この年の夏2年半ぶりにイスラエルを訪れ、ダイアモンド取引所を始め、イスラエル国内のワイナリーを巡ってきました。
此処で感じたことはワイナリーを始め、いかに多くの分野でIT産業が農業に関わっているかという事でした。つまり、農業が効率よくITによって行われているという事です。現状のイスラエルはアグリテックの先進国であり、自給率が93%という驚異的な数字を示しています。
砂漠が半分で農業自給率が93%、一方、日本は水と自然が豊かにも拘らず自給率はわずかにカロリーベースでは38%ほどである。更にこれには畜産用の輸入飼料等の数字が入っていません。
日本の立ち遅れはITに対する考え方の違いだと思う。イスラエルにおいては一次産業をいかに生かし生産性を上げるかという手段としてIT技術を考えているが、日本はシステムと効率化という幻想でITを考えている。
つまり、本来であれば使用する国民にとっていかに使い勝手が良いかという事が前提のはずなのに、行政にとっていかに便利かという事が前提となっている。非合理的な思想を前提に行なう日本の行政がシステムを考えれば必ず問題が起きる。
イスラエルの場合はアナログをいかに生かすかという前提であるが、日本の場合にはどれくらいアナログを減らせるかという前提となる。
アナログは絶対になくならないし、アナログがなくなったらITの存在意義もなくなってしまう。アナログとデジタルをいかにバランスよく使いこなすかという事が本来のテーマであり、いかにアナログをなくするかという論点自体が問題である。
日本のデジタル化の進まない状況はマイナンバーカードも含めて目先の都合だけを追って仕組みを作るので失敗を重ねるわけです。
河野デジタル相の頑張りはわかりますが、まず国民の前に役人たちに理解をしてもらわないとマイナンバーのデジタル化は進みません。何故なら国民は行政を信用していないからです。マイナポイントをもらいたいから作るという人々は一握りしかいません。まずは信用をしてもらう事ですね。