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2024年7月16日火曜日

ダイアモンドとスタグフレーション⁉

  現在世界中で金融ブームでその利益を享受している人々も多いと思います。ただ、頭をかしげる現象でもあるのではないかと感じています。

 それは世界の個人金融資産は6京円(現状)を超えるといわれていますが、実体経済はその4分の1の1京5千兆円(現状)といわれています。1980年代には1:1であった実体経済と金融経済の率だけでいえば僅か40年ほどで金融資産は4倍になったことになります。

 簡単に言うと金融の価値が4分の1になったと考えるのか、物の価値が4倍になったと考えるのか?

 現在の現物資産の代表格でもある金は過去最高値を更新していますが需要が増えたとは言い難い状況です。貨幣を含めた金融資産という事を考えると現物の金に対して金融資産の価値が下がったと考えた方がよいのではと捉えています。

 つまり、ドルを含めた貨幣に対して現物である金は強いと考えると、主要国での不動産の高騰や大粒ダイモンドの高値は現物としてその典型的な例ともいえるのではないのでしょうか。

 勿論、ダイアモンドに関してはある一定の希少性を持っている金融的価値を持っているものという限定ではありますが、1ct、2ctといった流通量が多いものに関してはその内容には含みません。

 簡単に言うと数少ない投資家に大量の金融資産が集まっているので実態市場に出回るお金が少なくなっているわけです。一人の使えるお金は決まっていますから少人数のところに多量の資産が集まっても消費されないという事です。お金は経済にとっては血液のようなものといわれていますから血の巡りの悪くなった体は決して健康とは言えません。

 不動産に関しても利便性や動線が変わって価値が上がったというよりも価格が建築費や材料費の値上りに伴い高くなったとも言えます。つまり、金融の中にも取り込まれる現物の値上りは続いているのですが、実質賃金がそれほど上がっておらず、日本に関してはむしろ下がっているわけですから、不況の中のインフレ、スタグフレーションの典型ともいえるのではないでしょうか。