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2022年3月23日水曜日

ダイアモンドの近々⁉

 昨年来からの値上がり傾向や年始の各鉱山会社からの値上げ発表、更にはロシアのウクライナ侵攻と値上りトレンドが続いています。

 アルロサへの制裁を含めダイアモンドビジネスに暗雲が漂うような気配すらしますが、実際には大きな変化はないと思っています。

 事実、アルロサの原石は制裁に加わってはいないインドに次から次へと送られ研磨され、供給には問題がないようにも思われます。むしろアルロサの原石供給過多による問題がはらまれてきます。

 それは小粒のダイアモンドの90%以上の研磨シェアがインドに集まっているために、むしろ小粒に関しては近々に値下がりすら予想できるのではないかと考えています。

1980年のダイモンドの大幅値下がりもその前の過度の値上りとイスラエルダイアモンド業者の過度な供給が大きな要因でした。多くは1ct以下の小粒でしたが。勿論背景は今回とは違いますが現象面だけを見ると今回起きている部分と非常によく似ています。

 勿論大粒ダイアモンドに関してはその例外になるでしょう。絶対的な供給量が足りず、今回のウクライナ侵攻により需要が増すことが十分に考えられるからです。

 現実に以前のように決して買い手市場ではなくなっています。余裕があるのなら無理には売る必要もなくさらに言えば、現在は大粒オーナーの殆どは資金的に余裕のある人が、圧倒的だからです。

 ダイアモンドのディーリングにおいても圧倒的に購入希望者が多く、販売希望者との割合は8対2といっても過言ではないのです。

 さらに日本においてもその傾向は強くなるでしょうし、日本においての新なるダイアモンドビジネスのスタイルになるのかもしれません。


2022年3月8日火曜日

ウクライナリスクとダイアモンド⁉

 前回書いた内容とダブる部分と異なる部分があるかもしれませんが、ロシアの更なる侵攻により状況も、かなり世界的にもひっ迫してきたように思えます。

 前回、有事の金とドルという割には金の値上りは限定的であろうと見解を記しましたが、ここにきて安定資産への資金の流入が増えるとともに金も数日以内には史上最高値を更新するような気配が出てきました。

 米国でのテーパーリングの動きから利上げ予想が大方の見方でしたが、ここにきて資金の動きから米国債の集中が始まり、利上げ予想は遠のくような状況になってきました。

 インフレ抑制策としての利上げでしたが、ここにきて米国債への資金の集中が、それを難しくしています。しかし、ロシアのウクライナ侵攻が激化をするに従い、原油や穀類の原材料の値上りの流れを汲みコストインフレ、つまり、スタグフレーションの様相が強くなってきました。

 今後の株価の暴落を予想させるとともに,我が日本においては最も顕著な現象が出てきます。それは貿易国であった日本は既に投資国へと変貌を遂げていることをあまり知られていない事ではありますが、日本の海外への投資額は既に先進国でもベスト5に入るレベルです。

 つまり、貿易収支の赤字が増えるとともに国有資産の価値下落をはじめ、不動産のリスクが顕著化されることが予想をされるからです。そうなれば当然の円安であり、物価上昇です。

 多くの投資家、資産家がリスク資産から安定資産への資金意向が顕著になっている現状が地金の高騰であり、米国債の利幅減なのです。

 一方、安定資産としての大粒ダイアモンドは今回のロシアのウクライナ侵攻を受け、そもそもが値上がり傾向にあったもの(一部ではロシアのウクライナ侵攻は昨年末には織り込まれていたともいわれています)がここに来て更なる底上げがあります。

 ウクライナの避難民がポーランドやオーストリアなどでのダイアモンドの換金の動きは既に出ているとの情報も流れており、戦争や災害時の資産保全策としてのダイアモンドはここでも生かされています。これは東日本大震災の折にも起きた傾向です。

 更にはロシアが一定の影響力を持っていた中東の不安定要因は地政学的にも問題であり、更に今回のインドの親ロシア姿勢はQuad(日、米、豪、印)戦略対話にも影響を及ぼします。それは中国への誤解を招くアピールにもなるのです。

 日本は災害も国家安全の危機、更には国家の債権リスクもあります。安定資産への更なる資金移行に拍車がかかる可能性もあるのです。