トランプ大統領の関税政策の良し悪しは別にして、ダイアモンド業界への影響は決して小さくはありません。
それは4月上旬のトランプ大統領の税率発表の前にアメリカ国外の業者がアメリカへダイアモンドを大量に送り込んだことによる影響です。
関税25%の影響は決して影響が少なくはなく、本来であれば無税のダイアモンドですからGIAのグレーディングレポート作成依頼も海外からはできない状況になっています。そのため、4月頭の1週間で去年一年分のダイアモンドの輸入がアメリカへ行われたのです。
勿論6月のラスベガスショーを念頭に置いての行動ですが、時期が早すぎたために他国からの引き合いには対応できない状況になっているわけです。
その結果、ダイアモンド業界としてはフリーズ状態にあり、現状の手元在庫のみで対応せざるを得ない状況になっているわけです。
さらに言えば、トランプの関税政策を見据えて、多くの投資家が米国債を手放した為に長期金利も下がり結果として現物資産である金の価格の上昇ということにもなったわけです。
同じ現物資産であるダイアモンドはその希少性から金ほどの影響も少なく、大粒ダイアモンドの他のものは価格も軟調で、ファンシーカラーダイアモンドに関しては価格も弱含みでのあります。
現代の投資においてダイアモンドというものは市場が小さく、投資家にとっての興味は決して大きくはありません。現代の投資家の大半はパソコン前での作業であったり、目を離すことのできない立場にいるわけですからファッションやステータスに関してはあまり興味を示しません。
特にダイアモンドのような影の資産になりがちなものに関しては興味をあまり示さないのです。なぜなら、多くの国では富裕層の取り込みのために税制が富裕層に有利になっているためにそこへの工夫に大きな興味を示しません。
それよりも税金が無税のタックスヘブンへの国々への資産移動を行うような大きな工夫をするのです。
しかし、それには大きなリスクも伴います。現状でもハッキング等の犯罪が際立った進化をしています。これは、AI化が進むことにより更に可能性が大きくなってくるでしょう。
金額がそれほどのものではなくてもアナログ資産でもあるダイアモンドはやがて別の意味を持ってくるのです。