ジュエリーの歩みを考えるときに、元々は宝石というものが存在し、実用品である道具に宝石を施すことにより、宝飾品としての体をなしてきました。それは指輪然り、ネックレス然り、ブローチ然りです。
つまり、宝石というものの存在は実用品に宝石そのものを関することにより宝飾品に確固たる意味を存在させてきたわけです。
ブローチなどは北方民族の毛皮の前を止めていた道具に長者が宝石を施したことにより始まったともいわれています。勿論、指輪にしてもネックレスにしてもそれが始まりといわれています。
さて、その宝石ですが、宝石そのものも前回の話に重複しますが、自然が作り上げて出土したものに自然が起こす現象やその稀有さ、その美しさや希少性を物語にして時の権力者への献上品としてその価値を高めてきたものでもあります。
結果としてその宝石を身に着ける方法として権力や宗教上の儀式における宝物や道具に施したわけです。それにより王室の王冠や笏などが権力の象徴として成立してきたわけです。
その結果フォーマルな場所での着用品として宝飾品つまりジュエリーが成立をしてくるわけです。
宝石やジュエリーに関してはその成り立ちから言っても付加価値のある創作物語が付与され始めてその価値が見いだされるわけです。
昨今の販売方法としての文字や数字を前提とした価値やその場のセールストークのみで販売するには難しいものです。顧客が欲しがっている前提であればその内容でも成り立ちます。
しかし、顧客が欲しがる前提というものは、美しさや好みもさることながら、それはその全体としての物語があることが必須なのです。つまり、物語のないところに本来のジュエリーの価値は感じてもらいにくいわけです。
それはブランドイメージだったり、誰かが身に着けていたということも含め、ストーリーが必須なわけです。今の販売方法に一番欠けるところであり、現代の販売員の最も苦手とするところでもあります。
今後の大きな課題でもあり、これがなければ日本の宝飾業はますます推移体をするのでしょう。我々は宝石のためにも物語、つまり付加価値を創造し続けなかればならないのです。
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