新型コロナの流行が留まるところを知らない状況にあるわけですが、多くのビジネスで業態の変化が望まれる中でどのような変化をするかという事にアイディアが及ばない業種もあります。
宝飾業界がまさにそこにあるわけですが、宝飾業というものは過去をさかのぼると業態を変えながら変化をしてきた業種です。元々は店売りという典型のビジネスのように思われますが実はそうではなく単純に言えば行商であったわけです。
行商といっても現代人が考えるようなものではなく、多くの業種の場合は行商で行われてきたわけですが、宝石の場合はちょっと特殊で産地と需要地の距離が遠かったという事もあり、最終目的地に着くまでの間においてもそれなりの物を販売して歩いたわけです。
特に昔のインドからヨーロッパに向けての行商においては中間のベネチアなどで研磨や宝飾品に仕上げヨーロッパの王族や貴族層に販売を行っていました。時代が進み中世に入ると産地とは言わず、今でいうリサイクルが行われ必ずしも裕福ではない貴族等が手放した美しい宝石は転売をされ、そのために店舗が現れ始め、ヨーロッパの各首都には宝石店が点在始めたのです。因みに宝飾品をリサイクルとかリ・ジュエリーという言葉を使う事にはいささかの疑問はあります。
店舗がやがて外販というより顧客へ訪問し、オーダーメイドを行うようになると店頭と外販という業態が現れ始めます。それから時が経ち展示会が生まれ、TVショッピング、通販という流れになり、そこでは展示会と通販という相容れない販売方法がおこななったわけです。
つまり、宝石を売る形態や業態は常に変化をしながら来たのですが、バブル以降宝石の本当のプロが少なくなり本来変わっていかなければならなかった業態変化が行われずに来たのです。もっと言うと宝飾業と言って良いかどうか解りませんが現状の形は既に新型コロナが無くても市場規模と内容は劣化をしていたわけです。
新型コロナ禍の今こそが業態を変化する良い機会ではないかと考えるのです。また変わらなければ千年以上続いたこのビジネスが終わりを告げるのかもしれません。
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