我々の業界では大きいイベントになる香港の国際宝飾展が幕を閉じました。
大方の評判は世界の経済状況を反映してあまりよくはなかったという声が多くあり、
予想はしていたこともありますが、ちょっと元気がありません。
得意にダイアモンドはインドの業者がキャッシュフロー確保の為の安売りに出て、
価格が弱めになったとの情報が耳に入ってきました。これは今まで好調とされた
インドの景気も弱めになり、金融の引き締めが行われた事もあると推測されます。
このようは状況は今までもよくあり、そのマーケット事情による価格の弱含みは他の
商品と同じです。しかし、マーケット事情の影響のない大きなサイズ(5.10ct以上)
は以前強含みであることは間違いありません。
最近では金の高騰やその他の地金の値上がりに注目されていますが、金や株等の
投資は危険が伴います。それは、金は元がなくならないとはいえ価格は大いに下が
る可能性はあります。また、株や国債等に関しては紙くずになる可能性すらあります。
ダイアモンドはその存在ゆえに金ほどの大規模な値下がりが起きる可能性もなく、
株のように価値そのものがなくなることもありません。
そのような側面もあることから、逆にキャッシュオンデリバリーによる販売も行われる
のです。それは、ダイアモンドの絶対的価値を証明するものであり、財産性を裏付
ける事なのです。
一方ではいつも述べているような付加価値が存在し、その付加価値が軽んじられる
日本では本当の価値を見極める事は難しいのかもしれません。
つまり、どちらの価値も取り扱っている人たちが残念ながら真の価値を知らない為に
起きている不幸なのです。
多くの欧米諸国や未開発国では、財産を自分で守る習慣がありますので、冷静に
財産保全になる物を理解する事が出来るので、ダイアモンドに対する見方が日本と
少し違うのかもしれません。
強いて言うのであればジュエリーについたダイアモンドにはそのジュエリーのデザイン
やその加工に対する価値は付与されますので、ダイアモンドその物の価値というより
ジュエリーとしての付加価値が優先されて価格がついています。
よく『ダイアモンドは買った時よりも売る時は安くなる』という言葉を聞きますが、その事
について述べると、売れるという価値だけでもメリットであり、その使用している素材の
価値ゆえにただにはなりません。
どんなブランドの衣服であれ、処分するときは1キロ何十円か何百円ですが、ジュエリー
に関してはそんなことはありません。今回の金高騰の狂想曲では多くの方がメリットを
感じたはずです。
ダイアモンドの大きなサイズの裸石の輸入価格と販売価格に関して、現代の市場では
ジュエリーについたダイアモンドの価格差ほどはありません。
これらの状況をとらえている海外の市場ではダイアモンドが多くの値下がりをする事は
ある一定の期間を前提とする事が出来るのであれば、まずあり得ません。
これからのダイアモンドへの見方を変えてみませんか?
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