過ごしている販売者も良く見受けられます。(勿論、買う買わないは最終的に購入者の判断です)

 販売も恋愛も人間関係も一緒だと思います。解り合うには土台作りと確認が必要なのです。

 ・・・・・・と信じています。

2014年1月27日月曜日

青い原石!?

 先週、南アフリカのカリナン鉱山で29,6ctsのブルーダイヤモンドの原石が発見されたとのニュースが世界中を駆け巡りました。この原石の価値は数千万ドルともいわれ近頃の特殊ダイヤモンドのシンボル的に出現した訳です。

 昨今のオークション等で高値を付けている物は必ずしも近来採掘されたものとは限りません。しかし、この原石に関して言えばまさに採掘されたばかりのものです。カリナン鉱山に関しては英国王室のカリナンシリーズを始め多くの特殊なダイヤモンド採掘されています。

 近頃の相場で言えばこの種の物はほとんど1CT当たり二百万ドルを超えていますので仮に磨り上がりが20ctsだったとしたら総額四千万ドル(四十億円超)になる事になります。しかしこのダイヤモンドを手に入れる事は将来の財産増を意味しますのでその金額はもっと上の金額になるような気がします。

 さて、これらのダイヤモンドの多くは相場や基準がないものなので本来の宝石の王道を行っている訳ですが、一方で我々の身近にあるダイヤモンドはどうなるのかというと、やはり同じことが言えるのだと思います。

 確かに金額的にはそこまでの高額ではないのかもしれませんが、特殊性で唯一の存在という事で考えれば前述の特殊なダイヤモンドと同じよう価値を持った物は多く存在します。只、既存の4Cを前提にするとその特殊性は薄れてしまします。

 以前にも書きましたが、ダイヤモンドの中にハート型の内胞物やスペインのサグラダファミリヤのシルエットのようなものがあったりと特殊性も色々です。これらに共通しているのはお金があるから買える訳ではなくて一期一会の縁がなければ手に入らないという事です。金額はたまたま人間が決めているだけで特殊性に関してはそれほどの大きな差はないと考えています。

 其々にとってはどのダイヤモンドも青い原石なのだと思います。

2014年1月21日火曜日

ネイチャーダイヤモンド(nature diamond)!?

 先日、とある業界人に
『髙木さんの言っている事は4Cを否定している様に聞こえますが、実際にはそれらに基準がなかった事による弊害が大きかったので4Cというものが誕生したんではないですか?』
というご意見を頂きました。

 勿論、私は4Cを否定している訳ではありません。4Cの役割や貢献は十分に理解をしているつもりですし、もともとは4C導入時に生きてきた人間ですからその事も十分に解っています。

 只、当時は日本の国民性もあり一定の品質の中でダイヤモンドの取り扱いは行われていましたし、それから外れるようなものは輸入もされていませんでした。つまり、4Cの中で説明ができる物だけが取り扱われていましたし、供給者がグレーディングを行っていましたのでクレームを恐れ、より厳密にグレードが行われていました。

 ところがグレーダ―を持たない輸入者達が取り扱うようになると『第三者がグレーディングをする事がより公正であるという風潮が起き、鑑別会社なる物が雨後のタケノコのように誕生を始めました。その事により一番あってはならない中立な立場の競争が始まり、グレーディングの不公正さが顕著になってきました。

 知っている方達も多いと思いますが鑑定会社の不始末が相次ぎ、スキャンダルになり業界の信用は失墜しました。勿論それを利用した輩も多くそれが価格競争という、その場限りの販売方法が横行し、さらに業界への不信感を募らせてしまったのです。

 4Cは公正に運用されている限りは目安として便利なものですし、経験の少ない販売者には必要なものです。しかし、現在は結果的に多くのファンシーカラーやファンシーカットを含めた、多様化した価値のダイヤモンドが市場には出回っており、4Cグレーディングはダイヤモンドの価値を表す目安の一つにすぎず、ましてそれ自体が完全ではない事は皆が解っている事です。

