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2012年5月30日水曜日

ダイヤモンドは鏡!?

 通勤の際に道端を夏の草花が咲いており、一時気持ちを和らげてくれます。そんなに草花に興味がある訳ではなく、むしろ切り花や生花はそんなに興味をさそそられる事はありません。野に咲く花にはある種のエモ―ショナルものを感じますが不思議なものですね。

 ふと考えるとダイヤモンドに関しても同じ事が言えるのでしょうね。ダイヤモンドをこよなく愛する人が多くいても興味を持たない方も同じようにいらっしゃいます。ジュエリーになっているダイヤモンドに興味があっても裸石のダイヤモンドに興味を持たない方もやはりいらっしゃいます。

 最近感じる事ですがダイヤモンドを裸石いわゆるルースでお求めになる方が多くいらっしゃいますが多くの方が感性が豊かというか、表情の豊かな方が多い様に思われます。

 ダイヤモンドは残念ながら最初に興味をお持ちにならなければじっくりと見る機会がないもので、そのままの存在になってしまう事が多くあります。小生はジュエリーのダイヤモンドというよりもダイヤモンドそのものの魅力を伝えたいと考えているのでご依頼を受けた展示会等にはなるべくルースでの展示をお願いしており、自信も出向いてケースから出したうえでゆっくりとご覧になっていて頂く機会を作っております。

 実際に老若男女問わず多くの方が興味を持たれ、ダイヤモンドの美しさその物をご理解頂く事になります。これは多くの方が綺麗ではないと感じるものではなく、美しいという感性の原点にダイヤモンドのポジションにあるからだと思います。草花や小動物を含めて場所や時代、人によって美醜が分かれるものではないという事が前提にあります。

 それにしてもやはりダイヤモンドにそれ以上の興味を持たれない方がいる訳で、これは価値観だったり、感性の違いによるものだろうと思います。ですから、ダイヤモンドに魅了される方の中にもその順位があり、他の服装を抑えてもダイヤモンドの方から、余裕があるからダイヤモンドの方を含め多種多様です。

 それらの方の性格は選ぶダイヤモンドの種類を含めて同じく多様です。つまり其々の方を映し出す鏡のような存在にダイヤモンドがあり、その個性を継承していくものとしてダイヤモンドは存在しているのでしょう。

 永遠の命を持った鏡がダイヤモンドであり、これは草花や他の趣向品にはない特徴なのです。ダイヤモンドは人々にとって『時を超えるメモリーであり、鏡』なのです。そこにいくらの価値を見出すかが文化なのでしょう。

http://www.diamond-ring.biz/

2012年5月24日木曜日

ダイヤモンドと人間関係。

 ダイヤモンドのグレードの基準の話をしている時に、数十年前になりますがフローレス(無疵)ということで販売したダイヤモンドに内胞物があったと購入者からクレームがあった事を思い出しました。

 何でも顕微鏡を買ったのでダイヤモンドをセットして見てみたということでしたが。その倍率が100倍ということでした。こちらも最初は驚きその話にはあきれた事を覚えています。何にでも基準は有りますから説明をする事により大事にはいたりませんでしたがカルチャーショックでした。


 ダイヤモンドのグレードは通常10倍のルーペでジャッジをしますが、時々勘違いをして20倍とか50倍の顕微鏡で内胞物を探す人がいますがそれは明らかな間違いですね。

 基本的には10倍のルーペであっても熟練したグレーダーがジャッジメントする為のものであって決してダイヤモンドの美しさを見る為の物ではありません。またグレーダーによってもそのジャッジに違いは出るものであり、ご自身の目が一番大事なのです。

 人間関係もある程度の間がある事が大事なことで近づき過ぎる事は必ずしも良くはない事もありますよね。つまり、海も遠くで水平線を見ている限りはまっすぐですが近くに行くと波が経っているものですよね。

 ダイヤモンドは肉眼で愛しみ、自らの心の充実感を満たすものであって決して粗探しをしたり不愉快の思いをするものでもないという事です。

 毎回のように書きますが、ダイヤモンドの選び方は肉眼での美観を兼ね備えていたならばできるだけ大きなサイズの方が良いというのはその意味も踏まえてのことで、品質が良いに越したことはありませんが、基本は大きさと肉眼での美しさです。

 精神的には美しさであり、経済的には大きさが基本です。そして、その予算との兼ね合いです。それは人それぞれによっても違います。人によって視力に違いもありますから美しさも多少違ってくるでしょう。

 ダイヤモンドに接する感じが人間関係によく似ているとは思いませんか?

