現在の投資熱は歴史上類を見ないといってもよい状況です。勿論株式に始まり、国債、暗号通貨や、さらにはこれに付随するデリバティブなどウォールストリートの常識というか理屈が世界を席巻しています。
それにはデジタル、ITなどの発展進化などが大きく貢献をしていることは間違いがありません。しかし、1929年に起きた世界大恐慌総株暴落現象の数年前と酷似していると考えるのは私だけでしょうか?
現在、多くの資産家が生まれ話題になっていることは周知の事実ですが、多くの場合一代であり、十数年、もっと言えば数年で築き上げた資産ともいえ、過去の歴史では例がないのではないでしょうか。ただ単に著名な資産家だけではなく多くの富裕層がこぞって資産の形成にやっきになっている現象が見られます。
最近特に感じることですが5億前後の資産をお持ちの方のお金の使い方ですが、100万前後のお金は自由になるがそれ以上は難しい。さらに言えば20憶30億円の資産をお持ちの方は1000円前後のお金は自由になるがそれ以上となると難しいという現象です。
仕事柄それなりに資産家の方たちとお付き合いがある中での感想ですが、資産の多くは証券や条件付き投資要件つまり満期等の期限付き」資産をお持ちの方が多く、資産は多いのだが使えるお金は少ないという事です。
つまり、数字上は株価や資産の数字は大きくなってきているのですが、実際の経済を動かすべき現金はあまり市場には回ってはいないという事です。多くの実体経済において経済を回しているのは資産を持たない人々であり、特に日本においてはデフレが続く要因が満載なわけです。
しかし、ここで懸念をしなければならないことは、基本的にはモノが動かなければ経済は回らないわけです。多くの投資家が企業に投資をしてもその企業のモノが動かなければ株価が落ちていくことは必至なわけで、そこで投資家たちがその企業から資本を引きあげることにより株式市場は悪化をしてくるという事になります。
ものが動かず、価格も上がらない現状で株価だけが高値でいること自体がデリバティブなどのウォールストリートの常識の中で創られたまやかしなのだろうと感じています。それが前述の世界大恐慌の前触れ的な感じを抱かせるのでしょう。
勿論現在は当時とは全く違う環境下にあります。しかし、経済をアウトルックしたときに基本的な理屈で考えるとやはり疑問を持たざるを得ないという事です。