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2013年8月23日金曜日

ダイヤモンドとグレードの入れ替え!?

 先日、さる百貨店の担当の方から連絡が入り、
『社長のところに2ctのHカラーでVS1のところはありませんか?』
との問い合わせ・・。
 
 『今のところファンシーカットしかありませんね』
と答えると
 『何とかなりませんか。どうしても一両日中にはほしいんですけど・・。』

 事情を訊ねると十年ほど前に販売したもので、お客様がリフォームをお望みで、ついでにお嫁さんに渡すので鑑定書を取り直してほしいとの事だったらしいのですが、再鑑定を行った結果カラーがJカラーになったとの事での大騒ぎらしいのです。

 『お客様が変えてくれといったのですか?』
と聞くと

 『いいえ、まだなんですが、大事なお客様なので石を入れ替えたんじゃあないかと疑惑を持たれるとまずいという事になりまして・・・。』

 『それを入れ替える為の代替品という事ですか?』
 『そうなんですよ。』

 『それでは本当に入れ替えになってしまうじゃあないですか。』
 『……。』
 『グレード結果は時と場所と人によって変わる事は常識です。石が変化をする訳ではないですよね。』

 『そうなんですけど、当時はそういう説明をしていないので・・。』

 『どちらにしても手持ちはないので、他をあたってください。』

その後どうなったのかはまだ訊ねてはいないのですが、このような問題はこれからも多く起きる可能性はあります。

 売らんが為の捏造という訳ではありませんが、今後も今話題の真珠の花球問題や加熱処理後のルビーのピジョンブラッド表記問題は明らかな販売者の捏造として捉えられかねないのです。これら表記を良しとした場合に宝石の条件である『希少性』という大前提を無視することになります。

 基準が変わったとか時代が変わったと幾ら言い訳をしても、花珠は加工前の評価であり、ピジョンブラッドはミャンマーのモゴック産で非加熱処理を前提としたものです。

本来の基準や基本を都合に合わせて変えていく事も、本質に対しての価値の信憑性をあげていく為のものであれば異論はありませんが、価値に対して誤解を招くような方法論は明らかなごまかしです。

 本質から言うと宝石のビジネスは誰にでも出来るものではありません。ゆえに誰もがやれるように説明のツールとして表記方法やグレード表記があります。しかし宝石は変化しない事が前提としてあり、その表記方法やグレード表記は絶対的なものではありません。その事実を多くの宝石を扱っている人々は消費者に伝える義務があります。その義務を遂行してさえいれば前述の問題や後述の問題に関しても、後で問題になる事ではないのです。

 ただし、意図的に消費者が誤解を招く様な表記をする事は、あってはならない事だと考えますが、如何でしょうか?某有名百貨店のTVショッピングを行っている方々・・・。  

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