 人間は人のまと書きますがダイヤモンドの語源の一つに侵してはならないものという意味もあります。適度な自身にとって居心地の良い距離が人間関係を潤滑にしてくれるのでしょうね。

2012年5月20日日曜日

ダイヤモンドへの疑問!?

 出張に出ていた為にしばらくぶりのブログとなりました。今回の出張では将来ダイヤモンドの仕事に携わりたいといった若者にも出会いダイヤモンドの話や仕事の事をすることで改めて新たな気持ちに立ち戻る事が出来ました。

 この夏、消費者相手のダイヤモンドセミナーを依頼され、お受けする事にしました。しかし、正直なところ一般の方達が何処までの知識を持ち、興味を抱いておられるのかが解りません。

 今回は販売員の方達も同席をするという事で、ともにランチをとったり、ディナーを取りながらということになっています。これは、普段グレードだけを説明して価格を説得して販売をする方法に先方の責任者の方が疑問に思ったところからのお話なのでこのような形態になった訳です。

 率直にグレード以外のダイヤモンドの見かたを理解して頂き、お客様、販売員がともにダイヤモンドに感じた印象を共有してもらい、グレードといった先入観を取り除くことから始めてもらおうと考えています。

 その為には、いくつかのダイヤモンドを比べてもらい、先入観のないところで見て頂き、ダイヤモンドの蛍光性や形といったところの違いも見て頂こうかと考えています。

 4Cグレードの弊害といったところも指摘をしようかとも考えており、例えばプロであれば知っていて当り前の事ですがグレードそのものが同じように見えるダイヤモンドの価格の違いを説明する為の物であってそれ以上でもそれ以下でもない訳です。

 つまり、異なる鑑定機関同士のグレードで価格を説明してもしても信憑性があやしくなりますし、同じ鑑定機関の物であっても何年も違う時間をおいた物は同じく信憑性にかけます。

 ダイヤモンドのグレードというのはアパレルのサイズ表示に似ていて、メーカーが違えば同じ9号で有ってもそのサイズに違いがある事はほとんどの方が解っている事で、これはダイヤモンドのグレードも例外ではありません。

 同じように見えるサイズのダイヤモンドの値段の違いを説明するものですから同じ鑑定機関の同じ時期のジャッジメントでなければ比較する事に信ぴょう性が欠けて来ます。勿論同じような結果が出ることが望ましいのですが違いが出たとしても大きな問題ではありません。

 前述したように同じメーカー同士のサイズで大きさを比べる分には洋服も問題ではなりませんが違うメーカー同士で同じサイズだからといって、大きい、小さいを言っても無意味な訳です。

 本来は基準のあるグレードではありますが1メートルが100センチだとしたら97センチから103センチ範囲内を1メートルと言っているものですから、それを90センチといったからと言って厳しい訳でも110センチといったから甘いという事でもありません。どちらもいい加減という事になりますのでプロであればせめて97センチから103センチを1メートルとして判断するべきなのです。

 『過ぎたるは猶及ばざるがごとし』とはグレード判断を表わしている言葉のように感じます。もちろん購買するときに大事な要素ではありますが重量だけが万人が一致する判断だとしたら、美観が備わっている事を前提に予算の中で一番大きな物を選ぶことであり、美観に関しては各々の判断で変わる事も知る必要があるのでしょう。

 ここまでの大雑把なダイヤモンドの説明は出来ますが、後は何をお話ししようようか、まだ迷っています。消費者と販売員に知識以外で差がつく事はありませんから共に美しい物を選び、その美しさを共有してもらえればまずは成功かなとも思っています。

2012年5月9日水曜日

ダイヤモンドのシェイプ

 昨日ダイヤモンドディーラー用の情報誌を手にして
『またか・・。』
 との思いをしました。

 新しいシェイプの広告です。
何時もこの類いの物を見るとサプライヤー目線で消費者目線ではないなあと思う訳です。丸、三角、四角はまだしもこれら主流の形の中で色々な工夫をしても消費者がルーペを持って何時もダイヤモンドを見ている訳ではないので意味がない様に思うのです。

