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2021年4月29日木曜日

時代が変わるとき⁉

 最近のお話だけではないのですが引き合いがあり、お取引先にお送りしても結果的に『お客様が来なかったのですみません』という理由で商品が返却をされることが多くなてきました。

 何故にこのようなが起きるかというと結論から言うと『客なり』の接客をしているという事になります。勿論、急病なり急用なりという事もあるでしょう。しかし、このような例がこれほど多いという事はやはりお客様と話を詰める前に商品手配をして客待ちをしていようという事なのでしょう。

 現状の宝飾業界においては多くの場合大粒や特殊な宝石に関してはそれほど国内在庫が有りませんから業者間で品物を回す事となります。さらに言えばその送料も保険料を含めると馬鹿になりません。それ故に安易な引き合いは迷惑でしかありません。

 ただ現状の末端を考えるとほとんどの場合販売員に経験や知識が乏しく、仮にお客様が来店をしたとしても決めきるだけの度量に関しては難しく、実際には展示会等でも卸屋さん販売員が決めることが多く祭事以外においても卸屋がダイレクトで消費者に接して決める場合も多くなっています。

 以上のことを考えると流通のシステム自体を変えざるを得ないと感じるのです。何故なら希少石に関しては圧倒的にお客様より商品の方が足りないわけですから、お客様に商品の都合に合わせてもらわなければなりません。それは以前の宝石業界では当たり前のことでしたが、ここ数十年の間に状況も変わり宝飾品もかなりアクセサリー化し販売形態も変わってきたのでやむを得ないのかもしれません。

 現状においてはこの時代の変化を見直し、本来の宝飾品の販売方法に立ち帰らなければならないのでしょう。過去にも色々と時代の変化によるこの業界の変貌を見てきましたが、今ほど変わらなければならないと感じることはありません。

 宝飾品は何時の時代にも顧客より少ない状況にあります、それ故に販売員の顧客へのアプローチが変わらない限り、市場の復活はあり得ません。『何時でも何処でも誰でも手に入る宝飾品』は既に宝飾品としての価値を失っています。

 時代の変わり目であることには変わりありませんが、どう変わるかというと宝飾品に関してはITなどが絡む要所は極めて少なく販売員なり、販社なりの原点回避が何よりも効果的なのだと考えています。

2021年4月23日金曜日

ダイアモンドのマーケット!?

 ここで触れるダイアモンドとは資産としてのダイアモンドですが、多くの人が描く『ダイアモンドの世界』はゴウジャスで自分たちには縁のない世界という事でしょう。

 しかし、実際のダイアモンドのマーケットというのは1億円をアヴェレージにしたダイアモンドがどれ位世界のマーケットで動いているかというと500PCS前後です。つまり、全てを同時にビジネスを行ったとしても500億円ほどのマーケットでしかないのです。

 勿論ダイアモンド全体を指せば輸出価格ベースで毎年2兆前後の取引がありますが1億円を平均として資産用となると極めて少ないわけです。

 ところがこのマーケットというのは長い間世界的オークションハウスか特殊なダイアモンドディーラーのマーケットで動いてきたわけです。しかし残念ながら日本では不動産神話が根強かったためにあまり広がってはこないというか存在さえ知られることがなく日本でも一部の人の世界でしかなかったわけです。

 私自身その業務に長年携わりましたがやはり多くのl場合一部の資産家の間だけの世界でした。しかし、現在のフィンテックによるデジタル資産やその管理においてはあまりにもリスクが高く危うさがあります。

 一方、アナログ視差の典型でもあるダイアモンドは多くの場合その管理を管理、監視当局がコントロールするにはあまりにも小さすぎた為に多くの国の税務管理当局は未だに玉虫色の管理をしています。例えば公に有名人の3000万円の婚約指輪の話題が出ても課税をすることができません。

 本来厳密にいえば贈与税のかかる高額物品贈与の案件においては状況々々でそれぞれの管轄所において判断をされることになっていますが実際には課税をされた話は聞いたことがありません。

 つまり、世界的にも小さなマーケットであるダイアモンドのマーケットのおいてはまだまだ流用性の高いマーケットであるという事です。

 これらのことをどう判断をし、運用するかは今後のマーケットの重要なカギとなることになるでしょう。

2021年4月7日水曜日

ダイアモンドの常識⁉

 ダイアモンドは有史以来、象徴を伴った資産として人類の周りに存在していました。しかし、人類の社会習慣や環境に変化により本来の価値というものが翻弄もされてきました。

 近代においては日本の4Cグレードの誤解と偏向によりダイアモンドの本来の価値を損なってき他とも言えます。それはダイアモンドという一つの言葉がすべて同じものという誤解から生まれたものでしょう。

 私自身が今から45年前ほどに渡米をしたころは米国の宝石店で1カラット以下のダイアモンドにグレードを使用しているところは殆どありませんでした。それはジュエリーの材料として使用するか婚約指輪に使用するかという事でダイアモンドそのものに価値を覆いかぶせることはなかったでしょう。

 つまり、0.25カラット以下をメレーという位置づけの時にそこにグレードを付けるという事はあまりにも異常なことだったからです。メレーとは一般人がよく口にする『くずダイア』という位置づけの物を表す言葉と同意語だからです。勿論『くずダイア』という言葉を甘んじて受けようとは思いませんが・・・。

 当時日本では収入の問題もあり0.1カラット前後のものからグレードをブランドダイアモンドはつけていました。それは当時の『給料3か月分』といても多くの若者は20~30万円のが予算でしたから0,2カラットが20万円、0,3カラットが30万円というものであってもその価値を示そうとグレードを使用していたのです。その結果小さなサイズのものまで大粒のダイアモンドと同じような価値があるように勘違いをされたのでしょう。

 勿論それらの価値もそれなりではありますが、本来の価値は冒頭に書いたように象徴と資産としての価値がメインです。しかし、長い間婚約指輪と同じような販売のされ方をしてきたので、べらぼうな価格が設定をされ、そこからの値引き販売というものはダイアモンドの本来の価値と価格を危ういもんだという印象を消費者に持たせてしまったのです。

 小粒のダイアモンドには宝石の絶対条件となる希少性というものが一見欠けています。それは供給量が時として需要を超えてしまう事があるからです。本来の宝石としてのダイアモンドは決して供給が需要を超えることはない希少性というものが伴っています。それゆえに金融資産としての側面があるわけです。

 そしてそれは免許のいらない金融商品を扱うという特殊な状況を現状を生んでいるという事ですが、それは日本の話であって決してダイアモンドの常識ではないのです。世界では金融資産としての循環やその環境が整っています。日本においても早くその環境が整うことが常識の中でのダイアモンドが存在をすることになるのでしょう。