 4Cを一つのカテゴリーとして考えるのならそれ以外の物はネイチャーダイヤモンドとしてそれなりの市場の構築がされるべきと考えているという事です。つまり4Cも一つのダイヤモンドを表現する方法でそれ以外も現実にはオークション等で既に評価を得ている事を話しているだけなのです。

 つまり、4Cは販売側の便利ツールという事であるのできちっとした4Cグレードという物の説明が出来ない限りは(前提は一定ではないという事の)それに主を置くよりもブランドのように名前やメンテナンス、サービス等に価値を置くようにするのも一つではないかと考えます。但し、お客様の価値観にもよりますのでより多角化をした販売方法が必要だと思います。

 今回輸入した中でYellow -Green Evenの2CTで面白い物をみつけました。ある一般のお客様がダイヤモンドの中にサグラダ・ファミリヤが見えると表現しておりました。それがこれです。

2014年1月18日土曜日

ダイヤモンドの値上がり!?

 新年が明け、取引所においてもダイヤモンドの値上がりを痛感してきた訳ですが、円安も重なり実に心苦しい想いをしている訳です。

 イスラエルから戻り、地方の展示会に参加させて頂いて感じた事ですが、ダイヤモンドの一部の価格が跳ね上がり、一千万、二千万と出して頂いても、それくらいのお金を出す方達が欲しがるような大きさにはならないという事です。

 上級品であれば一千万円出しても下手をすれば3CTSにもとどかないかもしれません。勿論、値引きや販売方法によっては可能なのですが・・。もう以前のように小売業にしても百貨店にしても形式の利益率を追っていたら誰もそこからは買わなくなっていくでしょう。

 勿論、商売ですから一定の利益を追求しなければなりません。しかし、高額品になると率ではなく金額で考慮をしなければ消費者においていかれるでしょう。

 多くの百貨店が『当百貨店ではGカラー以上、SIクラス以上でなければ販売しません』という時代錯誤も甚だしい事を言う事もままあります。これはダイヤモンドの価値に対しての無知から来るものなのですが、以前とある百貨店の商品部の方とお話しをしていたらやはり同じことを言っておられました。

 私が
 『それでは、ヴェリーライトイエローは扱わないんですね?』と聞くと

 『勿論当店では扱うのは難しいでしょう・・。というより、扱いません』
との事でした。

 『実は、30ctsのヴェリーライトイエローでVSクラスの物があり、価格的には面白いものなんですがお取扱いは出来ないという事ですね?』

 『その大きさであれば取り扱う事が出来ると思います。』
と戸惑いながらもご返答がありました。

 要するに4Cで販売する物を括る事には無理があるという事です。ピケといわれるクラリティーの低いものでもレッドダイヤモンドであれば扱う訳です。

 今日のようにダイヤモンドの価格が上がり、大きさとのバランスがとりにくくなると、綺麗であれば微妙なグレードにこだわる事はむしろ消費者をないがしろにしている事になるのだろうと思います。

 沢山の情報を消費者に示し、消費者自身に決めてもらう事が必要なのだと思います。誤表示や偽装的な売り方をしなければ、消費者の選択値も広がるでしょう。



 さる機関が出した昨年度のダイヤモンドの値上がりを示したグラフがあります。1CTのサイズのものですが、解りやすく面白いので掲載をしてみます。

 左の数字が値上がり率で、下部は色と清澄度の組合せです。


2014年1月11日土曜日

イスラエル・ダイヤモンド取引所

 新年早々取引所を訪れて驚きました。

 以前であれば正月早々でもそれなりにバイヤーが来ていたものですが、ほとんどバイヤーの姿を見ることなく、私のまわりに来るブローカー以外は手持無沙汰そうにしていました。

 一昨年より、ダイヤモンドの値上がりの話を繰り返してきましたが、ある程度特殊なダイヤモンドの物が中心でした。現在では1CT以下の物に関しても値上がり傾向が顕著に出て来ました。

