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2023年1月13日金曜日

現在の宝飾業界⁉

 初日の国際宝飾展(IJT)を覗いてみたのですが、やはり想像通り人気も少なく、相変わらずリサイクル業者が中心で大手のメーカーはほとんど出展しておらず、インドの業者が軒を並べていました。

 昨今、続く高額商品の好調さに比べ、一般商品の不振は世相を反映したものなのでしょう。面で商売をしていた多店舗宝飾店の多くは消滅に近いものになり、内容で商売をしていた専門店が扱う商品の高額化を図り現在の成功を収めているのでしょう。

 勿論、専門店であっても中身の問題は残ります。チェーン店と同じような品揃えや手法をとっていたところはやはり衰退し、言葉よく言えば業界がスリム化されたのです。

 チェーン店のように面で売るには量産品をそろえなければなりませんが、宝飾品の本来の価値には希少性という大前提がありますのでやはり難しい時代と言えるのでしょう。

 現代では内容を取りそろえることができることも重要で、ヨーロッパの様なスタイルで自らが裸石などから手配し、他では手に入らないようなものを取り合付くことが大事であり、必須なのでしょう。

 IJTを見ていてもインフルエンサーに頼ったビジネスをしているものも多く、これに関しても目立ち始めた時点で衰退がはじまっているわけで、今後の準備のためには本質的なところをもう一度見直す必要があるのでしょう。

 いま改めて『温故知新』という言葉を思い出します。手法は別にしてIT化は宝飾業界にはむいていないし、昔ながらのやり方ではなく宝飾品の内容を取り扱う必要があるのでしょう。

 最近においても多くのチェーン店が店じまいをしている姿をみて、やはり、宝飾業界は本質を見失ってはダメなのだとつくづく感じます。

2023年1月6日金曜日

2023年のダイアモンド⁉

 新年あけましておめでとうございます。1っカ月以上のブランクでのブログです。 

 ここ3年間はコロナ禍という事もあり、これといった状況の変化はダイアモンド業界には見られず、内容的にも大したコメントもなく書くこともなく過ごしてきました。ただ、この間に決してダイアモンド業界が不振だったわけではなく、ここ2年ほどはブライダルを中心にして決して悪い状況にはありませんでした。

 以前にも書きましたがコロナ禍で結婚式もなく、新婚旅行もなく、それらの予算は婚約指輪へと回されて米国を始め、欧州でも好調に売り上げを伸ばし、価格も値上がり傾向となりました。

 しかし、欧米がコロナ規制を解くほどに皮肉ではありますが、業界自体は静かになり、反面高級時計の方は依然と好調を継続中でもあります。

 これら現象は商品の内容ではなく、投機目的であることが少し残念ではあります。つまり、昨今の投資ブームに乗り、絵画を始め投機目的で商品をとらえる向きが多く、転売屋の横行やその類の購入も多く、いささか問題もあるのかなともとらえています。

 投機と投資は一見同じようにとらえられますが偶発的な短期利益追求のギャンブル的な資金投入である投機に比べ、投資は将来の展望を長期的に見定め、積み立ても前提としたもので、投資先もそれを前提にビジョンを組み立てます。

 ダイアモンドはよほどのことがない限り投機には向きません。なぜなら購入時点で流通コストが乗っていますので短期には向きません。しかし確実な値上がりが過去のデーター上ではある種保証がされています。つまり、希少性に流通コストを払っても手に入れておくことが将来の利益につながることになるのです。

 この業界に身を置いて半世紀近くになります。私自身の経験値から言っても当初取扱っていたピンクダイアモンドが現在約35倍の価格を付けていることに驚かされます。当時ダイアモンドに対して多くの人々は資産性や投資的な要素を経験として知識がありませんでしたからそちら方向で考えることはありませんでした。

 近年、投資や資産性を考慮する時代に入り、多くの人がNISAや投資信託に興味を持っています。資金を持っている人々が前提とはなりますがダイアモンド業界にとって2023年はそちらの方向性の年になるような気がします。