前回に続いてですが、ファンシーカラーの資産性としてFCRF(ファンシー・~・リサーチ・ファンデーション)のリポートが資産性の指標になるという根拠は出現率や出現毎年数などを数値として示してくれるわけですが、条件としてGIAによるリポートがついていることが前提です。また、カラーだけのレポートの場合はレポートの発行はできません。
大粒ダイアモンドに関しても現在はトレーサビリティ付きのレポートの発行が行われてきていますので、同じく産地を含めた希少性が明確になってくることを考えると価格の目安が今よりさらに鮮明になってくることになるのです。
つまり、今までも資産としての存在はありましたが、実際には大粒の場合には基準とするものも少なく価格の幅も相場の持つ小粒よりはブレがありました。
しかし、レポートの精度が上がってくることによりその価格の幅はより小さくなり、より資産性の指標になりやすくなってきていることも事実です。
それは、換金性や価格変動幅の実利性をより明確にすることになり、資産としての取引により実効性を増すことになるのです。
ただ、敢えて言えばダイアモンドという資産は別の意味あいも持っていますので、全てが透明化になることは本来の特殊な資産としての価値を持ち続けるのかどうかは疑問です。
つまり、金のように証券化や登録制ではないのでガラス張りではないという特殊さもダイアモンドの特徴でもあります。
現代のように全てがデジタルにより管理される時代は便利な一方、すべてが裸にされる可能性があり、もっと言えばプライバシーがなくなることさえ考えられるわけです。
資産としての実効性が増すことはダイアモンドビジネスにとっては良い事ではありますが、人間社会は全てが白日にさらしてよいももばかりではありません。それ故の資産性であった事実も歴史上あります。
しかし、今後AIを使ったグレーディングが進化し、すべてがブロックチェーンにより管理をされるようになるのかもしれません。