 正直なところ2013年に関しては2,3CTサイズに関しては横ばい、ポインター(1ct以下)に関しては値上がり傾向という感じでしたが、国内に関しては国内流通もまだ多くあるのと、主な市場であるブライダルマーケットが縮小に向かっている事もあり価格が抑えられていたという感じでした。

 しかし年末にも書きましたがメレーの値上がりに始まり、ここ数か月間でポインターの値上がりが特に目立ち始め、原石の量も若干少なめという事もあり、多くのイスラエルのマニファチャアは頭を抱えておりました。

 イスラエルにとっては最近のインドの躍進もあり、研磨市場の関しては何かと懸念する事が多いここ数年でしたが主力である事には変わりがない訳です。日本のマーケットの衰退や育ってきた中国市場の特殊性もあり、対処することだけでも四苦八苦していたようです。

 勿論、ブローカーも日本向けが得意な者や、アメリカ向けが得意な者と其々が色分けされていましたからここ数年の変化は彼らにとっても色々対処しなければならない大きな試練だった訳です。

 そんな中リサイクルされ始めたダイヤモンドが多く市場に流れ始めて来たり、原石の供給が少なくなったりという事はイスラエルにとっては大きな悩みという事になります。つまり関与できないレベルの事が多く出現してきた訳です。

 ダイヤモンドビジネスそのものは新しい時代に入るでしょうけれどそれを先導していけるものが出現してこない以上は市場の原理に全てを委ねるしかありません。もう以前のようにシンジケートがトレンドの旗振りをしたり、大手の商社が広告を大きく載せて先導する事もないでしょう。

 イスラエルの取扱いはいまだに一番ですが、多くのマニファクチャが頭を抱えている現実は変わりません。市場がどう変わっていくのかを見守るしかないのか、自らが旗振りになっていくのかは彼ら次第ですが日本との関わりがだんだん薄くなっていく事を感じ始めた今回のイスラエルでした。

 勿論私はまだまだ続けていくつもりです。

 

2014年1月4日土曜日

グローバリゼーション!?

 現在イスラエルに向かう途中仁川にて乗継待ちをしている最中ですが、ハブ空港だけあって相も変わらず多くの国の人々が行きかっています。もちろんアジアンが多いのは当たり前ですが・・・。

 しかし、いろいろな影響があるのだろうけれど日本人がいつもより少ないように感じます。勿論、正月明けということもあるのだろうけど、隣の国の割には圧倒的に他国の人が多いような気がします。
 
 
 勿論、ここはハブ空港ですから24時間動いている訳で本来なら東京がその役割をこの地区では担わなければならないといつも思います。

 ネットが世界を繋いでいる現代は情報や物流方法も簡単になり、グローバル化が進んでいるわけですが世界共通を表すこの言葉は裏返すとそれぞれのローカリゼーション(地域性)もしっかりしていなければいけないのでしょう。原点が違うことを認識していて、世界共通なものを追求していくことこそグローバリゼーションなのだと思います。

 それぞれのアイデンティティーをおろそかにすることは共通にすべきことも見失うことになると考えます。グローバリゼーションとは決して地域性への敬意を軽んじてはいけないと思います。アメリカ式の民主主義が世界に通用するわけではないことは中東各地を見ていて思います。それぞれの統治方法があってよいのです。

 では、共通なもの基本となるものはないかというと手前味噌ですがダイヤモンドがよい見本になると思います。世界に共通の価値観を持ち、不変の価値観を持っているものということになります。

 つまり、地域によって価値の違いが出たりしないことが条件になると思います。勿論、ダイヤモンド以外にも類似するものはあります。ただし、ダイヤモンドとの違いは期間限定となることです。たとえば石油などもそうでしょうし、車なんかもそうでしょう。(例えが分かりにくいかもしれませんが使用価値に関しては共通だという意味です)


