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2013年12月10日火曜日

内胞物!?

 ダイヤモンドの内胞物に関してはマイナスのイメージを持っている人たちが多いようですが、何故でしょうか?

 小生から見ると品質という評価基準で考える事自体が間違いでは無いけれど、横道のそれた基準だと考えます。なぜなら、以前にも述べたのですが宝石の条件には品質の良悪しは入っていないのですから。再度となりますが宝石の条件は希少性、美観性、耐久性、携帯性そして換金性です。

 強いて言うなら条件である美観を備えているかどうかがあれば十分な訳で、実際には内胞物は自然を表現してくれたり、歴史を教えてくれたり、何よりも条件のひとつである希少性の証しである存在だという事です。ダイヤモンドは天然である事が絶対条件な訳ですから、その証である存在がマイナスのイメージになる事はひとえに取扱者の知識の不足で、間違いではないけれど事実の一面に過ぎない訳です。

 品質を美観の条件としているところがありますが、これは間違いではありませんが宝石という事を考えると正しいということにもなりません。つまり、希少性という条件との頃合いがあるという事です。

 ファンシーレッドのダイヤモンドは品質が悪くても希少性という条件を重要視されますので、決して安く手に入る事はありません。それと同じように内胞物も考える部分があっても良い訳です。

 最近取り扱った3ctほどのダイヤモンドはI-1というクラリティーでしたが、真中にハートの形をした内胞物があり、それを見たお客様がどうしても欲しいから2,3日後に返事をさせてほしいという事だったのですがご返事が1日遅れた為に他の方の手元に渡った事がありました。どうしても欲しいから同じような物を探してほしいとの事でしたが、それは99%無理な話である事は誰にでも解ります。

 その人によって希少性の捉え方は違うかもしれませんが、永年ダイヤモンドを見てきた立場で言える事はDカラーのIFなどは何度も見てきていますが、他の宝石が内包されていたり、特殊な形をしてる内胞物が存在したものに関しては遭遇をする事は稀です。

 いつも言う事ですが、美観を損ねないことを前提にして考えた場合内胞物こそ希少性という条件を満たす存在である事も少しでも理解をして頂きたいと考えます。勿論、何のイメージの出来ない内胞物というのも存在はしていますが・・。

 ダイヤモンドのクラリティー(清澄)はクオリティー(品質)ではないという事も思い返して欲しいと考える訳です。

 美観という条件評価の一部として4Cグレーディングが存在している事は目安として便利です。しかし、それはダイヤモンドという宝石の絶対的評価基準ではないという事は広く市場に広がればもっと販路も開け、ダイヤモンドの価値も上がってくると考える訳です。

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