ラボグロンが巷で騒がれ始めてから5~6年たつでしょうか。
実際には1980年代には既に当時のソビエト連邦製のものが出回っているといわれ、1990年代半ばには既に米国製のものが出回っていました。しかし、当時のGIA(米国宝石学会)はその後2003年に初めて認識をしたと発表しましたが、それまでのレポートの責任逃れのための言い訳でしかありませんでした。
その後GIAはラボグロンのグレーディングレポートを発行するという暴挙に出ましたが、その理由は天然かどうかではなくグレーディングがGIAのビジネスであるとコメントしています。
しかし、初代GIA理事長のリチャード・リーディコートはダイアモンドには鑑別書が必要がないのはグレーディングレポートは天然のダイアモンドが前提だからと説明をしていたのだが、現代のスタッフにはその知恵が無いように感じられます。
何故なら価格が暴落したラボグロンのグレーディングレポートをつける人はいないからです。当然、想定ができたことですが、$50前後まで価格の落ちたラボグロンにその価格以上のレポート代を出す人はいません。
ラボグロン協奏曲が収まろうとしている状況において新たな現象が出てきています。それは一つにラボグロンもダイアモンドの一つであるが希少性、物語、ステータスがない種類のものであり、天然とは一線が引かれているものであるということです。
もう一つは数億円するジュエリーが数百万円で仕上がるという市場です。日本のようにジュエリーを着飾る文化が元々無いところでは成り立つかどうかわかりませんが、欧米諸国のようにその文化があるところでは十分な需要があります。
現に米国ではそれに特化したビジネスは一定の成功を収めており、ブランド化にハリウッドスターを使用し、順調に伸びているスタートアップもあります。勿論、その見た目は天然と変わりませんから、うなずける内容でもあります。
今後はどのような市場になるかは天然の市場も含めて不安でもあります。