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2011年8月9日火曜日

ダイアモンドの魅力

ダイアモンドの魅力を聞かれる機会が最近多いのですが、ある方が

『髙木さんが長年ダイアモンドの買付をしていてダイアモンドに飽きることはなかった
んですか?』と尋ねられました。

この質問は多分にダイアモンドを見る機会が少ない方の発言なのかなとも思います。
つまり、ダイアモンドに魅力を感じている方の多くはダイアモンドは見飽きないという
事をよく口にします。

それでは私はどうかと言いますと。仕事で見ている分にはその作業に対して飽きる
事はありますが、ダイアモンドそのものに飽きることはありません。

ゴルフに夢中になるのは、一度でも理想的なショットをした事がある人です。それは
ゴルフをする皆さんに心覚えがあると思いますが、一度でも理想的なショットをすると
それがもう一度できそうな気がして続けています。

出来るはずと思っているとたまに理想的なショットが出てきます。そうすると20回に
一度のショットでもやる気がまた出てきて、続けていきます。

ゴルフとイコールではありませんが、30年以上沢山の石を見ていても必ずと言って
いいほど今まで見たダイアモンドより感動的なものを見る事があります。

見続けていると必ずもっと魅力的なダイアモンドが出てくるはずだという事を前提に
見続けています。

やはり、今まで以上の魅力を感じるダイアモンドは出てくるのです。その時に感じる
ことは、ダイアモンドの特徴と人間の技術の合値です。そしてそれは必ずしも、無色
透明な物とは限りません。

俗に言われている4Cグレードを超えた物がいつもそこには存在します。4Cグレード
を否定する訳ではなく、それもダイアモンドの魅力を伝える手段の一つではあります
が、それはダイアモンドの一部を表現しているにすぎません。

魅力的に出てくるダイアモンドは決して無色透明なもので理想的と言われるカット
ばかりではありません。やはりその石の持った個性と人間の技術が見事に一致した
時に醸し出される魅力に勝るものはありません。

それは3年前の事です。
通常の買付作業をしていると私のアシスタントをしてくれているハニーという女性が
『カズ、この石を見て!!』

私が目にしたものは17ctのペアシェイプ(梨型)でした。
うす~いブラウンのじ色をしたライフ(照り)の強い見事なダイアモンドで決して理想
的なカットとは言えるものではありませんでしたが、この石に関してはこのカットが
理想的だと思うような魅力的なダイアモンドでした。

ダイアモンドの魅力というのは、必ずしも人間の計算したものではなくその石自体が
持っている特性とカットした人間の相性もあります。それが一致した時にとてつもない
事が起きる。その事が経験の中で身についているのでダイアモンドに飽きることは
ないのでしょう。

人間と一緒で成績優秀な人間だけが魅力的な訳ではありません。個性とその後の
環境によってとてつもなく光り輝く人間がいるのと同じ魅力がダイアモンドにもある
のです。


因みにその17ctのダイアモンドを購入して、日本に到着するやいなや売れてしまい
ました。

ダイアモンドを一度ジ~っと見る機会をつくってみてください。必ず何かを感じます。






2011年8月3日水曜日

エンゲルベルト・フンパーディンク。

最近、テレビのコマーシャルから軽快な音楽流れて、その音楽が自身の心の底を
揺さぶる感じがして、とても心地よい瞬間に陥ります。

1970年代半ばロサンゼルスで過ごしていた。当時のロサンゼルスは治安も悪く、
車の移動は是是非でありました。

当時の私は持ち金も少なく、ポンコツの1960年代のフィアットをやっと手に入れて
移動手段としていました。夏に買って冬になる時に初めてヒーターが壊れている事が
わかり、売り手にしてやられたという感じで後の祭りでしたが当時はそれが当たり前。

やっと手に入れた、車でカセットテープデッキがついていましたが、勿論テープの持ち
合わせはありません。お金のなかった私にはテープを買う余裕はあまりありませんで
したが、どうしてもデッキが作動するかどうかを確かめたくて思わず、まだ日本では
名前も知らなかったタワーレコードでワゴンにSALEと書かれて置いてあったブルー
のカセットテープを買い、早速かけてみました。

幸運にも軽快な音楽を奏でるカセット出来からは聞こえた曲は当時日本では聞く事
のなかった曲ばかりでしたが、異国に住み始めて間もない私にはすごく贅沢な時間
に感じ、いつもこのカセットテープから流れる曲と共に過ごしていました。

このカセットテープには当時、トムジョーンズと並び称されていた『エンゲルベルト・
フンパーディンク』が収録されており、青い空のカリフォル二アにはぴったりの歌声
でした。特に気に入っていた曲が『クアンド・クアンド・クアンド』でした。

『クアンド・クアンド・クアンド』がテレビの画面から流れてきた瞬間にいきなり当時の
カリフォルニアに引き戻せれ多様な錯覚にさえ陥り、音楽が記憶とシンクロしている
事を改めて感じる瞬間で、大げさに言えばここ数年の間で一番興奮した瞬間でした。

心地よい記憶は何かをキッカケに呼び起されるという事はよくいわれる事ですが、
曲や景色等で思い出す記憶は瞬間的に過去へ運んでくれますが、今を将来に運ぶ
キッカケをたくさん作っておきたいものです。

皆さん、ダイアモンドは良い思い出と一緒に将来の世代にも現代を運んでくれる
大事なメモリーカードです。楽しい時にはダイアモンドを常に携帯してください。

ちなみに、エンゲルベルト・フンパーディンクのCDを探してついに手に入れました。

2011年8月2日火曜日

後世へ

人間の本能の中には子孫を残す事や、文化継承等の意識は自然にある物だと思い
ますが、それは普段意識をする事ではなく、自らの何らかの転換期や境遇によって
意識する事なのかもしれない。

今、流行のロハスは真にその事を表現しており、何らかの状況を迎え、そのことを
意識している人が増えてきたのだと思います。

ロハスとは地球上の自然を大事にし、如何にこの自然を長く大事に使っていき共生
して行くかという取り組みです。現代においてはあまりにもアメリカ流の消費文化が
蔓延し、その場限りの間に合わせにお金と労力を割いているのかと思います。

確かに経済は格別生死に関わるようなものではない物、つまり文化と言われるよう
な物が活性化して成り立っているものではありますが、現代の経済や文化はあまり
にも度を越して見えます。経済の為に文化を起こし、またそれを葬りさっています。

そろそろ、地球の限りある、資源や、文化を大事にして意識する事を心がける事を
考えても良いのではないでしょうか。つまり、文化というものは子孫に残す事の出来
る、誇れるものであってほしいという事と、その文化が肉体的にも精神的にも子孫
達の支えになるものであってほしい。

先日、ご来店頂いたお客様がお求めになったダイアモンドの出来上がりを受け取る
際に

『私にはまだ過ぎたものかと思っていましたが、こちらのお店で後世に残し代々受け
継いでいくものですよと言われて、そうだと思い切って大きなものを頂いたんですよ』

と言われてそう考えてくれる人がもっと多く現れてほしいと考えています。

人の存在や考え方、そして現実に残していける物を継続していけるものをもっと大事
にして良いのではないかと、そのお客様の一言で余計に意識をするようになりました。

ダイアモンドは人類の文化の中にある自然の物では最古の物ですから、ロハスの
代表格と言ってよいでしょうね。