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2025年4月9日水曜日

大粒ダイアモンドの行方⁉

  インドのダイアモンド研磨工場の閉鎖が相次いでいる理由はいろいろあるが、一番の理由はダイアモンドビジネスの経年劣化だろうと感じます。

 ダイモンドビジネスが始まって300年~500年は経とうとしています。もちろん近代ビジネスモデルとなってからは100年余りしか経っていないわけですが、この間の発展が著しかったことも事実です。

 私自身もこのビジネスに関わってから半世紀余りとなりますが、その間にも著しい変化がありました。グレーディングが一般化され、大量の原石が研磨され、更にはその換金性ゆえにリサイクルとしての市場での在庫の流通が行われてきました。

 現代においての市場在庫は過去最高といってもよいでしょう。需要に対して供給過多になっているのが現況です。宝石質ではない原石も多く研磨されてきました。その為、市場にダイアモンドがだぶつく状況にもなってきています。

 もちろん価格においてもその影響は著しく、1ct以下のダイアモンドの価格は低迷し、新たな研磨石は必要にならない状況にあるために研磨工場の閉鎖という状況になっているのです。

 さらに、インドの多くの研磨工場は仕事を確保するために人造ダイアモンドの研磨も大量に行ってきたために人造ダイアモンドそのものの価格の下落も演出してしまったわけです。

 人造ダイアモンドに関してはいくらでも生産ができますから価格は下がる一方です。しかし、このことは天然のダイアモンドにも影響を与えるのではないかという指摘もありましたが、下がりすぎたということもあり、天然のダイアモンドの価格も下がりましたのがあまり影響は大きくはありませんでした。

 大粒(5ct以上)のダイアモンドに関しては最近大手の鉱山会社が相次いで供給を抑えるという発表がありましたが、これは抑えるのか、原石が少ないのかは疑問の余地もあります。

 つまり、コロナ以降デ・ビアスをはじめ多くの多くの鉱山会社が減産を行ってきました。最近、再採掘を始めていますが市場が芳しくはないとの判断から積極的ではありません。それゆえにもともと採掘量の少ない大粒ダイアモンドは原石を含めて少なくなってきているのだろうと感じています。

 更に、大粒ダイアモンドの所有者はもともと資産家が多いために市場に売りに出すことも少なく、小粒ダイアモンドのようなリセールなる在庫がもともと市場にないことも状況としてはあります。

 大粒のダイアモンドは今後もステータスとしての資産としての価値は十分にあるのだろうと感じていますが、それ以上に現代のデジタル資産の危うさの反対側にある現物資産としての価値が必要とされるのだろうと思います。

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