 今までも沢山のカットが紹介されては消えていっていました。なぜなら肉眼での見た目は変わらないからです。あくまでもサプライヤー側のセールスポイントが付加されるというだけの理由だからです。

 勿論、過去にはそれらの新しいシェイプが残り現在に至っている物もありますが、昨今の物はそのプロモーション力にもよるのかもしれませんがあまり継続している物はありません。

 多くの新しいシェイプを創造することも大事ですが現存の形に対してもっと研磨技術をあげてそれ以外の付加価値の創造に努力をする事が必要ではないかと思います。

 既存の形にファセット(面)数を増やしたり面の形を変えたりしてきましたがそこにも限界がありました。多分、ダイヤモンドのカットに関しては行き着いているのだと考えます。最近はやりのエクセレントカットにしても必ずしもすべての品質に対しての事ではありません。

 ダイヤモンドにおけるカットというものはダイヤモンド自体の品質や性質によって向いているのものがあるという事が経験から感じている事です。色身のあるダイヤモンドに現在のエクセレントカットは決して美しくはありません。

 ダイヤモンドの価値はそれらの手先の内容で価値が生まれてきた訳ではありませんから、もっと本質的な価値に向き合う事が大事だと考えます。

 *シェイプという言葉に関しては全体の形、カットという言葉はその形状の中の面や研磨の内容として使っています。

2012年5月8日火曜日

ダイヤモンドの生成型。

 前回に続きダイヤモンドのタイプですがタイプⅠ,ⅡのほかにP型E型というものがあります。これは何処でどういった条件で生成されたかといった違いを表わすものです。勿論、それが価格に反映するとかといったものではありませんが結果的に違いの原点かもしれません。

 P型とはカンラン岩(ペリドタイト)を含んだダイヤモンドで、もう一つのE型は変成岩を含んだE型(エンクロジャイロ)になりますが、これは前述のタイプⅠ、Ⅱの元素ミックスに対して含有物の違いです。

 P型は一般的に地表から深いところで高温で生成されたもので、E型は比較的地表から近いところでそれほどの高温ではなく生成されたものという事になります。どちらも深度140キロ以上で温度も1000度以上である事には変わりはありませんが・・・。

 私見ではありますがP型は割と古い時代に生成され、E型は新しい時代に生成された物とではないかと考えております。というのはE型に関しては海生物やエンクロジャイロから変質した炭素が元になり生成されており、P型に関しては地下マントルの中で原始地球時代に存在した炭素から生成されていると思われているからです。

 これらの材料を考えてタイプの違いや、グレードにたどり着く根拠となるのかもしれませんが今のところそこまでの追及はしておりません。しかし、ダイヤモンドの希少性の根拠や価値を考えて頂くには良い材料でもあるかもしれません。

 人類の誕生以前から存在し、あらゆる歴史に関与してきた現在の姿にこそ価値があることは間違いがありません。なぜなら、神と同じで人類がその価値の認めなければ、その意味はないのです。

 ダイヤモンドをエンジョイしてください。

2012年5月7日月曜日

ダイヤモンドのタイプ!?

 先日お越しになった男性のお客様が
『ダイヤモンドにはグレードのほかにタイプ別というのがあるそうですね?』
とビックリするような質問がありました。

 ダイヤモンドにご興味をお持ちで先日も2ctの物をお求め頂いたところでした。しかし、突然のこの質問には正直お客様の知識はここまで来たかと思いましたが、以前にもブログで述べましたが展示会場でダイヤモンドのタイプについて聞かれた事がありましたので、ここであらためて少し説明をいたします。

 ダイヤモンドの構成元素は炭素ですがその炭素と置換されるものに窒素やホウ素がありますが、ダイヤモンドにはその生成過程からなる特徴からいくつかのタイプに解れます。大きくタイプⅠとタイプⅡに分かれます。これらのタイプによりダイヤモンドの色の特徴が分かれていきます。

