宝飾業界の不振が語られ始めて久しく、業界の変化も著しいものがあります。地金の高騰もあり、多くのメーカーは商品を作ることには消極的であり、更に消費者への直接の販売を試みています。
現在行われている名前ばかりの国際宝飾展でも多くのインフルエンサ―を抱えたメーカーやリサイクル業者が幅を利かし、本来の商社は影を潜め凋落の様相を呈していました。
これは欧米諸国よりもさらにジュエリーを対する文化のない日本にとっては致命的な現象であることは火を見るより明らかともいえるのかもしれません。
宝飾品は本来関わる者たちの付加価値の創造により価値のあるものです。しかし、それを落としめるような販売方法行ってきた業者が国際宝飾店や通信販売で幅を利かしていることも事実です。それはいかにも自らの首を絞めることになるのです。
しかし、生き抜くための手段としてはやむを得ないだろうし、メーカーが消費者にダイレクトに販売を考えることも必然でもあるし、本来の欧米的な宝飾店は自らデザインをし、顧客に提案し、販売する方法が原点であるので、ある意味製作をしている会社が販売をすることに違和感はないのです。
問題は小売業であったり、百貨店に入っているテナントである。彼らは過去長い間メーカーからの委託商品に頼り、展示会に出展された消費者が興味を持った商品を進めるといった方法で半ばリスクのない販売方法に依存をしてきました。
前述をしたように地金の高騰と販売不振もあり、多くのメーカーが商品を製作しない時代になると小売店やテナントにとっては死活問題ですが、そこに気が付いている人々が多いことも現実です。小売店やテナントは自らのマーケティングを行い、プロモーションを充実させ、自らのリスクにより商品を準備しなければ今後の生存は難しくなってきています。
そこにいち早く手を付けるか、退場をするか、という場面に直面していることも事実です。長年にわたり市場を破壊し、そのエネルギーで販売結果を出してきた業界ですが、そのエネルギーとなってきた付加価値はすでに存在をしません。
つまり、自転車に乗れない人に自転車が売れないように、ジュエリーをする場所がない人にジュエリーを売ることは難しいのです。自転車を売ろうと思えば乗り方を教え、サイクリングの楽しさと行動範囲の広がりの楽しさを教えることが必要です。それはジュエリーにも言えることです。
ジュエリーをつける場所の提供とその楽しみ方やその意義を学んでもらわなければ誰もジュエリーを買わないのです。過去売れたのは先人たちが作り上げた付加価値があればこそで、その貯金を崩しながら蓄えることなく着た結果が今日なのです。
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