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2019年8月16日金曜日

ダイアモンドを説く⁉

 お盆も明け、台風の爪痕がまだ残る状態ではありますが、まだまだ世間はビジネスモードという訳にはいきません。ニューヨークのダウも価格を下げ、東京の市場も揺れています。

 勿論、ジュエリー業界の方も中国を始め世界の経済の下降減少を受け、世界中のマーケットが冷え込み始めました。以前から言っているようにオークション市場の経過は良好であり、高額商品が動いていることに変化はありません。

 ダイアモンド業界も例外ではなく、他のジュエリー業界ともども良好であるとは言えませんが、こと高額になるとファンシーカラーを始め、D IF以外の大粒ダイアモンドは堅調です。ただし、絶対量がありませんから堅調といっても目に見えるほどの市場ではありません。

 盆に入る前に百貨店さんからの依頼により大粒ダイアモンドのミニセミナーを行ってきました。内容的には時間も2時間と短く、大枠として『ダイアモンドの価格の決まり方』という内容でした。意外にも多くの販売員の方たちがダイアモンドの価格の決まり方に関して知識が無いようでした。更に言えば4Cに対する解釈も勘違いが多く、終了後は皆さん頭を抱えていました。

 ダイアモンドの価格の決まり方は別にして、ある意味購入者に価格を理解するという知識を養っていただかなければなりません。そういった意味では多くの場合ジュエリーの一部としてのダイアモンドに接している場合が多く、ダイアモンドそのものを理解して頂くような説明というものはあまりされていないような気がします。

 例を挙げると絵画ですが、多くのコレクターはどのようにして絵画を理解し、購入動機となっているのかという事を考えると、多くの場合は画商からのレクイチャーがあり、更にはオークション上でよく名前の聞くもの。そして、勿論情緒的に自らの嗜好にあっているものという事になるのです。しかし、多くの購入者の価格に対しての理解はやはり画商からの情報や自らの購入体験による物であり、本当に価格に対する理解というものは『景気が良くなれば価格が上がり、悪くなれば下がる』といった大雑把な感覚でしかありません。

 絵画に関しては百貨店なども半額の値引きというものはざらにあるという事です。勿論絵画のコストというものは絵具代とキャンパス、そして作家の作業代ですから当然と言えば当然です。後の殆どは付加価値ですからお求めになる方が幾らという理解をするかどうかという事になります。

 ダイアモンドに関しては元々のコストが決して安いものではないので付加価値の率よりも圧倒的に実質的価値が占めているのですが、残念ながらそれを説明できるだけの販売員は非常に少なく
感覚的に消費者でも知っているような知識しか無いように見えます。小粒になればなるほどジュエリーの中での付加価値の率の方が高くなり、必ずしもロジックは必要ではないからです。

 画商の知識がどこまでの物を一流というのかはわかりませんが、少なくても購入者が自ら判断をするだけの説明と納得するだけの金額を提示するだけのことは出来ているような気がします。

 そこで現代の販売員には『ダイアモンドを説く』だけのロジックと知識を持つことが如何に大切かという事が求められるのだろうと考えます。それはあくまでも購入者が自ら判断をするだけの内容を説くという事であり、それなりの知識が必要だという事ですが、それが販売の幅を広げ、本来のダイアモンド購入者を増やすことにもなるのです。
https://ameblo.jp/diamonrow

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