 窒素が含有されているタイプⅠと窒素が含有されていないタイプⅡに大きく分かれますが、それぞれのタイプの中でさらにAとB型に分かれます。

 多くのダイヤモンドはタイプⅠのA型ですが窒素の集合体の含有量により白い色から黄色系に変わっていきます。つまり、DカラーからZカラーに至る色のスケールで濃淡に分けられていくわけです。

 タイプⅠのA型に関してはスティールブルーといわれるグレイッシュブルーやカメレオンダイヤモンドなども存在します。この場合は水素なども含有している事があります。また、ムラサキや茶色がかったアーガイル鉱山等のピンクもこのタイプに属します。

 また、タイプⅠのB型は窒素が単体で含有されていますが無色からファンシーイエロ―系のカナリーカラーなどが存在します。

 タイプⅡA型においては発生率がダイヤモンド全体の2%以内と非常に少なく、窒素を含くめた不純物をほとんど含んでいない事もあり、ほとんどが無色で長年のディラー業の中でも多くの存在を確認しておりません。しかし、視認することは難しいのですが経験からその時々のDカラー以上のCないしBカラー(実際のビジネスにおいては使用しない)を視認する事があり、これがタイプⅡであろうと確信しておりました。

 このタイプにもピンクが存在しますがサクラ色の綺麗な色でアーガイルの物と比べるとパステル差に違いがあり、はるかに希少性があります。

 また、タイプⅡB型においては不純物としてホウ素を含有しており、ファンシーブルーがこれに当たります。また半導体性質を思っており希少性の非常に高いものでタイプⅡ全体の0.01%くらいといわれております。また、蛍光性を持っておりませんが燐光性を持ち合わせている場合があります。

 以上のように大きくタイプは分けられますがタイプⅡに含まれる無色やファンシ―カラー系の物の高価な理由がそこにある訳です。

 難しい事を書きましたが、無色の物や変わった色ものは基本的には希少性高いので高価だという事と理解して頂きたいという事、グレードという事はその事が基本となっているという事を御理解いただきたい。

 ダイヤモンドにはそのほかにもE型とP型といった種別もあります。

 

2012年5月2日水曜日

何故にダイヤモンド!?

 世の中には実用的価値と付加価値という物がありますよね。

 本来は実用的価値にさらに差別化された価値つまり付加された価値が付加価値です。しかし、車や食品の様に元々の実質的価値がある物が技術やデザイン、調理、味といった物が付加される事により、その付加された物が認められやすいものは良いのですが、ダイヤモンドのように元々の実用性が解りにくいものは付加価値と言えるのでしょうか?

 実は現代においてダイヤモンドは多くの光学器械に取り入れられておりますが、それは単なる実用的価値であり、付加価値が入り込む余地はありません。

 ましてや数百年前には光学器械など有りませんからその価値とは無縁だと言えます。それでは何故という事になります。

 付加価値の中には希少性という価値もあります。それは多くの宝石の中では希少性が高いという事になる訳です。それでは宝石に実用性があるのかという事です。

 シンボルつまり象徴という事が実用性かどうかというと、それがなければ個々の区別とか独立性が理解しにくいだろうし、またコミュニティでの連鎖性や自治という事を考えてもシンボルは必要不可欠な実用性といえるでしょう。

 勲章とか賞状とかといったものは象徴の最たるものであるが昔からそのような素材に宝石や貴金属が使用されている事は周知の事実です。そしてそのような事も人間の誇りや自信に必要なものでもあります。

 ダイヤモンドの希少性や耐久性といったものはそのような実用性にとっては顕著な特徴があり、そのことが付加価値となっているのです。

 その延長線にさらに財産性等の実用性が付加された現代においてはダイヤモンドはもっとも付加価値の象徴的なものでもあると言えるでしょう。

 現代のようなデフレスパイラルの中にいる時にはやすいという事が何らかの価値のように思えますが、安い事には実質的価値が伴うかもしれませんが、文化や知性といった将来をになうものやコミュニティを円滑に運ぶ事にはあまりにも現実性が有りません。

 ダイヤモンドのような価値を持った物が今こそ必要な時代であり、その事がダイヤモンドの価値なのだと思います。

 昔から能力があり、それをまだ見いだされたいない状態を『ダイヤモンドの原石』といった事が言われましたがこの言葉が物語っています。磨かれたダイヤモンドは必要なのです。