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2023年4月6日木曜日

ダイアモンドという現物⁉

 先日、シリコンバレーバンクの破綻に端を発し、クレディスイス銀行まで破綻という大ニュースが世界を走りました。一瞬耳を疑ったのは私だけではないでしょう。

 世界の中心的な銀行であるクレディスイスの破綻は現代を象徴しているようでもあります。元々はベンチャーキャピタルを中心にした貸付を行っていたシリコンバレーバンクの信用不和からの取り付け騒ぎが発端ですが、これらの出来事は現代らしさが満載です。

 つまり、デジタル金融の世界だからこそ起きた事象で瞬時の取り付けなどは以前では考えられなかったことでもあります。現金を下ろすのに銀行前に長蛇の列を作り、大騒ぎをしていたのはもう過去の話です。数百億の資金が一瞬で消えてしまうのです。昨年末にイーロン・マスクの資産があっという間に3兆円ほどが消え失せ、2か月後には元も戻っていたことは記憶に新しいと思います。

 現在、AIの開発を止めようという動きがイーロン・マスクを始め、アップルの共同創業者でもあるスティーブ・ウオズニアックなどにより署名活動が行われていますが、AIを中心にしたフィンテックに関しては危うさを感じている人々が少なくないのではないでしょうか。

 さて、先ごろの金価格を始めプラチナ等地金の相場が相場が高騰をしています。米国債等を考えると実質的は価格の2倍の相場がついています。つまり実質的相場プラスプレミアムリスク分としての価格がついていることになります。これもデジタル相場への懸念から現物相場への寄り付きなのでしょう。

 ダイアモンドに関しては現物資産としての顔を持つ反面、金のような一定品質で相当量がそろわず実質相場というものがありません。しかし、概念という人間独自の価値でおおよその相場を作り、何千年と続いてきたそのプレミアムヴァリューは逆に安心感を与えます。

 おおもとは人間が作り上げてきたシステムであるが現代においてはAIが作り上げた相場というものを信じるのか、人間の感性が作り上げてきた価値というものを信じるのかは各々であるでしょう。

 冒頭に書いた事象をどう捉えるのか?はたまた、現物の存在をどう捉えるのか?今が分かれ目の様な気がします。