 時代時代によっては世界共通なものはあると思いますが、時代を超えることを考えるとダイヤモンドなどはその真骨頂といえるでしょう。ただし、ビジネスとしてはもう少し取り扱う側の理解と消費者に対する説明が必要になるとは思いますが・・・。

 勿論、販売方法はそれぞれあると思いますがダイヤモンドの本質を理解してもらうことがもっと必要になると思います。その上での販売方法の違いだと思います。

 行きかう人々を見ているとそれぞれの特徴がよく出ています。しかし日本人に関しては良くわかりにくいのかもしれません。実はもっと沢山の日本人が空港の中に歩いているのかもしれません。
 

2014年1月2日木曜日

2014年!?

 新年明けましておめでとうございます。
昨年はダイヤモンド価格上昇の部分も多く書いて来ましたが、今年はどうだろうという事を少し述べてみたいと思います。

 今年は『馬の尻下がり』などと言われるように株価の低迷を表す言葉などが使われる馬年に当たります。しかし、『左馬』などというように開運上昇を表わす言葉も良く使われる年でもあります。

 さて、昨今はNISAなどの少額投資を始め、株価の上昇を見込んでの多くの人々の投資のトレンドが起きる年でもあるでしょう。これはある種の経済刺激策も含めて免税などのメリットなども含まれています。

 ここで考えなければいけないのが免税策や大手が一斉に行っているということは政府や国がある種の旗振りをしているという事がありますが、株は昔から千三といわれるように千の投資に対して三つの見返りを表わし、決してギャンブルとしても投資としても旨味のないものです。それは歴史が証明しています。

 勿論、それにより利益を上げる人もいますので一概には言えませんが、先のFX(外貨投資)にいたっても国の誘導がありました。しかし、耳に入る多くの声は失望の方が多かったように思います。

 ここで触れたいのがダイヤモンドです。基本的には多くのデリバティブも含めて金融市場はバーチャルに近い市場が現代の経済を動かしています。一説には実体経済の10倍以上の金額が数字的に動いていると言われていますので、実際の価値は十分の一しかない事になりますので紙上の上だけの数字が大きくなり、その崩壊が先のリーマンショックです。

 ダイヤモンドに関しては実体経済とは言いませんが実質的には価値と実質的金額が近いものだと言えますが、多くの人には実感もないのだろうと思います。それは買った値段より売る時は安くなるといった状況が多くの人々の中には埋め込まれているからです。

 では、昨年は何故そんなに価格が上がったのか(すべてのサイズ、質ではないが)というと、供給側と需要側に金額差がほとんどないオークションという場所での取引だからです。つまり、流通がダイレクトであるという事です(勿論オークショナーの手数料が発生するが)。

 また、ダイヤモンドでの投資を考える人々はそのメリットに対してよく理解をしていますので、今年はそのトレンドがより鮮明になって来るでしょう。そして、その対象範囲もさらに広がりを見せるので現在不足している2~3ctサイズのダイヤモンドはさらに価格が動く気配が出てくるでしょう。

 現在ジュエリーとしてのダイヤモンドはさほどの動きはしていませんが、ブライダル市場も縮小化し、景気の上昇もまだまだ大きくはないので今後も大きな動きは見せないでしょう。

 しかし、ダイヤモンドを取引をするにあたり、小さなサイズにまでもオークションに近い発想での取引が生まれてきた場倍には、全く今までとは別のスタイルで価格が動き出す可能性もあります。

 つまり、直輸入で手数料販売に近い物が出てくると面白い現象が出てくると思いますが、その事については近いうちに再度書きたいと思います。

 新年早々、解りにくい言い回しで失礼をしました。しかし、ダイヤモンドが値上がりをしていく方向である事は間違いありません。どの段階でかはこれからになりますが・・・。

 いずれにしてもこの事に関しては詳しくこれから書いていこうと思いますので今年もよろしくお願いします。

 早々にイスラエルに旅立ちます。