前回はラボグロンの事を書きましたが、今後はハイジュエリー、コスチュームジュエリー、アクセサリーのジャンル分けがあるとしたら、ラボグローンはコスチュームジェリーのジャンルの中のハイグレード的な存在になるのだと感じています。
つまり、本物であれば億単位のものが数百万円で購入できる感じの物という事になりますが、日本ではコスチュームジュエリーを着けるパーティー文化があまりありませんから広がりの可能性は低いのです。
ダイアモンドの世界はこの二、三年後にはAIがすべてのダイアモンドのカットをこなすことになるので、その汎用性をいかに生かすことが日本でのジュエリーの市場になるのです。
原石の研磨から、小売りの販売が一貫管理で行われることがハイブランドを始め、当たり前の時代が見えてきている感があります。それはジュエリービジネスの本来の姿でもある希少性、デザイン性、独自性を盛込むオリジナルな感性が顧客にどう響くのかを問う時代だという事です。
現在多くの日本企業が苦しんでいるのが職人不足です。これは今までの日本ジュエリー業界の後遺症という事だと感じています。本来単刀直入に言うと如何に独自性を出しながら価値高く販売をするのかという事ですが、日本では販売員があまりうまく育たなかったこともあり、いかにだれでも売れるものを作るかという事を重視してきました。
それは宝飾ビジネスの反対車線を走るようなものです。4Cありき、価格競争ありきといった販売方法は職人を育てることなく、大量生産と大量販売を目指した販売体制のあおりを受けた職人枯渇時代の到来を現実化させたものです。結果、職人もそうですが、販売員も育つことなくこのバブル後の30余年を迎えたわけです。
現在はその後遺症を解決すべく、考えることができるのが原点回帰をどのような形で行うかという事であり、それが今後のダイアモンドの世界も変えていくというか、すでに変わり始めているという事です。
現在大粒のダイアモンドビジネスは多くのカッターたちは研磨することなく、オーダーが入ってから研磨するという形が一般化してきています。それは今後他のサイズに関しても同様になるでしょう。
日本でデザインを起こし、CADデーター作成を行い、そのデザインサイズに合わせダイアモンドを合わせ、それを現地で制作をするという事が現実になるのです。すでに先行している企業もあります。
大粒のダイアモンドは別にして、素材としてのダイアモンドとそのプロデュースが今後の業界の主流になるのは容易に想像がつきます。
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