宝石の価値は希少性、美観性、耐久性、携帯性そして換金性が原則ですが、この
基準はどの様に判断をすれば良いのかと考えるます。
例えばダイヤモンドの希少性とは何を指すのかというと二つの解釈がありますが
全ての鉱物の中での希少性、もしく宝石全体の中での希少性を指すのかという点
とダイヤモンドの中での希少性、つまり小さいサイズで考えたり、品質の低いもので
捉えると沢山の量がありますので、大きいサイズで美観を伴った物を捉えて希少性
とするのかという事です。
私自身の判断は後者です。その理由は確かに物理的に量が少ない物ではありま
すが、嗜好品でありますから興味のない人にはその希少性は対象外になります。
それでは大きなサイズでもいっしょでしょうと言われそうではありますが、そうでは
ないのです。つまり、換金性という実利的な面が伴ってくるとそこには嗜好性ではな
い希少性が生まれてくるのです。
取引所(イスラエル)内での会話ですが
『1ct以下のダイヤモンドは若干値下がりをしている傾向があるのは供給量に比べ
経済状況が悪いせいもあるかもしれないが、最終市場からの引上げ品が多くなっ
ているのも要因だね』
つまり、ここ数年の地金の高騰につられて地金の取引と同時にダイヤモンドも換金
されており、それが最終市場から取引所まで回っているという事です。
経済で言う価値とは交換性ですから、交換されたダイアヤモンドに価値はやはりあ
るという事になります。
ただし、実質的には通常の市場ではやはり皆さんが手にした価格よりかなり安く換
金されることが多いのでピンと来ないかもしれません。
市場の価格というのはある大きさまではダイアヤモンドの価値というよりデザインや
素材の価値が割合の多くを占めますからダイヤモンドその物がとてつもなく安く換金
された訳ではありません。
全体の価格のダイヤモンドの価値の割合が多くなればそれほどの大きな差はなく
なるでしょうし、むしろ所有のタイミングによっては買った時より高く換金される方もい
ます。
それではその境目はどこになるのかというと、先程の取引所での会話がヒントになると思います。それは確実には2ct以上という事になるでしょう。
裸石の卸マーケットでは経済状況が悪くなるとやはり1ct以下は価格が下がる傾向
にありますが、大きなサイズの物にはその傾向が小さいと思います。
大きなサイズの物は勿論ですが、ファンシーカラーといわれる珍しい色のダイヤモンドに関しても同じ事が言えます。希少価値には経済的交換性が伴う事が条件となり、実質性が生まれる事を前提としていますので、ダイアヤモンドの価値基準というものは
その辺を考慮して頂ければと思います。
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