ページビューの合計

2025年9月3日水曜日

ダイアモンドの資産性指標⁉(2)

  前回に続いてですが、ファンシーカラーの資産性としてFCRF(ファンシー・~・リサーチ・ファンデーション)のリポートが資産性の指標になるという根拠は出現率や出現毎年数などを数値として示してくれるわけですが、条件としてGIAによるリポートがついていることが前提です。また、カラーだけのレポートの場合はレポートの発行はできません。

 大粒ダイアモンドに関しても現在はトレーサビリティ付きのレポートの発行が行われてきていますので、同じく産地を含めた希少性が明確になってくることを考えると価格の目安が今よりさらに鮮明になってくることになるのです。

 つまり、今までも資産としての存在はありましたが、実際には大粒の場合には基準とするものも少なく価格の幅も相場の持つ小粒よりはブレがありました。

 しかし、レポートの精度が上がってくることによりその価格の幅はより小さくなり、より資産性の指標になりやすくなってきていることも事実です。

 それは、換金性や価格変動幅の実利性をより明確にすることになり、資産としての取引により実効性を増すことになるのです。

 ただ、敢えて言えばダイアモンドという資産は別の意味あいも持っていますので、全てが透明化になることは本来の特殊な資産としての価値を持ち続けるのかどうかは疑問です。

 つまり、金のように証券化や登録制ではないのでガラス張りではないという特殊さもダイアモンドの特徴でもあります。

 現代のように全てがデジタルにより管理される時代は便利な一方、すべてが裸にされる可能性があり、もっと言えばプライバシーがなくなることさえ考えられるわけです。

 資産としての実効性が増すことはダイアモンドビジネスにとっては良い事ではありますが、人間社会は全てが白日にさらしてよいももばかりではありません。それ故の資産性であった事実も歴史上あります。

 しかし、今後AIを使ったグレーディングが進化し、すべてがブロックチェーンにより管理をされるようになるのかもしれません。

2025年9月2日火曜日

ダイアモンドの資産性指標⁉(1)

  ダイアモンドは以前から現物の資産として欧米諸国では当たり前のように流通をしてきましたが、現代では単純にダイアモンドということではなく、ある意味区分化が進み白系のダイアモンドであればとりあえず大きさ、更にクラリティをそれぞれ一つの区分にし、さらにGIA(米国宝石学会)などによる原産地を特定するトレーサビリティーなどといった、以前に比べより高度な区分仕分けが行われています。

 正直なところ原産地の18世紀には枯渇したといわれるインドのゴルコンダ鉱山であれば一つの希少性とも言えますが、その他の鉱山については閉鎖は日常茶飯事といってもよい状態ですからあまり意味もないのかも思います。特にグルコンダ産の殆どが今話題タイプⅡであることも付加価値の要因ともいわれ、あの有名なホープダイアモンドもゴルコンダ産です。

 更に、今後はFCRF(ファンシー・カラーリサーチファンデーション)がファンシーカラーダイアモンドのその整合性をチェックしたレポートを発行することによりその市場性がより担保される事になるはずです。FCRFは2014年に各界のエキスパートが集められ設立をされた財団ですが、サザビー・クリスティーなどのオークション会社なども歓迎をしており、ファンシーカラーダイアモンド区分化がより整合性を高めることになり価格の安定を図れるとコメントしています。

 ダイアモンドの資産性においては我が日本は販売の特殊性もあり、なかなか浸透をしてきませんでした。しかし、近来多くの場所でその動きが顕著化しています。業界としての知識不足もあり、動き自体は牛歩といえるかもしれませんが徐々に浸透をしています。

 以前はダイアモンド・ディーラーが主体であり、日本にはあまり存在そのものが知られることのないビジネスが殆どでした。金の高騰が例にあるように、現物資産の重要性は顕著ではありますが、ダイアモンドもイコールかというと、そこは少し事情が違います。

 金価格に関しては現物とはいえ証券、先物化した状況にあり市場としても大きいといえますが、ダイアモンドに関しては現物資産とはいえそのものの存在が少なく、市場性は一部の人のものといえるです。

 しかしながら、GIAやFCRFなどの存在は区分性を今後ますます顕著化し、現物資産としてのダイアモンドの存在を大きくするものだと考えられます。

 次回へ