世界の金融は実体経済とはかけ離れた動きをしている昨今ですが、このままで良いのだろうかと考える事がしばしばある市場です。
一部のIT関連の相場が日米問わず引っ張っており、実際の日本の日経相場においても70%以上の企業が赤字であり、わずか20%余りの新進の企業がその相場を引っ張り、高値相場を維持しています。つまり、格差です。
米国においてもITやベンチャー企業が中心のNASDAQが史上最高値をダウとともに更新をしており、株保有者においてはトランプ政権になったおかげで経済的にも上向いたという人々も多くいます。
またその陰では利益確定買いとも思われる金市場がこれまた今夏においては最高水準の相場を付けています。しかし、新型コロナ禍におけるワクチンの開発の先が見えるようになるとこれまた株相場が続伸をし、金市場から微妙にお金が逃げ始め、株に新たな資金が流入をしているようにも見えます。
一方ダイアモンド市場にも変化が起き、この春先からブライダル市場が顕著に動き始め、日本においてもアメリカにおいてもここ数年では見ないような動きが起きています。それは《9.11》や日本の東日本大震災後も起きた事ですが、情緒的な要因が多く不安や不安定さからより強い絆を求めようとするカップルが増えるという事でしょう。
特に金融市場良好な中、若くても株保有者の多いアメリカでは1ct~1.5ctsの需要が増え、価格的にも本来であれば実体経済下において下降をしがちな状況の中、安定どころか上昇に転じています。これらはブライダル市場の状況ではありますが大粒ダイアモンド市場においても変化が出ています。
新型コロナ禍でオークション市場を始め、あまり動いてはいないはずのマーケットでファンシーカラーや大粒サイズのダイアモンドが価格を更新しています。特に不況の中で価格のが下落しやすい、Dカラーでハイクラリティーのところの価格が上昇を始めています。
これはサザビーズやクリスティーズなどのメジャーなオークション会社だけではなくマイナーな国内のオークション会社においても起きている現象です。ここ数カ月の間でも何件かの査定依頼が来ており、入札価格においても査定額を超える価格が入る傾向がみられます。
富裕層の情緒的な要素もあるのかもしれませんが、前述の利益確定買いを始め、財産の保全といった面も見られるような気がします。つまり、現状の金融市場とダイモンドのマーケットは必ずしも離反をしていないという事になります。逆に実態市場においての方がネガティブな要因が多いと言えるのではないでしょうか。
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