昨今の経済状況を見ていると活況なのか不況なのか見分けがつかないような状況にあります。つまり、金融市場は活況を呈し、実体経済は一部を除いて不況といっても過言ではないような状況にあります。
金融市場に集まるお金は本来であれば実体経済の後押しとなるはずが、現在ではそうではない状況にあります。何故なら、我が国においては内需拡大をあきらめた政府がこぞってNISAなる庶民向け投資を呼び掛けています。それはまるで将来が不安ならお金は使わず投資に回しなさいと言っているようです。勿論最後には見えないような但し書きで『投資はあくまで個人の責任において行ってください』と。
金融にとって一番まずいことは投資先の将来に不安があることです。しかし、現在多くのお金は金融から金融へと看板を掛け変えて移動し、実際の経済を反映していません。それはデジタル化された金融界、つまりフィンテックの特徴でもあります。
一部の人が勝利者となる昨今の仕組みは一人の人に多くの資金が回るように設計されています。過去であれば兆の付く資産形成には数十年から数世代掛かり成し遂げられてきました。その間には多くの人材を雇い多くの企業に利益をもたらせ、お金がそれこそ血液のように経済を回してきました。
しかし、現在の仕組みはわずか数カ月で一兆、二兆のお金を稼ぐことができます。またこのお金は一人の人が使うには多すぎるお金ですから自体経済には回りません。つまり、多数の人間が浪費する分には実体経済は回りますが、一人の人間がどんなに浪費をしても知れておりけいざいは回りません。
これらの仕組みを真面と持ち上げるのであれば、それはそれとして良しとしましょう。つまり、現代の経済の仕組みですからと理解をできない訳ではありません。但し、良い目を見れば悪目も見ることはを忘れてはいけません。何故なら『個人の責任』があるからです。
そこで本来の投資法である分散、長期、積み立てです。多くの庶民投資家は積み立て、長期を前提にしますが、分散を忘れる方が多くいます。何故ならそこまでの資金がないからです。
現在のフィンテックは背後に多くの不安があります。つまり、AIで操作をされた運用が多くなされている現在、資産が多ければ多い程、そこにお金が集まるような仕組みになっています。
つづく・・・。